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ワンケルを超えた? ほぼ排ガスゼロの次世代ロータリーエンジン「オメガ1」とは

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ワンケルを超えた? ほぼ排ガスゼロの次世代ロータリーエンジン「オメガ1」とは

圧倒的な出力重量比 自動車や航空機へ利用可能

今日の4ストローク・ピストンエンジンに代わる画期的な内燃機関として、さまざまなアイデアが登場しては消えていく。しかし、それでも新しいアイデアの浮上は止まらない。

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今年、注目を集めているのは、アストロン・エアロスペース(Astron Aerospace)社の「オメガ1」である。ワンケルエンジンでもなく、タービンでもないロータリーエンジンだ。さまざまな燃料を使用でき、排出ガスがほぼゼロで、出力重量比(パワーウェイトレシオ)が高いため、理論的には自動車やバイク、航空機の動力源として使用することが可能だという。

エンジンは2組のローターで構成されており、1組のローターの上にもう1組のローターが乗っている形状だ。上下のローターはギアを介して互いに反対方向に回転する。画像の青色で示されたロータリーは吸気と圧縮を、赤色が燃焼と排気を担当する。青色のペアはスーパーチャージャーの役割を果たし、空気を取り込んで圧縮し、プレチャンバーに送り込む。赤色のペアがこれを燃焼し、排気を行う。吸入空気は1380~2070kPaに圧縮できる(従来のブーストエンジンでは240kPa程度まで)。

オメガ1の単体の重量は15.9kg、出力160ps、トルク23.5kg-m、レッドラインは2万5000rpm。これに対し、一般的な3気筒1.0Lガソリンエンジンは、重量約97kg、出力約120psだ。ポンピングロスやバルブトレイン、バルブスプリングの圧縮など、ピストンエンジンでは避けられない内部のロスがないことが、効率向上の主な要因である。ベアリング、バルブトレイン、ピストン、冷却水のポンピングなど、無数の可動部品が引き起こす摩擦も回避しているのだ。

空冷式で、ポペットバルブもバルブスプリングもない。可動部品は回転体だけである。ピストンエンジンのようにオフセットしたクランクシャフトはなく、ワンケルのような偏心シャフトもない。その代わり、1本の回転動力軸から直接、動力が伝達される。

また、「スキップファイヤー」機能により、さらに効率を向上させる。ピストンエンジンにおける気筒休止と同様の効果を発揮するもので、エンジンが激しく動いているときは1回転ごとに点火するが、巡航時には5回転や10回転ごとなど必要なときだけ点火する。

アストロン・エアロスペース社によると、構造の複雑さと部品点数は、単気筒4サイクルの芝刈り機用エンジンと同等だという。メンテナンスも簡単であり、オーバーホールのインターバルは10万時間に1回程度で、比較的低コストで済むとしている。

モジュール化できる点はワンケルと似ており、別のユニットとつなげることで、パワーとトルクを倍増させることができる。オメガ1を2台つなげると、パワーとトルクが2倍になり、重量32kg弱で320psと47kg-mを発生する。

アストロン・エアロスペース社は米国政府にエンジンを供給するため、米国防総省の委託企業と提携している。このアイデアが自動車メーカーの興味を惹けるかどうかは、時間が経ってみないとわからない。

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みんなのコメント

50件
  • ワンケル?
    ヴァンケルの事か?
  • ロータリーエンジンの何が問題か。90年代以降にレシプロエンジンが進化を続けたのに対してロータリーエンジンが進化しなかったのはなぜか。最もシンプルな答えは、運転負荷に応じた燃焼状態の調節ができないから。要するにロータリーエンジンに搭載可能な可変バルブ機構が未だに実用化されていないということ。そのため、特定の条件での効率を良くしても、条件が変わると途端に悪化する。だから、マツダも燃焼効率の良い特定の条件で運転し続ける発電機としての使い方を考えた。
    このエンジンもその問題をクリアしていない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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