アウディF1のチーフオペレーティングオフィサーを務めるマッティア・ビノットは、アウディが2026年に正式にF1に参戦する際には、ライバルに対してパワーユニット面で若干のハンディキャップを抱えることになると考えている。
今年初めにザウバーの買収を完了したアウディは、F1プロジェクトをビノットに託すことでチームの運営を全面的に再編成し、2026年にワークスチームとしてグリッドに並ぶ予定だ。インゴルシュタットを拠点とするアウディは、メルセデス、フェラーリ、レッドブル・パワートレインズ、ホンダという4社のエンジンマニュファクチャラーに加わることになるが、現時点ではアウディがカスタマーチームにエンジンを供給する計画はない。
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
ビノットによると、これまでのところアウディのエンジン開発計画は予定通りに進んでいるという。
「ここ数日から数週間は、ノイブルクを訪問していた」と、ビノットは先週末にシンガポールで語った。
「エンジンは順調に進んでおり、ダイナモで作動して、これまでに長距離走行も完了している」
しかし、フェラーリでエンジニアとチーム代表を務めた経験を持つビノットは、アウディは2026年の登場時には追い上げのモードに入っているだろうと考えている。F1の既存マニュファクチャラーは、新しいレギュレーションの導入によりリセットに直面しているが、アウディよりもはるかに多くの知識と経験を持って新たなエンジンサイクルに臨むことになる。
「ここでも学習プロセスになると考えている」とビノットは説明した。
「我々はマニュファクチャラーが安定している他の組織と競争している」
「確かに、すべての経験は常に重要だし、有効なものだ。アウディの組織と設備は素晴らしく、プログラムも進んでいると思うが、まだ学習曲線が存在しており、それを乗り越える必要がある」
「したがって、最初は追いつかなければならないギャップがあると予想している。それがどれだけ大きなギャップになるかは、決してわからないと思う」
ビノットは、アウディのマシンがコースに出て初めて、ライバルチームとの差がどれほど大きいか完全に理解できるだろうと強調した。それまでの間、2026年に向けて可能な限りの準備を整えるために、アウディにはまだ1年以上の開発作業が残っている。
「コースに出て初めて、我々は把握できるだろう。しかし、それまでには1年以上の時間がある」
「開発中のダイナモには集中的なプログラムがある。それを確実に実行し、できるだけスピードを上げ、2026年の初めに可能な限りの競争力を発揮できるようにすることが我々の仕事だ」
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