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鈴鹿を走り込んだ岩佐に期待したRB。FP1デビュー前は「いつもと雰囲気が違った」/渡辺康治HRC社長インタビュー(1)

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鈴鹿を走り込んだ岩佐に期待したRB。FP1デビュー前は「いつもと雰囲気が違った」/渡辺康治HRC社長インタビュー(1)

 2024年シーズンのF1世界選手権の第4戦として開催された日本GP。史上初めて春に開催され、桜が咲くなか迎えた鈴鹿サーキットでの週末は、金曜日のフリー走行にRBから岩佐歩夢が出走するなど初日から大きな注目が集まった。

 現場を訪れたHRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は、RBのガレージでその岩佐の走りを見守り、「しっかりと仕事をこなした」と評価。また18年ぶりに同じチームからふたりの日本人ドライバーが出走することになった経緯や、今後再び岩佐がフリー走行に参加する可能性について語った。

岩佐歩夢、初のFP1出走を振り返り「すごく大きな経験になった」2024年の最優先事項と家族に見せたい姿/F1日本GP

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──今年の日本GPでは、RBからレギュラードライバーの角田裕毅選手とともに、岩佐歩夢選手がフリー走行1回目に出走しました。ふたりの日本人ドライバーが同じチームから公式セッションに参加するのは、2006年日本GPのスーパーアグリ以来です。今回、岩佐選手がフリー走行に出場することになった経緯を教えてください。

渡辺康治HRC社長(以下、渡辺社長):岩佐歩夢は我々の育成ドライバーであり、レッドブルのジュニアドライバーでもあり、両者の共同のプログラムで育てられています。2023年限りでFIA F2を卒業した後、2024年はどのようなプログラムで育てようかとレッドブルと話し合い、まずはスーパーフォーミュラに参戦させることが決定しました。ただ、F1というものを目指すためには、F1となんらかの接点を持つことが大切なので、シミュレーターに乗るなど、F1の世界にとどまるような仕事をやってもらうことにしました。その話し合いのなかで、「チャンスがあれば、ヤングドライバー枠でフリー走行1回目に乗せたいね」という提案があり、ホンダとしては「乗せるのであれば、鈴鹿がいいですよね」という意思を伝えて、実現しました。

──シーズン序盤、しかも難易度が高い鈴鹿でヤングドライバーが走るのは珍しいですね。

渡辺社長:我々は岩佐にタイムは求めていませんでした。あくまでチームが行うプログラムに沿った走行をしっかりと行うことが目的でした。それであれば、岩佐ならスーパーフォーミュラで鈴鹿を走り込んでいるのでしっかりとやってくれるだろうとチーム側も理解していて、日本GPで走ることになりました。

──岩佐選手には何かアドバイスはしましたか?

渡辺社長:本人は「緊張していない」とは言っていましたが、間近で見ていて、いつもとは雰囲気が違っていたので、金曜日の朝に「リラックスして走りなさい」と伝えました。

──鈴鹿での岩佐選手の走りはいかがでしたか。

渡辺社長:赤旗が出て限られた時間のなかで、しっかりと与えられた仕事をこなしていました。角田とのコンマ9秒の差は、岩佐のほうが少し重めの燃料だったこともありますが、チームからの評価は高かったです。赤旗が出なければ、もう少し燃料が減った状態で走行できていたと思います。フィードバックが素早くかつ的確で精度も高く、一緒にガレージの後ろで無線を聞いていた佐藤琢磨も「やるねえ」と、自分のことのように喜び、驚いていました。

──ヤングドライバー枠はシーズン中に1チーム2回となっています。

渡辺社長:今後についてはまだチームと議論を始めていませんが、年に2回チャンスがあるので、もう一度走る可能性もあります(注:その場合は、今度は角田裕毅のマシンに乗らなければならない)。

──レッドブルやRBの首脳陣と本社やHRC Sakuraで会議はあったのでしょうか。

渡辺社長:いいえ、行っていません。我々が両チームの首脳陣と会ったのは、日本GPの土曜日の夜に催したパーティです。これは毎年日本GPの土曜日に我々が主催してパートナーである2チームのスタッフを招待しているものです。今年は『ホンダ・キックオフ・パーティ/We will win』と題して、遊園地のなかにあるプールサイドを貸し切って、両チームの首脳陣だけでなく、スタッフ全員の約200人を招待しました。ホンダからも社長の三部(敏宏)と副社長の青山(真二)と貝原(典也)が参加しました。ただ、(レッドブルのマックス・)フェルスタッペンだけ来ませんでした。

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