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メルセデス AMG GTシリーズ初試乗! スポーツカーとしての価値を高めた進化を実感

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メルセデス AMG GTシリーズ初試乗! スポーツカーとしての価値を高めた進化を実感

Mercedes-AMG GT Series

メルセデス-AMG GT シリーズ

新型マカンに感じた、ポルシェ流スポーツSUV進化論【動画レポート】

細部のリファインによってアップデート!

ハイパフォーマンスカーブランド、メルセデス-AMGを象徴する存在として独自開発され、2014年にデビューしたメルセデス-AMG GTがフェイスリフトを受けて最新モデルに生まれ変わった。着々とラインナップを拡大する一方、GT3やGT4のレーシングカーで世界的に華々しい成功を収めてきたこのピュアスポーツカーは、定評のコンセプトに手を加えることなく細部のリファインによって、アップ・トゥ・デートな魅力を身に着けたのだ。

試乗のスタート地点はアファルターバッハ。そう、AMGのヘッドクォーターだ。ずらり並んだクルマの中から最初の試乗車として選んだのはクーペの「AMG GT S」である。

AMG GT Sを通じて変更点を確認

率直に言って今回の進化はそれほど大規模なものではない。外観の変更は最小限で、LEDハイパフォーマンスヘッドライトが新たに採用され、LEDテールライトも新デザインに。さらにリアバンパー、ディフューザー、テールパイプの形状が見直されたという程度である。とはいえ、AMG GT Rの登場以降すでに採用されていたAMGパナメリカーナグリルに、AMG GT 4ドアクーペと共通の意匠となるアロー形状のポジショニングライト&ウインカーによって、その顔はしっかり新しさをアピールしている。

機能面も含めて、大きく変わったのはインテリアだ。新採用の12.3インチフルデジタルインストゥルメントクラスターは、欲しい情報を瞬時に確認できる視認性を備えるだけでなく、表示を“Classic”、“Sport”、“Supersport”の各モードに切り替え、コクピットを自分好みに演出することもできる。さらにセンターコンソール上には10.25インチマルチメディアディスプレイが搭載されたが、MBUXは残念ながら未導入である。

スイッチにTFTディスプレイボタンを装備

V型8気筒エンジンをイメージしたと謳われるセンターコンソールには、AMG GT 4ドアクーペに続いて各スイッチにTFTディスプレイを埋め込んだディスプレイボタンが採用された。但し、ここに触れる機会は多くないかもしれない。というのも、新たに標準装備されたAMGパフォーマンスステアリングは、そのスポークの根元にやはりTFTディスプレイ付きの“AMGドライブコントロールスイッチ”を備え、各種モード設定はステアリングから手を離すことなく、こちらで可能となっているからである。

右側のダイヤルでは、AMG DYNAMIC SELECTの“Comfort”、“Slippery”、“Sport”、“Sport+”、“Race”の各モードの切り替えができる。そして左側のスイッチでは、トランスミッション、ダンパー、エグゾースト、ESPなどの各種設定が可能だ。さらに、新機能のAMG DYNAMICSも備わる。分かりづらい名称だが、こちらは、“Basic”、“Advance”、“Pro”、“Master”の4モードを備え、E-デフ、ブレーキによるトルクベクタリング、装着車両では後輪操舵の制御を変更することで、安定性と俊敏性のバランスを好みでセットアップできる機能となる。

尚、ESPの制御はこれには連動しない。走行に関する機能と安全に関わる機能はあくまで別にするというのがメルセデス-AMGの考え方、哲学なのだ。

踏めばすぐに応えるエンジンレスポンス!

AMG GT Sの走りは、まずエンジンのスポーティな息吹に昂揚させられる。アメリカンV8のようなサウンドはそれほど好みではないが、どんな回転数でも踏めばすぐに応えるレスポンスと凄まじいトルク感、特に低いギアでは回転計を注視していても目が追いつかないほどの素晴らしい吹け上がりなど、最高出力522ps、最大トルク670Nmを発生するV型8気筒4.0リッターツインターボユニットは、スポーツカーの心臓部として完成度が高い。

操舵に対してきわめてシャープに反応するフットワークは変わっておらず、つまり接地感が全体にやや薄めで、どっしりと落ち着いた感じに乏しいのも以前と同様である。リバウンドが強めなのか乗り心地も快適とは言い難く、あまり長い距離は乗りたくないなと思ってしまった。この辺りは進化を見たかったところである。

待望の本命「AMG GT R PRO」をテスト!

2時間ほど走って到着したのはホッケンハイムリンク。ここで予定されていたのは新たに追加された「AMG GT R PRO」の試乗だ。

内外装のAMG GT Rとの違いは、CFRP製のフロントスプリッターをはじめとするエアロパーツに、中央部を凹ませたルーフ、鍛造アルミホイールやスチール製ロールケージ、CFRP製バケットシートの採用など。これはファッションではなく、いずれも空力性能の向上、軽量化などに繋がるポイントである。

しかも目に見えないところでも、車高だけでなくバンプ側の低速と高速、そしてリバンプ側を個別に調整できるダンパー、CFRP製アンチロールバー、リアロアウィッシュボーンのスフェリカルベアリングなどを装着。ダイナミックエンジン/ギアボックスマウントも再調整されるなど、本格サーキットスペックに仕上げられている。

文句なしのパワートレイン!

しかしながら試乗は、路面が濡れていたため、標準装備のカップタイヤに代えて他のAMG GT用のピレリPゼロを履くことになり、しかも2度の走行のうち2度目では、1周でエンジンチェックランプが点灯してスローダウンを強いられてしまい、結局満足に評価することはできなかった。

その中で言うならば、パワートレインは文句無し。パラボリカの名が与えられている全開で踏み抜く左コーナーではウェット路面でも易々と250km/hを超えて、さすがに顔が引きつった。しかしながらセラミックブレーキは効きと耐久性がいずれも素晴らしく、おかげで安心してコーナーに飛び込むことができた。

一方、コーナリングに関しては残念ながら語る言葉をもたない。GT3やGT4で得られたレーストラックでの知見が大いに反映されているはずの走り、大いに楽しみにしていただけに残念だった。

快適性と軽快感をもった「AMG GT C ロードスター」

帰路は、まず「AMG GT Cロードスター」へと乗り込む。最高出力を557psに、最大トルクを680Nmに高めるだけでなく、トレッドをワイド化し後輪操舵機構も採用したAMG GT Cは以前の印象と同じく、締め上げられてはいるけれどフラットで、むしろ快適な乗り心地と、軽快感とスタビリティを両立した走りで楽しませてくれた。

素直なハンドリングが印象に残る「AMG GT」

続いて乗り換えたのはクーペの「AMG GT」。実はフェイスリフト前も含めて、このベースグレードは初体験だったのだが、こちら最高出力476ps、最大トルク630Nmと十分にパワフル、トルキーなだけでなく、しなやかで落ち着いた乗り心地、素直なハンドリングと巡航性能で、想像以上の好感触だった。これはめっけもんかもしれない。

すっかりこのセグメントのスポーツカーの選択肢のひとつとして認められたという自負から来るのか、走りについては大きな変更、変化のなかった今回のフェイスリフトだが、新たな内外装デザインや操作系は十分なアピール力を持っているのも事実。しかも日本では限定20台とはいえ、ハードコアなAMG GT R PROも投入されるとなれば、モータースポーツでの実績も相まってこのAMG GT、、本物のスポーツカーとしての価値をますます高めていくことになりそうである。

REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)

【Technical Data】

メルセデス-AMG GT R & GT R PRO

エンジン:V型8気筒ツインターボ

排気量:3982cc

最高出力:430kW(585ps)/6250rpm

最大トルク:700Nm/2100 – 5500rpm

0 – 100km/h加速:3.6秒

最高速度:318km/h

メルセデス-AMG GT C クーペ(ロードスター)

エンジン:V型8気筒ツインターボ

排気量:3982cc

最高出力:410kW(557ps)/5750 – 6750rpm

最大トルク:680Nm/2100 – 5500rpm

0 – 100km/h加速:3.7秒

最高速度:317km/h(316km/h)

メルセデス-AMG GT S クーペ(ロードスター)

エンジン:V型8気筒ツインターボ

排気量:3982cc

最高出力:384kW(522ps)/6250rpm

最大トルク:670Nm/1900 – 5000rpm

0 – 100km/h加速:3.8秒

最高速度:310km/h(308km/h)

メルセデス-AMG GT クーペ(ロードスター)

エンジン:V型8気筒ツインターボ

排気量:3982cc

最高出力:350kW(476ps)/6000rpm

最大トルク:630Nm/1900 – 5000rpm

0 – 100km/h加速:4.0秒

最高速度:304km/h(302km/h)

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