もくじ
どんなクルマ?
ー まさにボルボ、な作り
ー ガソリンまたはディーゼルが選択可能
ボルボV90クロスカントリー「オーシャンレースエディション」 違いは? 短評も
どんな感じ?
ー 快適な室内空間
ー 荷室の使いやすさも良好
「買い」か?
ー 走りと快適性の両立
スペック
ー ボルボ V60 D4 インスクリプションのスペック
どんなクルマ?
まさにボルボ、な作り
ボルボV60を見て、どんなクルマと思うだろうか?
ボルボの大型プラットフォームを使って作られたこのクルマに対し、カッコいいエステートだとわたしは思う。
BMWの3シリーズ・ツーリングやメルセデス・ベンツCクラス・エステートなどと対峙することになる。これらのライバル達との勝負のゆくえはどうなるのだろう。
さて、始めるとしよう。
このクルマはボルボのスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ(SPA)を用いて設計された5番目のモデルだ。SPAの底力は新モデルが登場する度に明らかになっている。非常に効率的かつエレガントで、ボルボがこのハードウェアを使いこなすにつれてどんどん進化しているのがわかる。
ボルボがXC90をリリースしてから3年が経った。その後もXC60、S90、V90が登場し、より小さなプラットフォームのXC40も投入された。非常に短期間で次々と新モデルが登場しているのがわかるだろう。今度はV60エステートやS60サルーンが夏に投入されることにより、SPAのラインナップが完結する。
では、他のSPA採用車種と同じなのだろうか? 技術的にはそうだ。V60は大部分がスチールモノコックで、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとリアのコンポジットリーフスプリングが特徴だ。
そしてフロントに搭載された4気筒で2ℓ以下のエンジンが6速MTまたは8速ATを介して前輪を駆動する。2種類のプラグインハイブリッドや4WDが追って追加される。まさにボルボ、といったところだ。
ガソリンまたはディーゼルが選択可能
現時点では、150ps(D3)または190ps(D4)のディーゼルと、250psのガソリン(T5、ATのみ)がここ英国では購入可能だ。トリムはモメンタム、モメンタム・プロ、インスクリプション、インスクリプション・プロの4種類から選択できる。
今回われわれがテストしたのはD4インスクリプションのAT車だ。価格は3万7600ポンド(559万円)からで、燃費は24.5km/ℓ。この試乗車には19インチのホイールが装着されているが、これは550ポンド(8万円)のオプションであり、燃費も3.2km/ℓほど悪化する。
ボルボの一貫性はこれだけにとどまらない。ルックスについていえば、V60は最近のボルボそのものだろう。
この3シリーズ、Cクラス、A4アバントが属するクラスは、前衛的なエグゼクティブ層向けだ。デザイナーのリサ・リーヴスはこれを意識してデザインしたと語る。力強いベルトライン、下部グリルに向けて極端に傾斜したエッジ、水平方向に伸びるヘッドライトがワイドさを強調する。
「とても筋肉質というわけではありませんが、強弱のついたデザインです」とリーヴスはいう。ボルボはそれほどアグレッシブさを狙わない。ボルボの事故率は平均より50%低く、信用度も50%ほど良いというホーカン・サミュエルソンCEOの話はこういうことなのだろう。このような調査を誰が行なっているのかは別にして。
どんな感じ?
快適な室内空間
それはさておき、V60は内装も「アグレッシブ」ではない。V90よりは狭いが、ちょうど良い広さだと感じる。ドアガラスの上下幅は15mm広くなり、1200ポンド(22万円)のパノラミックサンルーフは共通だ。これによりボルボが開発費を抑制したのはもちろんだが、車内に十分な光を取りいれることができる。
非常に美しいミニマリストなインテリアは、神経質な北欧の刑事のために作られたかのようだ。インフォテインメントシステムの大部分は9.3インチのタッチスクリーンによって制御できる。これより良いシステムはテスラのそれくらいだろう。
V60専用装備もある。ボルボがドライバー志向と説明する通り、ダッシュボードのトリムはドアまでは続かず、中心部分に集中している。水平なウッドと強調されたラインからそれが感じられるのだ。この価格帯でこれより美しい内装があるだろうか?
前席は大きく、V90よりも着座位置は低い。ステアリングはしっかりとした重量感がある。大きなデジタル式のメーターの中央部にはナビの画面を表示することもできる。パイロットアシスト(アダプティブクルーズコントロール、レーンキーピングアシストなど)も含め、この画面の操作はステアリング上のボタンで行うのだ。トランスミッショントンネルには従来型のギアセレクターと物入れが備わる。
荷室の使いやすさも良好
後席の乗員にも十分なレッグルームが確保されている。V60のホイールベースは2872mmと、3シリーズよりも62mm長い。そして横置きエンジンのおかげもありコンパクトな配置ができているのだ。
V90のリアウインドウが傾斜が付けられているのにたいし、V60のそれはより古典的で垂直的なデザインだ。したがって、V60の荷室はクラス最大級であり、529/1441ℓだ。4.76mの全長はCクラス(4.7m)や3シリーズ(4.63m)よりも長く、40mm程度幅広いことを考えればこれも当然だろう。
荷室内はフラットフロアで、綺麗に仕上げられた側面、そしてフロアと窓枠にフックが取りつけられている。多くの積載物がある場合向けに伸縮性のあるストラップも備わる。北欧風のクールさを超え、これは伝統的でオールドスクールなボルボだと言える。
走りについても同様だ。SPAのテーマがすべて揃っている。それどころか、SPAの進化が見て取れるほどだ。
D4エンジンはアイドル時に多少音が聞こえる程度で、走行中は加速時でも静か。一方、ATはやや癖があり、シフトダウンを嫌う傾向がある。シフトレバーでの操作は可能で、ステアリングヒーターが装備されているのにパドルシフトはない。よりダイナミックな設定も可能だが、そうすると巡航時にも高回転を維持してしまう。
サスペンションの設定も変更できる。より大型の車種とは異なりエアサスペンションではないが、メカニカルなスプリングに可変ダンパーが組み合わされる。しかし、常に硬いモードで走るひとがこの世の中にいるのだろうか、とも思う。
「買い」か?
走りと快適性の両立
V60は非常に乗りやすいクルマだ。次は19インチに235/40タイヤではなく、18インチに235/45の組み合わせを試してみたい。しかし、今でも乗り心地は非常に良い。ロック・トゥ・ロックが2.4回転のステアリングも他の大型ボルボよりリニアで、曲がりくねった道にも対応しやすい。
大型モデルが優れたボディコントロールを維持しながらより快適になる中で、このモデルは非常に良いバランスを取っているように思う。3シリーズやジャガーXEほどの運転の楽しさはないが、決して退屈ではない。求めれば応じてくれる懐の深さはある。加えて、乗り心地の硬さやステアリングの曖昧さ、そしてディーゼルの不快な音などは無い。
わたしはいつかこのクルマのライバル達と直接比較してみたいと考えているが、現時点での感覚としてはBMWやメルセデスよりも快適だがダイナミックさは劣っているものの、これこそがボルボが求める立ち位置だろうと確信している。
ボルボV60 D4 インスクリプションのスペック
■価格 3万7600ポンド(559万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 220km/h
■0-100km/h加速 7.6秒
■燃費 22.3km/ℓ
■CO2排出量 125g/km
■乾燥重量 1669kg
■パワートレイン 直列4気筒1969cc
■使用燃料 ディーゼル
■最高出力 190ps/4250rpm
■最大トルク 40.8kg-m/1700-2500rpm
■ギアボックス 8速オートマティック
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