この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第42回目は、国産車で初めてラジアルタイヤを装着したスバル1000スポーツセダンの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
現代のスバルの礎を築いたFFスポーツ車
軽乗用車スバル360で軽自動車市場の販売トップを記録していた富士重工が、昭和41(1966)年5月から発売した初の小型乗用車がスバル1000だ。当時としては画期的だったエンジン縦置きのFF駆動方式や4輪独立のサスペンションなど、先進メカニズムをいち早く取り入れたモデルだった。
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そのスバル1000は、昭和42(1967)年2月に2ドアセダンを追加した。これに続いてさらに、11月から設定されたのが初のツインキャブエンジンを搭載した1000スポーツセダンである。
エンジンはそれまでのスバル1000と同じ水平対向4 気筒OHVで、 977cc、55psのEA52型をチューニング。ツインキャブの採用や圧縮比アップによって最高出力を67psとしたEA53型を搭載していた。
フロントのディスクブレーキや国産初のラジアルタイヤを採用したことも話題になるなど、先進的なアイデアが詰まった軽快な2ドアスポーツセダンであった。現在のWRXにも通じる低重心やサスペンションの良さから、ファンからの根強い人気を得ることになる。
その後、昭和44(1969)年3月、エンジン排気量を1100ccにアップ。車名はスバル1000からスバルff-1に変更され、スポーツセダンはツインキャブ仕様で77psとなった。
さらに昭和45(1970)年7月には再び排気量アップでff -1 1300Gに生まれ変わる。その中でも、 1300GのスポーツモデルはSTと呼ばれ、4気筒OHV、1267cc、ツインキャブ93psのEA62S型エンジンを搭載して、最高速は当時の国産1300ccクラスでトップレベルの170km/hを記録した。
スバル1000スポーツセダン(KRBB型)諸元
●全長×全幅×全高:3770×1445×1310)mm
●ホイールベース:2280mm
●車両重量:675kg
●エンジン型式・種類:A10型・直4OHV
●排気量:988cc
●最高出力:60ps/6000rpm
●最大トルク:8.2kgm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.50-12-4PR
●新車価格:50万円
[ アルバム : スバル1000スポーツセダン はオリジナルサイトでご覧ください ]
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