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「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?

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「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?

価格以外にも注目、ラングラーの大幅改良

現代ジープのアイコンであり、長年高い人気をキープし続けているラングラー。今回、現行型になって5年目で初のマイナーチェンジが行われ、再登場している。

【画像】ジープ新型ラングラー試乗の様子と新型を写真で 全117枚

今回のマイチェンでは、今どきの風潮に逆行する「車輛価格の引き下げ」が大きなトピックとなっているが、各部のブラッシュアップに関しても抜かりはない。

最もわかりやすいのはクルマの表情を決めるグリルで、ジープの伝統である7スロットを継承しつつ上下の幅が薄くなり、ヘッドランプや7つのグリル孔を縁取るなどしてモダンで親しみやすい印象へと変わっている。

新しい親しみやすさは室内にも見ることができる。ダッシュパネル中央に埋め込まれていた8.4インチのモニターが、フローティング形状の12.3インチに刷新されたのである。

新しい横長モニターの周囲には角が若干丸みを帯びた縁取りがされており、そこが新型グリルのイメージと符合している。またモニターとともにインフォテインメントシステムも刷新されUconnect5となっており、最新のチップによる高速化を実現している。

新型ラングラーのラインナップで話題なのは800万円を切るエントリーモデルとしてアンリミテッド・スポーツ(799万円)が復活したこと。

だが今回は本格クロスカントリーモデルのアンリミテッド・ルビコン(889万円)/ミドルグレードのアンリミテッド・サハラ(839万円)を試乗することができた。

速く扱いやすくなったインフォテインメント

価格的にはミドルグレードとなるサハラだが、本格クロカンのルビコンと比べた場合にはどちらが上とか下ではなく「用途が違う」と表現するのが正しい。

もちろんAWDの駆動系は一般的なSUVのそれよりはるかに本格的なセレクトラックフルタイム4×4なのだが、それでもルビコンが備えるロックトラックフルタイム4×4よりはライトな感覚。アスファルトの上を走ることがほとんどというオーナーがチョイスすべきはサハラなのである。

走りはじめてすぐわかるルビコンとの違いはタイヤだ。試乗車は18インチのBSデューラーH/Tを装着。SUV用のオールシーズンタイヤではあるが、ルビコンが履く「これぞオフロード!」という17インチのBFグッドリッジ・マッドテレインT/Aとはステアリングに伝わってくるザラつき感にけっこうな違いがある。

ちなみにアンリミテッド・スポーツは17インチのオールテレインなので、サハラとスポーツでも走行フィールには差があるはずだ。

一方実車に触れてみて最も印象的だったのはモニターとインフォテインメントシステムの進化だった。以前パネルはタッチ式だったが、そもそも画面が小さく必要最低限の機能が詰め込まれている感覚で、積極的に扱いたくなるような設えにはなっていなかった。

現行のラングラーは賢くなったセンターデフによる滑らかな走りを特徴としている。今回はそこにインフォテインメントのアップデート加わったことで走りと扱いやすさのバランスが取れた格好になる。

見えない部分にもコストが掛かったルビコン

ボンネットのサイドに入れられた象徴的なRUBICONの文字。そしてサイドウォールにまで荒々しいブロックが刻まれたオフロードタイヤ。

わかる人にだけ「本格派」であることをしっかりアピールするルビコンだが、その見た目はジープ最強の走りを反映させたものだ。

新型ルビコンの場合もサハラと同じく新しい外観、インフォテインメントを獲得している。つまり本格オフローダーがより「普通車」の領域に踏み込んできたわけだが、一方ルビコンらしいアップグレードも含まれている。

それがフルフロート式になったリアアクスルだ。これはドライブシャフトの構造的なもので、その変更を目視できない。とはいえバスやトラックなど荷重の大きな車輛では常識とされるシステムであり、ラングラーの場合は牽引能力の向上というメリットがある。

敢えて目立たない部分にコストを掛けてきたあたりに「普通車っぽくなった」などと言われては沽券に関わる、と言いたげなルビコンのプライドが窺えるのである。

今回の試乗では副変速機のレバーで2H(2駆高速ギア)と4H(4駆高速ギア)で一般道を走らせた。そこで再確認したのは2Hの軽快で曲がりたがる感じと4Hで高速走行した際のスタビリティの高さだった。これはルビコンのみならずサハラにも共通なのだが、面白いほどフィーリングが異なるのだ。便利なだけでなく本格的にもなったルビコンはまさに敵なしの1台といえるだろう。

試乗車のスペック

ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン

価格:889万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4870×1930×1855mm
燃料消費率:9.2km/L(WLTCモード)
駆動方式:4WD
車両重量:2110kg
パワートレイン:直列4気筒1995cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:272ps/5250rpm
最大トルク:40.8kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:LT255/75R17(フロント)LT255/75R17(リア)

ジープ・ラングラー・アンリミテッド・サハラ

価格:839万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4870×1895×1845mm
燃料消費率:9.8km/L(WLTCモード)
駆動方式:4WD
車両重量:2000kg
パワートレイン:直列4気筒1995cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:272ps/5250rpm
最大トルク:40.8kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:255/70R18(フロント)255/70R18(リア)

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