現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > オペルのほかにも再上陸はある!? 日本から撤退した海外ブランド4選

ここから本文です

オペルのほかにも再上陸はある!? 日本から撤退した海外ブランド4選

掲載 更新 5
オペルのほかにも再上陸はある!? 日本から撤退した海外ブランド4選

■人気車も多かった! 正規輸入されたものの日本から撤退した輸入車ブランド

 日本には国産メーカーはもちろん、欧州や北米メーカーのモデルが数多く輸入・販売されており、街中でもそれらの車両をたくさん見かける。

ジープはなぜ人気? 2019年度「勝ち組」ブランドの理由とは

 その一方で、かつては日本での認知度を高め一定の販売台数を稼いだものの、日本市場から撤退した輸入車メーカーも少なくない。

 日本はこの狭い国土にトヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱・スバル・ダイハツ・スズキと、世界的な大手自動車メーカーが8社も存在するという、ほかに例を見ない市場になっている。当然、そんな激戦区で海外のブランドが戦うには、並大抵のことではすまされない。
 
 いま思えば、ブランドが日本にやってくる際の話題性は高かったが、他の輸入ブランドと比べるとクルマそのものの魅力に乏しいところや販売網の少なさなどもあったのかもしれない。なかには1世紀以上日本で展開していたのも関わらず、8カ月というわずかな期間で日本から撤退した驚きのブランドもある。

 ところが、最近では撤退した輸入車メーカーのひとつであったブランドが日本で再び展開することを発表し、周辺がにわかに慌ただしくなってきている。今回は、かつて日本で正規輸入されていて、現在も世界のほかの地域では販売されているブランドを取り上げてみた。

●フォード(アメリカ)

 国産メーカーのマツダへの資本参加をはじめ、長きにわたり日本にも数多くディーラーを展開していた米国のメーカーがフォードだ。

 日本での歴史は古く、1925年には日本フォードを設立し、横浜でアジア初となるフォードの製造工場を開設するなど、戦前から日本での知名度が高かった輸入車の老舗ブランドだ。

 1979年にはマツダと資本提携し「オートラマ」という名前のディーラーを全国で展開。フォードの代名詞といえるスポーツカー「マスタング」だけでなく、「フェスティバ」「レーザー」「テルスター」など、マツダ工場で生産されたフォードモデルを販売していた。1996年には2万3273台を販売している。

 バブル崩壊以降は経営が悪化したマツダをフォードが増資で傘下に収め、1999年には後にフォード本体のCEOとなるマーク・フィールズ氏が弱冠39歳でマツダの社長になるなど、日本においてのフォードの影響力は大きかった。

 その後はマツダOEM車の販売を止め、「エクスプローラー」や「エスケープ」「マスタング」などの米国フォード車、「フォーカス」「フィエスタ」「モンデオ」などの欧州フォード車を販売した。

 ところが、2016年1月に突如として日本市場から撤退を発表。同年9月には日本のウェブサイトも閉鎖と急転直下の事態になった。

 米国本社経営陣からの鶴のひと声で決まったそうだが、それにしてももったいないとしか言いようがない。ピーク時に比べると1/5まで売り上げが低迷しており、撤退前の2015年の日本での販売台数は4968台。グローバルでの販売台数(632万台・2014年)と比較しても0.1%に満たないことも要因だったようだ。

 急な出来事だっただけに既存のオーナー達への支援が危ぶまれたが、現在は愛知県に本社を構える、国産や輸入車の販売を中心とした企業のVTホールディングスのグループ会社、ピーシーアイが販売車両の部品供給やリコール対応、アフターサービスなどの保証業務を続けている。

■日本再上陸のウワサがあるインポートブランドもチラホラ

●ヒュンダイ(韓国)

 韓国最大手のメーカーで、2017年の世界での販売台数は国産メーカーのホンダと同規模の450万台を誇る。

 日本へは2001年に進出し、参入初年度は1000台以上も販売。以降、数年間は2000台をコンスタントに売り続けるなど、一定の台数を売り上げていた。

 なかでも話題となったのは、2002年に販売されたコンパクトカーの「TB」。車両価格が約90万円と、国産メーカーの同クラスも顔負けのプライスを付けて、さらに欧州仕込みの走りの良さで評判も高かった。

 一方、2.5リッターと3リッターのV型6気筒エンジンを積んだ高級セダン『XG』も話題になった。

 価格も国産の同クラスと比べてかなりリーズナブルな設定で、内外装の装備も充実しており戦略的なモデルだった。

 しかし、2008年以降は原材料の高騰を理由に車両価格を値上げ。そこから売り上げが低迷したことで、2009年には日本市場から撤退する旨が発表された。なお、現在日本市場では大型バスの『ユニバース』を販売中で、そちらは販売好調のようだ。

 ヒュンダイは現在、高級セダンの「ジェネシス」やミドルクラスSUV「サンタフェ」、ミドルセダン「ソナタ」、コンパクトSUV「コナ」などが欧米市場を中心に人気で、じつは日本で再上陸するという噂は絶えない。
 
●ダッジ(アメリカ)

 アメリカの自動車メーカーのひとつである、クライスラーのブランドとして展開していたのがダッジだ。

 発祥は米国で1914年にダッジ兄弟が興したダッジ・ブラザーズ自動車メーカーが前身。1928年にクライスラーのブランドになったが、現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズの社内カンパニーとして展開している。

 日本には1997年に8リッターV型10気筒というモンスターマシンの「ダッジ・バイパー」を輸入販売。日本ではクライスラー「バイパー」という名称が与えられ、価格も1000万円超というプライスで話題を呼んだ。

 その後ダッジモデルの「ネオン」や「マグナム」が、クライスラー「ネオン」・「300Cツーリング」という名称で販売されていたが、2007年にダッジブランドとして正規に日本でブランド展開を開始。

 しかし、2009年にクライスラーが本国で日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条の適用を申請したことで、その後のモデル投入などは凍結された結果、2011年には日本市場から撤退することになった。

●オペル(ドイツ)

 オペルはドイツの自動車メーカーで、現在はフランスのメーカー、プジョーとシトロエンを主とした多国籍企業の「グループPSA」の一員となっている。

 日本への参入は1927年に米国のゼネラルモータース(GM)が日本に設立した会社で輸入・販売をはじめ、1950年代には国内資本が総代理店となって取扱いを始めた。

 その後、1993年にはヤナセが取扱いをスタート。最盛期の1996年には新規登録台数が3万8339台と、BMWの3万6196台を超えるほど人気ブランドだったオペル。華やかさはないが、ドイツモデルらしい質実剛健さがウリで、「ヴィータ」や「アストラ」「オメガ」などのモデルがあった。

 2000年には日本GMに移管され販売を続けていたが、競合する輸入車ブランドとの差別化を図れず、販売網の展開も遅れたことで販売台数は激減。さらに当時、親会社であったGMの経営不振もあり、2006年に日本市場から撤退した。

 しかし2020年2月、PSAの日本法人であるグループPSAジャパン(2020年1月にプジョー・シトロエン・ジャポンから名称変更)が、2021年夏に日本でオペルブランドを販売開始すると発表した。

 まずは東京・大阪といった大都市圏を中心に販売拠点を開設。2023年までに全国の15~20都市で正規ディーラーを展開する計画だという。既存モデルを含む10車種を導入予定だというので、再上陸を楽しみに待ちたい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
BMW、ディーゼルエンジン車8車種のリコール…最悪の場合は車両火災に
レスポンス
近藤真彦率いるKONDO RACINGを応援する2名の「リアライズガールズ」はだれ? 王道のコスチュームをカッコ可愛く着こなす2人にも注目です
近藤真彦率いるKONDO RACINGを応援する2名の「リアライズガールズ」はだれ? 王道のコスチュームをカッコ可愛く着こなす2人にも注目です
Auto Messe Web
ラリージャパンでアルピーヌA110RGTに同乗試乗! まったく別モノかと思ったら量産モデルに通じる走りだった
ラリージャパンでアルピーヌA110RGTに同乗試乗! まったく別モノかと思ったら量産モデルに通じる走りだった
WEB CARTOP
ラリージャパンで競技区間進入の一般車、スタッフの制止振り切り検問突破していたことが明らかに。実行委員会は被害届を提出予定
ラリージャパンで競技区間進入の一般車、スタッフの制止振り切り検問突破していたことが明らかに。実行委員会は被害届を提出予定
motorsport.com 日本版
ラッセル、予想外のポールポジションに歓喜。コースイン遅らせる判断が奏功「フロントロウの自信はあったけどね!」
ラッセル、予想外のポールポジションに歓喜。コースイン遅らせる判断が奏功「フロントロウの自信はあったけどね!」
motorsport.com 日本版
中型トラックの枠を超えた「超過酷仕様」!フォード レンジャー スーパーデューティ、2026年発売へ
中型トラックの枠を超えた「超過酷仕様」!フォード レンジャー スーパーデューティ、2026年発売へ
レスポンス
なんじゃこの「付け髭」感! デザイナーの意思をガン無視した「5マイルバンパー」はアリかナシか?
なんじゃこの「付け髭」感! デザイナーの意思をガン無視した「5マイルバンパー」はアリかナシか?
WEB CARTOP
超イケてる新型ムラーノをデザインのプロが分析! 個性を主張する「デジタルVモーション」の使いすぎには要注意
超イケてる新型ムラーノをデザインのプロが分析! 個性を主張する「デジタルVモーション」の使いすぎには要注意
WEB CARTOP
女性チームのアイアン・デイムスがポルシェにスイッチ。LMGT3初年度はランボルギーニを使用
女性チームのアイアン・デイムスがポルシェにスイッチ。LMGT3初年度はランボルギーニを使用
AUTOSPORT web
角田裕毅、ラスベガスで躍動し予選7番手「ミスター・ガスリーには離されたけど……アタックには満足。良いフィードバックもできている」
角田裕毅、ラスベガスで躍動し予選7番手「ミスター・ガスリーには離されたけど……アタックには満足。良いフィードバックもできている」
motorsport.com 日本版
まるで「“ミニ”フェアレディZ」!? 全長4.1mの日産「コンパクトクーペ」が斬新すぎる! 短命に終わった「NXクーペ」とは?
まるで「“ミニ”フェアレディZ」!? 全長4.1mの日産「コンパクトクーペ」が斬新すぎる! 短命に終わった「NXクーペ」とは?
くるまのニュース
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
レスポンス
「日産 GT-R  プレミアム エディション Tスペック」は、諦めない!不屈の国産スポーツカー、未だ一級品の証し【新型車試乗】
「日産 GT-R プレミアム エディション Tスペック」は、諦めない!不屈の国産スポーツカー、未だ一級品の証し【新型車試乗】
Webモーターマガジン
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
THE EV TIMES
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
レスポンス
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
LE VOLANT CARSMEET WEB
今週、話題になったクルマのニュース4選(2024.11.23)
今週、話題になったクルマのニュース4選(2024.11.23)
@DIME
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

5件
  • フォーカスが販売してたら選択肢には残るんだけどなぁ。
  • ちょうど今、キムタク&常盤貴子主演の『ビューティフルライフ』をレンタルして観てる。
    常盤貴子が乗っていたヴィータが売れに売れた2代目ヴィータ。
    キムタク演じる美容師を目指す人が激増もした。
    ちょっと懐かしい。今4話目♪

    ただ、、、各メーカーの当時の国内販売車種を見ると、撤退したのは自然の流れだと思う。
    それほど魅力がない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村