レクサスのSUVラインナップのなかでも中核モデルに位置付けられているNXだが、新型は今年10月にFMCを受けて登場。ブランド初となるPHEVをラインナップし、そのボディサイズは全長4660×全幅1865×全高1640mmと従来型よりもサイズアップを果たしている。
一方、同じプラットフォームを使うトヨタのハリアーは全長4740×全幅1855×全高1660mm、ホイールベースは同じ2690mmで、両車とも流麗なルーフスタイルを持つクーペ系のクロスオーバーSUVであることもかぶっている。
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価格もレクサスNXは455万~738万円、ハリアーが299万~504万円と主に上級グレードでかぶっているのだ。もちろん、レクサス車とトヨタ車では単純にさまざまな面でコストのかけ方が違うのだが、具体的には細部まで何がどう違うのかについて渡辺陽一郎氏が分析する。
文/渡辺陽一郎
写真/レクサス、ベストカー編集部
[gallink]
■プラットフォームは同じでもエンジンラインナップは異なる
トヨタが展開する高級車ブランド、レクサスの人気車種にSUVのNXがある。従来型の発売は2014年と古くなっていたので、2021年10月にフルモデルチェンジを実施した。納車が始まるのは、予約受注の開始直後に契約したユーザーでも2021年11月以降だ。
レクサスNXのプラットフォームは、基本的にはハリアーやRAV4と共通化されている。サスペンションは前輪側がストラット、後輪側はダブルウィッシュボーンで、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2690mmだ。この数値も両車ともに等しい。
トヨタのRAV4/ハリアーとレクサスのNXはプラットフォームが共通だが、搭載するパワーユニットに違いがある
その一方、異なる点も多い。パワーユニットは、レクサスNXでは直列4気筒2.5Lノーマルエンジン(NX250)、2.5Lハイブリッド(NX350h)、2.5Lプラグインハイブリッド(NX450h+)、2.4Lターボ(NX350)を用意する。ハリアーとRAV4は、直列4気筒2Lノーマルエンジンと、2.5Lハイブリッドを設定して、RAV4については2.5Lプラグインハイブリッドも選べる。
ノーマルエンジンは、ハリアーとRAV4では2Lを搭載するが、レクサスNXは2.5LのA25A-FKS型になる。このエンジンは、国内で販売される車種では初搭載だ。2.5LハイブリッドのA25A-FXS型は、ハリアーやRAV4のハイブリッドと基本的に共通化されている。
A25A-FXS型をベースにした2.5Lプラグインハイブリッドは、ハリアーには搭載されないが、前述のとおりRAV4PHVには採用されている。前後に配置されたモーターの動力性能、リチウムイオン電池の容量(18.1kWh)は、レクサスNX450h+、RAV4PHVともに共通だが、エンジン性能の数値はレクサスNX450h+が少し上回る。
■重複しつつも価格帯が上下にうまく分かれている
レクサスNX350が搭載する2.4LターボのT24A-FTS型は、ハリアーやRAV4には搭載されていない新開発のパワーユニットだ。最高出力は279ps(6000rpm)、最大トルクは43.8kgm(1700~3600rpm)だから、実用回転域では4Lのノーマルエンジンに匹敵する動力性能を発揮する。
T24A-FTSは2.4L直噴 ツインスクロールターボで279psを発揮。なおNXに搭載される2.5Lハイブリッドについても、動力性能がRAV4/ハリアーより向上している
以上のようにNXはレクサスの主力車種だから、プラグインハイブリッドや新開発のターボを含めて、4種類のパワーユニットを用意した。価格帯も幅広く、最も安価な2.5Lノーマルエンジンを搭載するNX250の2WDは455万円だ。逆に最も高価なプラグインハイブリッドのNX450h+Fスポーツは738万円に達する。
トヨタブランドのハリアーは前述のとおり、直列4気筒2Lのノーマルタイプと、2.5Lのハイブリッドを搭載する。価格が最も安いノーマルエンジンのS 2WDは299万円、最も高価なハイブリッドの4WD Zレザーパッケージは504万円だ。従って455万~504万円の価格帯には、レクサスNXとハリアーが重複して設定されている。
■2.5Lハイブリッドで比べてみると?
そこでレクサスNXとハリアーを比べてみたい。両車のパワーユニットで共通するのは、販売比率が最も高い直列4気筒2.5Lのハイブリッドだ。レクサスNX350h 2WDの価格は520万円になる。これに相当するハリアーは、ハイブリッドZ 2WDで452万円だ。
装備については、両車で設定の優劣が異なる。自車のハイビーム状態を維持しながら、対向車などの眩惑を抑えるアダプティブハイビームは、ハリアーハイブリッドZには標準装着される。ところがレクサスNX350hでは、三眼フルLEDヘッドランプと合わせて18万400円のオプション設定になってしまう。
助手席の電動調節機能は、レクサスNX350hには標準装着されるが、ハリアーハイブリッドZでは、本革シートのレザーパッケージを選ばないと装着されない。アルミホイールのサイズは、ハリアーハイブリッドZは19インチだが、レクサスNX350hは18インチになる。
以上の点を考慮すると、機能や装備と価格のバランスは同程度だ。それでも価格は前述のとおり、レクサスNX350hが68万円高い。
■NXはハリアーより価格分「上質」なのか
注意したいのは、レクサスでは、車種を問わず購入後のサービスが充実していることだ。登録されてから3年間は、オイルやオイルフィルターなどを定期的に交換するメンテナンスプログラム、ヘルプネットなどを含んだGリンクが無料で付帯される。これらのサービス料金を合計すると、約15万円になる。
つまり、68万円の価格差が53万円に縮まり、この金額がレクサスNX350hとハリアーハイブリッドZの実質的な差額と考えていい。レクサスNX350hでは、ハリアーハイブリッドZに比べると内外装の質感や乗り心地を向上させるが、その対価が53万円になるわけだ。
この金額の受け取り方はユーザーの視点によって異なるが、従来のレクサスとトヨタブランド車の比較では、前述の対価が30万~40万円とされていた。そこを考えると、53万円高いレクサスNX350hは割高な部類に入る。
また、インパネ周辺の装飾などは、レクサスNX350hが上質だが、中央部分に装着されたカーナビ情報などを表示するディスプレイのサイズは、ハリアーハイブリッドZは12.3インチだがレクサスNX350hは9.8インチに留まる。
これは装備の違いだが、インパネの見栄えにも影響を与えている。同等のグレード同士を比べて、必ずしもレクサスNX350hが上質とはかぎらない。
■53万円の捉え方
以上の比較から判断すると、客観的に買い得なのはハリアーハイブリッドZだ。しかし、レクサスというブランドに強い魅力を感じている場合は、53万円の実質差額がありながら、むしろNX350hが割安に感じることもあるだろう。予算に余裕があるユーザーは、販売店の試乗車を使い、レクサスNX350hとハリアーハイブリッドZを比較試乗して選ぶ方法もある。
なお2021年10月中旬時点で販売店に納期を尋ねると、レクサスNX350hは「現時点で全国では約2万台の受注を抱えている。正確な納期はわからないが、少なくとも半年、長ければ1年近くを要する」という。
ハリアーは「2021年10月中旬に契約をいただいた場合、ノーマルエンジンが納車されるのは2022年の5月、ハイブリッドZは7月です。つまり、納期は7カ月から9カ月になります」とのこと。
コロナ禍の影響で、半導体やワイヤーハーネスなどの供給が滞っており、両車とも受注に生産が追い付いていない。この2車種にかぎらず、新車を購入する時は、商談を早めに開始したい。
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みんなのコメント
価格帯を合わせる為に素の350hと比べているだけ。
ハリヤー購入を考えている人はNXも・・・って思うが
NXを考えている人はハリアーは眼中にない。
オプション含めれば150万の差がある。