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『TCRヨーロッパ SIM Racing』第6戦、ヒュンダイのナジーが勝利剥奪ペナルティを取り返す5勝目

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『TCRヨーロッパ SIM Racing』第6戦、ヒュンダイのナジーが勝利剥奪ペナルティを取り返す5勝目

 当初の6月末開催予定から日程を変更し、7月13日(月)に開催された『TCRヨーロッパ SIM Racing』第6戦ゾルダーは、開幕からここまで全レース1のポールポジションを獲得しているダニエル・ナジー(ヒュンダイi30 N TCR/BRC Racing)が、ライト・トゥ・フラッグの完勝劇で5勝目をマーク。続くレース2はビクトル・ダビドフスキー(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR/PSS Racing)がリバースポールを活かし、eシリーズ初優勝を手にしている。

 前週開催となった第5戦イタリアの仮想モンツァ・ラウンドでも、レース1から盤石の強さを発揮したナジーは、指定席のポールから悠々のトップチェッカーを受けた。しかしフィニッシュラインを通過したその瞬間、通信遮断により13位へ降格するというeスポーツならではの衝撃的トラブルにも見舞われていた。

『TCRヨーロッパ SIM Racing』第5戦、最終ラップの通信遮断でナジー連勝は幻に。アズコナが初優勝

 代わってレース1ウイナーとなった2018年TCRヨーロッパ・シリーズ王者ミケル・アズコナ(セアト・クプラTCR/PCR sport)に対し、ナジーはレース2で最後尾スタートから怒涛のチャージを見せ、意地の勝利を奪取。なんとかeシリーズ全ラウンドの連勝記録を繋いだと思われていた。

 しかし、この第6戦ゾルダーを前にモンツァで多発した接触や走路外走行のペナルティ裁定の調査結果が発表され、アズコナ、ナジーともに複数のトラックリミット違反が課され、ともに優勝から4位に降格。代わってレース1はジミー・クレーレ(プジョー308TCR/Team Clairet Sport)が、レース2はアブドゥラ・アリ=アルケライフィ(セアト・クプラTCR/QMMF Racing by PCR Sport)が新たな勝者として認定された。

 そんな“天国から地獄”を2度も味わったナジーは、ここベルギーの仮想トラックでも怒りの予選アタックを見せ、当然のようにポールポジションを確保。そのままレース1スタートでもホールショットを決め、マルチクラッシュも発生した後続を尻目に、2位ジル・マグナス(アウディRS3 LMS/Comtoyou Racing)を4.055秒、3位テディ・クレーレ(プジョー308TCR/Team Clairet Sport)を10.252秒も置き去りにする完璧なポール・トゥ・フィニッシュを飾ってみせた。

 続くトップ10リバースグリッドのレース2は、そのナジーを含む選手権トップランナーを不運が襲う展開となり、首位発進ダビドフスキーの背後では、テディ・クレーレに背後からヒットされたナジーがターン1でスピンを喫し、同郷の若手ベンス・ボルディズ(セアト・クプラTCR/Zengő Motorsport)らを巻き込んで隊列後方に大きくポジションを落としてしまう。

 その後、レース序盤からポジションアップを果たしたのはマグナスで、仮想シリーズ終了後にWTCR世界ツーリングカー・カップ昇格も決まっている地元ベルギーのホープは、アルケライフィやルカ・フィリピ(ヒュンダイi30 N TCR/BRC Racing)らを次々と仕留め、4周目には2番手にまで進出する。

 さらにその後方から凄まじいペースで這い上がってきたのは、オープニングラップのスピンで勝負権を失ったと思われていたナジー&ボルディズのハンガリー勢で、11周目のターン10では露払い役を演じてきたボルディズがフィリピに襲い掛かる。

 勢いそのままにインサイドへ飛び込み、一時は3番手を掴んだかに見えたボルディズだが、さすがにオーバーシュートでワイドランとなり、その後の3ラップは3位フィリピ、4位ナジーの背後に付き従って5位フィニッシュ。ナジーはポイント上でも2位マグナスとの差を最小限に留める結果となり、混乱を回避し首位を快走したマケドニア出身のダビドフスキーがバーチャル空間初優勝を飾っている。

 この結果、選手権首位ナジーを追う2番手にマグナスが浮上し、3位ボルディズまで戴冠の可能性が残された『TCRヨーロッパ SIM Racing』シリーズ。最終戦はスペイン・カタルーニャを舞台に、7月22日(水)に雌雄が決する。

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