「ランドクルーザー」は1つのブランドに
トヨタは、SUVのランドクルーザーのラインナップを今後数年間で拡大するとともに、電動化に向けた準備を進めている。手頃な価格の派生モデルや、フラッグシップの高級モデルを導入し、ランドクルーザーを独自のブランドとして確立する。
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そのコアとなる「J250」はディーゼルエンジン車とマイルドハイブリッド車を揃えて今年後半に登場し、1951年から連綿と続くランドクルーザー・シリーズ最後の内燃エンジンモデルとなる可能性が高い。
これより手頃な価格帯のモデルと、高価格帯のラグジュアリーなモデルが両脇を固め、ラインナップの魅力を広げる。
トヨタのチーフ・ブランディング・オフィサーであるサイモン・ハンフリーズ氏は、このラインナップ拡充の背景について、「ランドクルーザーの体験を向上させるだけでなく、人々の移動の自由をさらに高めるモビリティへの新たなアプローチを模索している」と語った。
トヨタ・コンパクト・クルーザー: これまでに分かっていること
トヨタ・コンパクト・クルーザーは、ランドクルーザーのスピリットをより小さく、より手頃な価格で実現しようとするタフなSUVである。トヨタは、「『クルーザー』という名称が、電動化や現代の環境にどのように適応できるかを示す」ものであり、「アクティブなアウトドアレジャーを楽しむ」都心部の若いユーザー層に焦点を当てていると述べた。
ハンフリーズ氏によると、電動化に伴ってランドクルーザーの価格を「より手頃」なものとし、「世界中のさらに多くの人々の手が届く」ようなアプローチを検討しているという。
ボディサイズは現行のbZ4Xと同等で、スタイル重視の実用的なモデルとなる。近々導入されるメルセデス・ベンツの「リトルGクラス」やランドローバーの「ベイビー・ディフェンダー」といった高級志向のライバルと競合することになりそうだ。
コンセプトモデルは、フランスにあるトヨタのED2開発センターでデザインされた。同センターはC-HRやアイゴXのコンセプトを手掛けたが、いずれも大きく変わらずに市販車へと発展しており、コンパクト・クルーザーのデザインも市販車に近いのではないかと期待される。
1960年代のJ40型ランドクルーザーの影響を受けており、2006年から2022年まで使用されていた「FJクルーザー」の名称が復活するという報道にも信憑性がある。両車を彷彿とさせるブロックのような箱型プロポーションが特徴的で、ルーフラックや補助灯などのアクセサリーはオフロード走破性の高さを示唆している。
プラットフォームはbZ4Xと共通のe-TNGAの派生型を使用する見込みだ。bZ4Xでは前輪駆動と四輪駆動が用意されているが、コンパクト・クルーザーの用途やキャラクターを考えると四輪駆動が標準になるだろう。
トヨタ・ランドクルーザーSE:これまでに分かっていること
ラインナップのトップには、大型かつ豪奢なランドクルーザーSeが置かれる。中身も外観も、これまでのオフロードに特化したランドクルーザーとはまったくの別物になる。
昨年のジャパン・モビリティショーでは、スポーツクーペのFT-SE、ピックアップトラックのEPU、クロスオーバーのFT-3Eと並んで展示された。2020年代後半から順次導入される予定で、ランドクルーザーSeは、ランドクルーザー誕生75周年を記念して2026年に発売される可能性がある。
この新しいEVファミリーを支えるのは、フロント、センター、リアの3つのモジュラーセクションからなる「ギガキャスト」シャシーである。これにより使用される部品点数を抑え、生産効率を飛躍的に向上させると同時に、さまざまなプロポーションのモデルを生産できるようになる。インテリアのパッケージングやコストの観点から、ドライブトレインは可能な限り小型化される。
ランドクルーザーSeにはトヨタの新しい「パフォーマンス」プリズム・バッテリーが搭載される。2028年までに導入予定の「ハイパフォーマンス」バッテリーでは、さらに10%のコスト削減を実現し、航続距離は最長1000kmにまで伸びるという。
サボディイズも重量もシリーズ最大級と予想されることから、これほど長大な航続距離を実現することは難しいだろうが、現在販売されている電動SUVの多くを上回ることは間違いない。
洗練されたモダンなデザインと都市部での走行をメインとしながらも、ランドクルーザーらしく「バッテリーEVならではの高いトルク特性」と、オン/オフ問わず最新のモノコック構造による確かな「ハンドリング」を実現するとされている。
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