20台限定のハイスペ「ベンテイガS」
ベントレー「ベンテイガS」のパフォーマンスを大きく向上させた20台の限定車「ベンテイガS エイペックスエディション」が発表されました。大きな特徴はカーボンホイールとCSiCブレーキの採用によってバネ下重量が合計44kg以上も軽減されたことと、「エイペックスエディション」を象徴するボンネットに描かれたストライプです。パフォーマンス向上した部分を中心に注目してみましょう。
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Sらしい走行性能の向上
「ベンテイガS エイペックスエディション」のベースとなる「ベンテイガS」は最高出力550psを発揮し、アクティブ アンチロール コントロールとリアホイール ステアリングを標準装備するなど、ベントレーのラグジュアリーSUVの中でもスポーティさが際立つフラッグシップとなる。エンジンの数値的な性能は変わらないが、その敏捷性と制動性能をさらに高めるべく、カーボンホイールとカーボンセラミックブレーキを装備し、ベンテイガ史上最高にダイナミックなルックスとドライビングを実現するモデルとなった。
エイペックス エディションの優れた動力性能をさらに強化するため、マリナー22インチカーボンホイールが装備される。Bucci Composites社の協力の下、ベンテイガのために開発されたこのホイールによって、4輪合計でバネ下重量が24kg軽減された。カーボンファイバーは大幅な軽量化に加え、強度と剛性の向上というメリットがあり、次のような効果につながる。
1.ステアリングの敏捷性の向上
鍛造アルミニウムリムの場合はホイールの変形によってキャンバー角がやや減少し、グリップと敏捷性が低下する可能性があるが、カーボンファイバーがもたらす6kgの軽量化と優れた剛性により、ステアリングプラットフォームの安定性がさらに向上する。
2.ブレーキの応答性の向上
バネ下重量の軽減による効果がもたらされる。
3.安全性の向上
ホイールリムに大きな衝撃が加わった場合、アルミニウムリムではタイヤがすぐにパンクしてしまうが、カーボンリムでは繊維が裂けてすき間ができ、空気がゆっくりと抜けてゆく。
4.タイヤの摩耗の低減
カーボンリムは剛性に優れているため変形を抑えることができ、タイヤを保持する面が広いおかげでタイヤの安定性が向上し、接地面が一定に保たれる。
さらにエイペックス エディションはブレーキのスペックにも一切の妥協はなく、カーボンシリコンカーバイド(CSiC)ディスクを装備して制動性能の強化が図られる。CSiCディスクブレーキは鉄製ディスクブレーキより20kg以上も軽く、最大制動トルクは6000Nm、耐熱温度は1000°Cとなる。
ベンテイガ初のセンターストライプ
エイペックスエディションはマリナーデザインチームが考案した特別なカラーデザインが6種類用意される。どのカラーデザインを選択しても、ベンテイガでは初となるセンターストライプがボンネット中央からルーフへとペイントされる。
エクステリアカラーは「キャンディレッド」「アンスラサイト」「オレンジフレーム」「アルパイングリーン」「ペールブロガー」「エクストリームシルバー」の6色となるが、コントラストを効かせたセンターストライプのパターンもあれば、サテンカラーとの微妙な濃淡を表しているものもある。
エイペックスエディションの特別な装備
ベンテイガS エイペックスエディションは装備の充実ぶりも際立っている。エクステリアにはスタイリングスペシフィケーションが含まれ、フロントスポイラー、リアスポイラー、シル、ミラーキャップといったサテンカーボンファイバーのパーツが装備される。
インテリアは特別なカラースプリットで彩られ、フェイシア、センターコンソール、ドアウエストレールはすべてサテンカーボンファイバー、加えて、5シートのコンフォートスペシフィケーションと「Naim for Bentley」オーディオシステムが装備される。ブラインドシートインサートの「Apex Edition」刺繍とコントラストカラーのベントレーのエンブレム、ウエストレールの「Apex Edition」の文字、カーボンファイバーの「Apex Edition」トレッドプレートなども、特別なアイテムの一例だ。Dピラーにもカーボンファイバーの「Apex Edition」エクステリアバッジが装着される。
エイペックスエディションの生産台数はわずか20台。12気筒のスピードモデルの生産が終了した今、より高いパフォーマンスを求める顧客には嬉しい限定車なのではないだろうか。
AMWノミカタ
これまでのベントレーの限定車は特別な色や刺繍などをあしらった、いわゆるコスメティックな変更に終始したものが多かったが、今回は一歩踏み込んでパフォーマンスの部分にも手を加えてきた。トピックはカーボンホイールを採用したことだろう。Bucci Composites社によると同等の合金ホイールに比べ40%の軽量化が図れるという。このホイールは2021年に発表されていたが、製品に正式に採用されるのは初めてなのではないだろうか。ベントレーはスタイリングスペシフィケーションと呼ばれるボディキットやインテリアのハイグロスカーボンファイバーパネルなどカーボン製品を積極的に採用している。このホイールもベントレーの既存のカーボン戦略を完璧に補完するものとなるだろう。
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