はじめに
初代のルノー・キャプチャーは、珍しく成功が長続きしたクルマだった。登場時よりも、生産最終年のほうが多くの台数を販売したのである。少なくとも、われわれにとってそれはサプライズだ。
2013年に登場した初代キャプチャーは好ましいクルマだった。運転は楽で、ルックスも魅力的なうえ、適切なエンジンを選べばかなり経済的。しかも、この手のジャンルの火付け役となった日産ジュークに比べ、全体的に熟成されていた。もっともジュークのほうは、賛否両論を呼ぶクルマだったが。
とはいえ、キャプチャーにも好きになれない部分はあった。プアなボディコントロール、軽いステアリング、そして無感覚な操縦系などだ。それも玉にキズといったところか。
それでも前記したような売れ行きをみせたのは、BセグメントSUV、もしくは小型クロスオーバーというセグメントが容赦ないほど急速に成長し、それが今なお続いているから。そんな中でも、スタイルとバリューを兼ね備えたキャプチャーは、とくに成功を収めたのだ。
そんなヒットモデルのフルチェンジとなれば、ロードテストで取り上げないわけにはいかない。身内ともいえるジュークくらいしか競合相手のいなかった初代と違い、2代目はフォード・プーマやフォルクスワーゲンTクロス、プジョー2008など、強豪揃いのフィールドで戦わなければならないモデルなのだ。
けれども、ルノーは単にこのクルマの外観をリフレッシュしただけではなかった。2代目キャプチャーは、ルノー/日産/三菱アライアンスの新たな小型車向けプラットフォームを使用する。
これはハイブリッドやプラグインハイブリッドに対応するべく、白紙から新開発されたものだ。それでも、近い将来を念頭に置いた低CO2パワートレインのみならず、従来通りの選択肢も残されている。
先代モデルより全長は大きく伸び、室内空間も拡大。また、ハードウェアの多くを共有する現行クリオと同じく、快適性や豪華さも引き揚げられている。
このプラットフォームは、最近までより大型で高額なモデルにしか採用されていなかった運転アシストシステムにも対応。データ上は剛性も高まっており、路上での挙動も改善されているはずだ。
言い換えるなら、欧州の小型クロスオーバー市場でダントツのベストセラーは、よりゆるぎないオールラウンダーになったと思われるのだ。はたしてこの新型は、販売台数の新記録を叩き出すに値するクルマとなっているのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
初代キャプチャーは、当時のクリオ(ルーテシア)とシャシーの基礎を共用した。それは今回も同じだが、使用されるCMF-Bプラットフォームは85%の設計を刷新し、大幅に先進性を高めた。
最新の安全装備やアシストシステムの導入を想定しているほか、さまざまなパワートレインにも対応可能で、大容量バッテリーも搭載できる。
エンジンからの遮音はかなり改善されているとのこと。それでもプラットフォーム単体重量は、先代モデルのそれより50kg削減され、さらにアルミボンネットや複合材テールゲートで軽量化が図られている。
発売時には、ガソリンターボ3機種とディーゼル2機種を設定。いずれのエンジンも新設計だ。
エントリーレベルは1.0LのTCeことガソリン3気筒で、100ps/16.3kg-mを発生。ガソリンユニットの上位機種は1.3Lの4気筒で、131ps/24.5kg-mと154ps/27.5kg-mの2タイプだ。
ディーゼルはどちらも1.5Lの4気筒で、95ps/24.5kg-mと115ps/26.5kg-mの2タイプ。いずれも燃費は、複合モードで最高20.9km/Lに達する。
このほか、Eテックと銘打った、このクラスでは初となるプラグインハイブリッドも導入予定だ。150もの特許を取得し、出力160psとされているそれは、2基の電気モーターとドッグクラッチ式ギアボックス、9.8kWhバッテリーでシステムを構成。WLTPサイクルでのEV走行距離は46.7kmで、ラインナップ中で最高の燃費をマークすることにもなるだろう。
テスト車には、131psの130 TCe搭載モデルを選択した。トランスミッションは標準装備の6速MTではなく、オプションの7速DCTだ。
ボディサイズで拡大が著しいのは、110mmほど伸びた全長で、このうちホイールベースの延長分は20mm。全幅と全高も先代より増し、このクラスでは最大級のボディを持つこととなった。
デザインは先代を正常進化させたもので、フローティングルーフ的な処理も継承。初代キャプチャーは、このモチーフをいち早く取り入れたモデルのひとつだ。しかし、ボディパネルはすべて刷新され、ベルトラインは高くなった。
このボディの下には、クリオから流用したサスペンションを備える。フロントはマクファーソンストラットの類だが、ロワーウィッシュボーンが設置され、スタビライザーは排除された。リアはトーションビーム、ホイールは16~18インチが設定される。
内装 ★★★★★★★☆☆☆
運転席のドアを開けると、新型キャプチャーと5代目にあたる現行クリオとの関係は一目瞭然だ。兄弟分のハッチバックと同様、こちらも内装は全面的に見直され、ルノー最新の構造を適用。このクラスでもビジュアル的な魅力に優れたモデルのひとつに挙げられる。
そのルックスはたしかにすばらしい。だが、もっと間近で確かめると、質感はそれほどでもないことに気付く。ダッシュボード上面を覆うソフトタッチのプラスティックと主なスイッチ類はまだしも、低い部分は奥深くまで手探りするまでもなく、硬くてチープな手触りのパーツが見つかってしまうのだ。
とりわけATのセレクターレバーの感触は、ペラペラでもろそうなフィール。スナップだけで素早くギアを入れようとすると、強い反動とハウジング周辺のガタつきに見舞われる。
運転中に操作される機会の多いパーツとしては、この手の問題点を見落とすというのはどうにも腑に落ちない話だ。質感向上を図るなら、確実になくすべきものだといえる。
キャビンスペースも、それほどほめられたものではない。実測したところ、ヘッドルームの最大値がクリオより40mm小さいのだ。もっとも、室内の広さに関してはどちらのクルマも不十分に感じられるが。
テスト車はサンルーフを装着していたが、これも頭上が低くなる一因だ。後席に身長のある乗員を乗せる機会が多いなら、非装着車を選んだほうがいい。
後席は、背の高い大人でもそこで過ごせるだけの広さがある。とはいえ、かろうじてといったレベルに過ぎない。スライド式のシートを一番後ろまで下げても、レッグルームは680mmまでしか伸ばせない。ヘッドルームは920mmを計測したが、それも平均的な数値だ。
たしかに、それらはクリオを上回る。また、ヒップポイントの高さは、乗降性の高さをもたらす。それでも、より控えめなフォルクスワーゲン・ポロがヘッドルームは950mm、レッグルームは690mm確保していることを考えれば、より大ぶりなクルマとしてはたいして評価できるものではない。
ただし、室内のさまざまな場所に小物入れやトレーが用意されていることは、少なくとも好材料といえる。ダッシュボードから半島上に突き出した多層構造のコンソールは、とりわけ使いやすい。ワイアレス充電パッドや、財布や携帯電話、キーなどを人目から隠せるような多くのスペースが用意されている。
ラゲッジルームは通常時で422Lと、なかなかのキャパシティがある。さらに、後席を前進させれば536L、フォールドすれば最大1275Lまで拡大できる。
走り ★★★★★★☆☆☆☆
ガソリンユニットの中間機種と2ペダルのギアボックスを組み合わせたパワートレインに、スムースさやレスポンス、よく回るフレキシブルさを期待すると、物足りなさにいらだたしささえ覚えることになる。
それがもっとも明らかになるのは、市街地の中心部を走るときのような低速時だ。それこそ、コンパクトなクロスオーバーにとって本領を発揮できる舞台であってほしいのだが。
元凶となっているのは、的を外したギア比設定で、気の利かないデュアルクラッチ式トランスミッションだ。発進時には、ガッカリするくらいつながりが遅い。これに不安定なスロットルレスポンスが重なり、クリーンに発進できないのだ。
スロットルペダルを少しだけ踏むと、はっきりした遅れのあとでソロソロと動き出す。ちょっと深く踏み込むと、唐突につながってクルマを前へと押し出し、だらしなくよろめきながら進んでいく。
前輪がホイールスピンして、トラクションコントロールが立ち上がることもしばしば。スロットルレスポンスが、ギアボックスの鈍さをカバーすることに主眼を置いてチューンされたかのようだ。
トランスミッションの作動の直観性は、速度が上がってもさほど改善されない。しきりにシフトアップし、かなり控えめなスピードでも高いギアを保ちたがるのだ。そのため、トルクバンドを使うためには、しょっちゅうキックダウンさせる必要がある。
とくにイライラさせられるのは、速度回復を図ったときだ。それほど長い距離を走らなくても、そうした欠点が気に障りはじめるといえば、説明は十分だろう。
このクルマ、1.3Lエンジンにもいいたいことはあるが、トランスミッションほどひどいものではない。初期のパワーデリバリーはじつに勢いがよく、回転を上げるにつれサウンドもフィールも急速に張りつめたものになりだす。
そうはいっても、このエンジンは現実的な状況下で、ずば抜けてはいないもののなかなか強力なパフォーマンスをもたらす。また、巡航時のエンジン回転数では洗練性も静粛性も十分だ。
寒くドライコンディションのテストコースでは、48-113km/hが9.2秒、0-97km/hが9.4秒だった。これより大柄で多少パワフルなキアXシードの1.4 T-GDIが昨年のテストでマークした8.7秒/9.3秒よりほんのわずかに後れるが、ガソリンエンジンを積むコンパクトクロスオーバーの現在の水準からすれば1秒程度のアドバンテージがある。
使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆
インフォテインメント
安価なグレードに装備されるディスプレイは7.0インチで、純正ナビは非装着車もある。対してテスト車であるSエディションは、最上位装備の9.3インチ版を装備している。
残念ながら、グラフィックの洗練性やレスポンスの点で、ほかに劣るところは少なくない。機能の切り替え時に明らかなラグがあるばかりでなく、それぞれのページもスムースにスクロールできない。どうにも克服できない扱いづらさがあるのだ。
とはいえ、少なくとも装備内容は充実している。ナビゲーションシステム、デジタルラジオ、Bluetoothは標準装備で、Apple CarPlayとAndroid Autoもインストール済みだ。Sエディションには、スマートフォンのワイアレス充電パッドも与えられる。
Boseサウンドシステムは、350ポンド(約4.9万円)のオプション。音質は上々だが、驚くほどではない。絶対に選びたいというほどのアイテムではなかった。
燈火類
LEDヘッドライトは全車標準装備。照射範囲も明るさも良好だが、ずば抜けたものではない。
ステアリングとペダル
中央寄りに配置されたブレーキペダルは幅広く、窮屈さを感じずに操作できる。しかし、浅いフットウェルにふたつ並ぶペダルは、ドライバー側へ寄りすぎに思える。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
この分野では、なかなかいい出だしだ。ハンドリングは、このカテゴリーの数多いライバルたちと比べて、ナチュラルなフィーリングでも直観性でも上回っている。
大きくてスプリングの柔らかいSUVにつきものの印象とは違うが、引き上げた地上高に反して元気なハッチバックのように仕立てているのでもない。心地よくほどほどなのだ。
ステアリングのギア比は中庸なペースで、中立付近のレスポンスはプログレッシブなので、車線に沿って走るのは容易。サスペンションのスプリングの効きもほどよく、このクラスの運動性としてはスポーティなほうだが、ボディコントロールは良好で、シャシーのレスポンスはなかなかクリーンで歯切れがいい。
ステアリングはそれほど重くないが、適度に押し戻され安心感がある。だいたいのところ、正確さとリニアさを感じさせつつ、狙ったところを走ってくれ、たいがいは予測しやすい。車重の垂直方向の良好なコントロールは、速度を上げても保たれる。
スタビリティコントロールとトラクションコントロールは常時オンだが、介入は適度で、無理に割り込んでくる感じはない。こうした運動性のクオリティは初歩的なことのように思えるが、それを身につけているライバルは多くない。
このクラスのクルマは、高さを増したソフトなサスペンションと、アシストが効きすぎた操縦系を備えていることが多い。その結果、走りは直観的ではないものとなってしまいがち。今回のキャプチャーとは対照的だ。
横方向のボディコントロールも良好で、すぐに外輪側へ倒れ込むようなことはない。小型クロスオーバーは、えてしてそうした動きに悩まされ、ターンインで不安定だと感じさせるものだ。
それでも、キャプチャーはオプションの18インチタイヤを履いていてさえ、ハンドリングの敏捷性やグリップレベルの高さはそれほどでもない。その走りは、ドライバーを魅了し続けるほどの域には達していないのだ。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
5代目クリオと同様に、2代目キャプチャーの乗り心地は、先代にあった、ゆったりとした滑らかさが目減りしている。上下方向のボディの動きは、以前より緊密に管理されているように感じられる。直線を速く走る際には、プライマリーライドに有益な緊密さがある。
だが、このコントロールが加わったことの副産物として、街乗りではやや柔軟さが足りなくなった。路面が悪いと、しばしば振動やよろめきが生まれるし、常にサスペンションの突き上げがキャビンに伝わってくる。
フォード・プーマやフォルクスワーゲンTロックならば、外的要因はもっとうまく遮断する。もっとも、今回はオプションの18インチタイヤを装着していたことが、マイナス要因となっていたのかもしれない。
それでも、ドライビングポジションはおおむね良好。ヘッドスペースはやや不足しているが、ステアリングコラムとシートベースの調整幅が大きい。シート自体はソフトすぎるところもあるが、長距離ドライブでも問題のないサポート性がある。
高速道路の速度域に入ると、風切り音とロードノイズが多少は気になるが、非難されるほどではない。室内騒音は、113km/h巡航で67dB。2017年に、セアト・アロナの95ps仕様で計測した70dBより静かだ。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
キャプチャーのルックスが気に入った、というユーザーには朗報だ。主なライバル、たとえばフォルクスワーゲンTクロスやプジョー2008、フォード・プーマなどより、このクルマは少ない出費で手に入る。
今回のテスト車であるSエディションは、装備内容が充実。リアビューカメラやパーキングセンサー、携帯電話のワイアレス充電デバイス、オートヘッドライトなどが揃う。
となれば、リセールバリューでも多くのライバルより優位に立つと予想される。しかし、比較的個性は弱いが実用性の高いスコダ・カミックには劣る。
忘れてはいけないのが、インテリアの様子がグレードや色合いによってかなり違うということ。一例として、革巻きステアリングホイールはSエディション以上でないと装備されない。また、オレンジ/レッド/ブルーの3色から選べるオプションパッケージは、雰囲気をガラリと変える。
テスト結果から、日常的な燃費は14km/L程度になると期待でき、計算上は満タンで670km以上走れるということになる。しかも長距離ツーリングでは、18km/L台後半をマークした。
このクラスにおいても、経済性は競争力のあるものだ。とはいえ、他を圧倒するというレベルには達していない。
スペック
レイアウト
新型キャプチャーは、現行のクリオや日産ジュークに続き、3社アライアンスのCMF-Bプラットフォームを採用。とはいえそのレイアウトは、ありふれたエンジン横置きFFで、3気筒もしくは4気筒を搭載する。
サスペンションはフロントが独立懸架のストラット、リアはトーションビーム。テスト車の前後重量配分は60:40だった。
エンジン
駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1333cc、ターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ72.2×81.3mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:131ps/6000rpm
最大トルク:24.5kg-m/1600~3250rpm
許容回転数:6000rpm
馬力荷重比:103ps/t
トルク荷重比:19.5kg-m/t
エンジン比出力:98ps/L
ボディ/シャシー
全長:4227mm
ホイールベース:2639mm
オーバーハング(前):876mm
オーバーハング(後):712mm
全幅(ミラー含む):2010mm
全幅(両ドア開き):3540mm
全高:1576mm
全高:(トランクリッド開き):2050mm
足元長さ(前):最大1070mm
足元長さ(後):最大520mm
座面~天井(前):最大960mm
座面~天井(後):最大920mm
積載容量:422~1275L
構造:スティール、モノコック
車両重量:1259kg(公称値)/1363kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前/後:7.0Jx18
タイヤ前/後:215/55 R18 95H
グッドイヤー・エフィシェントグリップ・パフォーマンス
スペアタイヤ:スペースセーバー(オプション)
変速機
形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:4.46/7.1
2速:2.65/11.7
3速:1.63/19.2
4速:1.11/28.2
5速:0.86/36.4
6速:0.68/46.0
7速:0.55/56.8
最終減速比:4.18:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:14.1km/L
ツーリング:18.8km/L
動力性能計測時:8.2km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):11.8km/L
中速(郊外):16.7km/L
高速(高速道路):18.9km/L
超高速:15.2km/L
混合:15.9km/L
燃料タンク容量:48L
現実的な航続距離:676km
CO2排出量:124g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:11.0m
ブレーキ
前:280mm通気冷却式ディスク
後:225mmドラム
静粛性
アイドリング:42dB
全開時:75dB(4速)
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:67dB
安全装備
ABS/ESC/AEBS/LKA/LDW/TSR/Eコール
Euro N CAP:5つ星(2019)
乗員保護性能:成人96%/子供83%
交通弱者保護性能:75%
安全補助装置性能:74%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):3.4秒
0-40(64):4.9秒
0-50(80):7.0秒
0-60(97):9.4秒
0-70(113):12.5秒
0-80(129):15.9秒
0-90(145):21.7秒
0-100(161):28.2秒
0-110(177):37.8秒
0-402m発進加速:17.4秒(到達速度:133.7km/h)
0-1000m発進加速:31.6秒(到達速度:166.6km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
日産ジューク 1.0 DIG-T テクナ
テスト条件:雨天/気温6℃
0-30マイル/時(48km/h):4.0秒
0-40(64):6.0秒
0-50(80):8.4秒
0-60(97):11.9秒
0-70(113):15.8秒
0-80(129):21.0秒
0-90(145):30.0秒
0-100(161):44.8秒
0-402m発進加速:18.9秒(到達速度:122.6km/h)
0-1000m発進加速:34.6秒(到達速度:150.5km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.7秒(2速)/3.8秒(3速)/6.6秒(4速)
30-50(48-80):3.8秒(3速)/5.3秒(4速)/7.6秒(5速)/12.9秒(6速)
40-60(64-97):4.2秒(3速)/5.6秒(4速)/7.4秒(5速)/9.4秒(6速)/15.4秒(7速)
50-70(80-113):5.6秒(3速)/6.0秒(4速)/7.6秒(5速)/9.9秒(6速)/13.7秒(7速)
60-80(97-129):6.9秒(4速)/8.2秒(5速)/10.7秒(6速)/15.8秒(7速)
70-90(113-145):8.5秒(4速)/9.4秒(5速)/11.8秒(6速)/20.0秒(7速)
80-100(129-161):13.5秒(4速)/11.7秒(5速)/14.0秒(6速)
各ギアの最高速
1速:41.8km/h(6000rpm)
2速:70.8km/h(6000rpm)
3速:115.9km/h(6000rpm)
4速:169.0km/h(6000rpm)
5速:193.1km/h(5311rpm)
6速:193.1km/h(4199rpm)
7速(公称値):193.1km/h(3396rpm)
7速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1981rpm/2264rpm
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):8.6m
50-0マイル/時(64km/h):23.7m
70-0マイル/時(80km/h):46.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.83秒
ライバルの制動距離日産ジューク 1.0 DIG-T テクナ
テスト条件:雨天/気温6℃
30-0マイル/時(48km/h):9.8m
50-0マイル/時(64km/h):26.4m
70-0マイル/時(80km/h):51.9m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
2代目キャプチャーに関するルノーの仕事ぶりは、多くの点で正しいものだ。先代モデルよりプロダクトとしての完全さは高まった。キャビンは広さとリッチさを増し、テクノロジー系装備も大いに改善され、ハンドリングのキャラクターは安心感を高めた。
ハイブリッドやプラグインハイブリッドを含め、パワートレインのラインナップが拡充されれば、さらに際立ったクルマになるだろう。
ただ、選択は念を入れたい。というのも、今回テストした1.3Lガソリンの低出力版と2ペダルの組み合わせには、期待したドライバビリティや活発さがなかったからだ。以前に試乗したこれ以外のエンジンは、もっと出来がよかったのだが。
ぎこちなく、ときにノイジーな乗り心地にも、テスター陣はガッカリさせられた。初代に見られたしなやかさや滑らかさを期待していたからだ。これはパワートレインの欠点とともに、セールスポイントとなるべき運転の楽しさを損ねている。
それでも、万能性や質感は先代より向上している。さらに、ルックスやバリュー感も優れる。一般的なユーザーを納得させるのに、不足はないだろう。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースSエディションに標準装備されるメーターパネルは、レイアウトが奇妙で好みではない。購入するなら、フルデジタルメーターが用意される半年後まで待ちたいところだ。いうまでもなく、その際にはパワートレインのラインナップも拡充される見込みだ。
サイモン・デイヴィスルノーは早急に、自動変速レバーのクオリティを改善するべきだ。これまで乗ったクルマの中でもとりわけお粗末で、手触りはまったくうれしくない。それにとどまらず、リッチさや質感の向上を望みたい。
オプション追加のアドバイス
さまざまな仕様を乗り比べた結果、おすすめは1.0LのMTモデルということになった。18インチタイヤは避けたいが、9.3インチのタッチ式ディスプレイは装備したい。
改善してほしいポイント
・EDCことDCTには改善を求める。イライラするくらいレスポンスが悪いところがある。
・高回転域のパワーデリバリーを、もっとフリーなものにしてほしい。
・先代モデルにあったような、好ましいしなやかさや滑らかさを取り戻してもらいたい。
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