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レクサスES試乗記(2.5Lハイブリッド FF)

掲載 更新 12
レクサスES試乗記(2.5Lハイブリッド FF)

レクサスESが2021年8月に、静粛性、乗り心地のさらなる向上を目指してマイナーチェンジを受けた。そのレクサスESに試乗する機会があり試乗をしてきた。

高い静粛性を持つレクサスES。FFのハイブリッドラージセダンだ 試乗したモデルはレクサスES300hのVersion Lグレード。エンジンはA25A-FXS型の4気筒2.5Lを搭載するハイブリッドで、前輪駆動モデル。全長4975mm、全幅1865mm、全高1445mm、ホイールベース2870mmで、全長、全幅ではクラウンを上回るラージサイズのセダンモデルだ。

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レクサスESは、じつは北米で古くから展開しているモデルで、このレクサスESは7代目にあたる。しかしながら国内での販売が、現行モデルからなのであまり馴染みはなかったかもしれない。また2019年1月に導入直後に試乗をしている。

関連記事:「レクサスES試乗記」Lサイズのグローバルモデルとし登場したラグジュアリーセダン 

期待を裏切らない高い静粛性

ファーストインプレッションは、期待どおりの静粛性の高さだった。応接室で会話しているような静粛性があり、同乗者との会話で声を張り上げることは一切ない。もともとトヨタが得意としている静粛性の高さは、さらに磨きがかかった印象だ。

レクサスブランドでは走行性能を求めている時期もあり、静粛性や乗り心地よりもリニアなハンドリング、アクセルの応答性に軸足をおいて開発しているモデルやタイミングがあるが、今回のESはレクサスユーザー、特に国内のユーザーには強く響くと感じた。

それを後押しするのがその静粛性と乗り心地だ。ソフトな乗り心地が復活。少し大げさかもしれないがソフトな乗り心地はかつてのクラウンを思い出すようなソファ感覚がある。それを現代流にチューニングしソフトなだけでなく、締め上げるところは締めたという印象だ。

ヘッドランプ、グリルの意匠が変更されている じつは2019年1月に試乗したときに、気になったこととしてフロアからの微振動があった。この振動が抑えられていて高級車らしい乗り心地になっている。またハンドリングでもF SPORTグレードはまだしも、このVersion Lでも応答性の高いハンドリングだったが、この点は変更したようで、以前よりは鷹揚な反応にしている。とくに国内のユーザー嗜好を考慮した結果ではないかと想像する。

北米モデルやF SPORTグレードには試乗できていないので、不明だが仕向地仕様やグレードでの差別化などを意識しているようにも感じる。

そのため、市街地では非常に快適で、高級車の乗り心地を満喫できる。さらに高速走行でも、その静粛性の高さに驚かされる。市街地を走行しているときと大きな変化はなく、100km/hで走行していても冒頭伝えたように応接室で会話しているかのように高い静粛性を維持しているのだ。

リクライニングの角度も深くゆったりと座れる後席 また高速での乗り心地ではやや気になる点として、上下に動くふわり感が顔を出す。低速での乗り心地を意識したためだろうか、長時間のドライブでは少し気になると思う。ただし、後席に乗ってみるとそうした動きはまったく気にならないのだ。後席はシートバックのリクライニング角度が深く、ゆったりと座っている姿勢だからなのかもしれない。

またワインディングを走行すると、やはりスポーティな脚に仕上げているわけではないので、アンジュレーションのある場所では、路面変化に追従するように車体も動く。速度を抑えゆったりと走行するのがES300h Version Lの味わい方だと思う。

馴染めないデジタルサイドミラー

デジタルインナーミラー、同サイドミラーがオプションで搭載できるが、今回のマイナーチェンジではサイドミラーの見える範囲をウインカーと自動連動する変更があった。以前は設定をしなければできなかったが、自動で連動し利便性が上がっている。

新色のインテリアカラー「モーブ」 さて、これの見え方だが、正面はリアルな景色で横を見た瞬間デジタル画像になるのは違和感がある。正面もスクリーン画像であれば違和感はないと思うが、そうなるとTVゲーム感覚になり危険度が上がりそうだ。

見えればいいのか、そこが少し理解できないが。しかしレクサスブランドで大型セダンであることを考慮すると購入者の年齢層は高め、それでも装着率は高めだそうで、これまでVersion Lだけにオプション設定されていたが、今回のMCでF SPORTでもデジタルサイドミラーが選択できるようになっている。つまり、人気があるということだ。


通常時の画角 ウインカーを出したときの画角 ところが、1日中走行してもその違和感は残り、サイドミラーのデジタルミラーは個人的には歓迎できなかった。特に複数車線ある道路で瞬時に判断するようなケースでは、自身の反応が追いつかないこともしばしば遭遇した。またウインカーを出すと見えていた画面が瞬時に広角となるので、斜め後方にいた車両が非常に小さくなる。そのため「消えた」ようにも感じる。とくに助手席側の遠いサイドモニターでその現象を感じた。そしてウインカーを戻すと、モニターも瞬時に表示サイズは戻り、もともとも斜め後方にいた車両が突然映し出されてびっくりすることもあった。

強いて言うなら助手席側のモニターサイズを少し大きくするとか、取り付け位置を中央にしてみるとか、なにかが足りていない気もする。単なる慣れで解決できるのだろうか。

また、このデジタルサイドミラーはデザイン性もいまひとつで、汎用性を考えての仕上げという説明だったが、長方形のモニター然とした姿はインテリアデザインとマッチしておらず、美しいとは言い難い。またドアミラー形状のカメラステーにもデザイン性は欲しいと感じた。

反面、後方を見るルームミラーは歓迎できる。とりわけ夜の視界は素晴らしい。悪天候でも威力を発揮するので、ノーマルミラーとの使い分けでもいいかもしれない。

レクサスESは、FFのメリットを活かし、後席の広さは素晴らしく乗り心地もいい。特にドイツ系プレミアムブランドの乗り心地に、硬さを感じるユーザーには非常にマッチするおすすめできるモデルだ。<レポート:髙橋 明/Akira Takahashi>

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みんなのコメント

12件
  • なんだかんだ言ってこう言う車が一番安楽なんだよな〜。
    ドイツ御三家がー、高速性能がー、コーナーリング姿勢がーとか、イチイチ違いのわかる男を演じるのが疲れる。
    実際、低速で段差を通過する時とか外車より角が無い気がするし。
  • 外装も内装もやっぱりカムリの高級バージョンにしか見えない。
    走りとかは違うんだろうけど。
    ISかクラウンの方が好きだなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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