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ナショナル自動車博物館 ザ・ロー・コレクション オープン「世界でも稀少なモデルが揃う博物館」

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ナショナル自動車博物館 ザ・ロー・コレクション オープン「世界でも稀少なモデルが揃う博物館」

ドイツの小さな村に、レアなクルマを展示するナショナル自動車博物館がオープンした。そこにはDr.ローの膨大なコレクションの中から厳選された世界でも希少な車両たちが数多く展示されていた。(Motor Magazine2023年10月号より)

自動車メーカーのミュージアムを凌駕する充実した内容
その自動車博物館はドイツ フランクフルトからクルマでおよそ2時間北上したディートツェルツタールという場所にある。普通ならば誰も立ち寄らないだろう人口3000人にも満たない小さな村だ。しかし2023年7月23日からは事情が変わったに違いない。

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そこに世界でも類を見ないレアなクルマを数多く展示する博物館が開館したのだ。正式には「ナショナル自動車博物館、ロー・コレクション(Nationale Automuseum-The Loh Collection)」と名付けられたこの施設には世界中から集められたおよそ200台のクルマが展示されている。

しかもその一台一台にエピソードやヒストリーが詰まっているのだ。こうした意味でドイツにある他のプライベート自動車博物館や、メルセデス・ベンツやBMW、さらにポルシェなど自動車メーカーが持つミュージアムよりもずっと面白く内容も充実している。

たとえば入り口のアメリカンダイナー風のカフェテリア内には、実際にオハイオ州の倉庫で発見されたランチ販売用のフォルクスワーゲン バス バー、その前にはケネディ大統領が暗殺された63年11月22日に乗っていた純白のリンカーンコンチネンタルコンバーチブルが置かれている。

実はこの63年製リンカーンは正確には公用車、コールサインの「リモ・ワン」ではなく地元のディーラーが用意したもので、ケネディ夫妻が日の朝食会を終えてカールズウェル空軍基地まで向かった時に使用した仮の「リモ・ワン」であった。

収集したクルマには1台1台にエピソードが
このクルマは博物館のオーナーであるDr.フリードヘルム・ローが20年のオークションで落札したものである。Dr.ローはローグループという企業集団のオーナーでドイツではもっとも富裕な十指に入る人物で、父の興した配電盤システム製造会社を受け継ぎ今日の成功を果たした。

クルマは子供の頃から好きだったが、収集は比較的最近で
「1980年に初めて収集目的でメルセデス・ベンツ190SL を購入しました。それはひどい状態のクルマで沢山の出費を余儀なくされました。それ以来いつかは博物館として公開しようと考えて4桁のクルマを買いましたが、酷い目にあったメルセデス・ベンツはいつも収集リストでは一番です」
と苦笑いをしながら説明してくれた。彼の収集したクルマの背景には必ずエピソードが存在するのである。

たとえばフェラーリF1はミハエル・シューマッハーが最初のワールドチャンピオンを決めたときのマシン、ホワイトのポルシェ959は元WRCワールドチャンピオン、ワルター・ロールが所有していたクルマである。

またポルシェ博物館にも1台が展示されているハイブリッドカー「ローナーポルシェ」は、ここでは珍しい消防車仕様を見ることができる。1900年に完成されたこのクルマは大成功で300台が生産され、オーストリアから欧州各国へ輸出された。

またここに実は、一見何ら変哲もないプジョー404がある。これは、エンツォ・フェラーリが1966年から72年まで好んでドライブしていたクルマである。本来はフィアットグループの製品に乗るべきだが、彼はプジョーの乗り味を好んでいたのだ。

SCCAレースに参加していた車体番号ナンバー1
面白いのは、彼がステアリングホイールをナルディに交換していたことだ。その後、彼は膝を悪くしたが、それでも1988年8月に亡くなるまでプジョーに乗り続けていた。

この博物館で唯一展示されている日本車は、トヨタ2000GTである。この個体はアメリカで発見されたものでシェルビーの手によってSCCAレースに参加していた車体番号ナンバー1(正確にはMF10-10001)という超レアなものである。

また現在、この博物館でオープン記念として開催されているのは「ル・マン100周年」で、歴代のル・マン優勝車の中でも日本のチームゴーがエントリーしたアウディR8が光っている。

この博物館に来た誰もが間違いなく自分の理想のクルマ、あるいはいつかは見たかった夢のクルマに出会うことができるだろう。私もそんな中のひとりで、ジャガーXK-SSの前でしばらく佇んでいた。開館時間は不規則なので正確な場所を含めホームページ等で調べるのが良いだろう。(文:木村好宏/写真:キムラオフィス)

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