ダートトラックレーサーをモチーフとしたアメリカンスポーツ
【クルーザーなのにスポーティ! その違和感が生み出す新しさ】インディアン スカウト ローグ 試乗インプレ
アメリカ最古のモーターサイクルメーカー、インディアンモーターサイクル(以下インディアン)が本格的なロードスポーツを提案したのは2017年のEICMA(ミラノショー)でのこと。2023年モデルはFTR スポーツという新ファミリーが登場となり、先日開催されたミラノショーでお披露目された。
フラットトラックレーサーを継承するストリートバイク
2017年、インディアンはファクトリーマシンであるFTR750でアメリカンフラットトラックレースに本格参戦。圧倒的な強さでハーレーワークスを撃破するという衝撃的なデビューを飾り、それ以降優勝も含めて輝かしい戦績を残している。そして同年のEICMAで、その市販バージョンであるFTR1200を発表した。
この伝説の始まりとなったFTR1200は、2019年より市販化。新たなるフラットトラッカーの潮流として少しずつファンを開拓し、FTRシリーズのバリエーションも増えていった。
そして2023年はFTRのミッドレンジモデルとしてFTR スポーツが新しく登場。FTRは新しいカラーをまとい、FTR R カーボンは装備がバージョンアップするなどの進化形がお目見えしたが、2022年モデルとしてラインナップしていたFTR ラリーは残念ながら日本に上陸しないことが発表された。
さっそくアップデートされた最新のFTRからチェックしてみよう!
1203ccの排気量を持つ水冷V型2気筒DOHCエンジンのFTR
FTRシリーズの基軸となっているのが、FTRというモデル。エレガントなトレリスフレームとシンプルかつ力強いVツインエンジンが特徴で、ダートトラックレーサーをモチーフとしたスタイリングも相まって『アメリカン・オリジナル』と呼ばれている。
以前は前19インチ、後ろ18インチのホイール径だったFTR1200シリーズだが、2022年モデルからは前後ともに17インチとなり、より本格的なロードスポーツ仕様に変更。2023年モデルはそうした仕様を継承しつつ、スポーツマフラーを新たに採用。またフロントブレーキを再チューニングしてフィーリングを変更するなど、細部がブラッシュアップされている。
新しいFTR は、メタリックブラックのペイントにリフテッドライムのブランドロゴと同色のリヤショック、ステルスグレーのペイントにオレンジバーストのブランドロゴと同色のリヤショック&ホイールという2つのカラースキームを展開。
―― 新しいFTRは、2つのカラーバリエーションで展開。かつてないポップなカラーだ。 [写真タップで拡大]
―― FTR ●カラー:Stealth Gray / Orange Burst [写真タップで拡大]
―― FTR ●カラー:Black Metallic [写真タップで拡大]
―― 効率的な熱管理をするためリヤシリンダー休止システムを採用し、停止時などのライダーの熱負担を軽減。フルアジャスタブルの43mm倒立式フロントフォークとむき出しのシングルリヤショック、キャリパーはブレンボ製4ピストンモノブロック。 [写真タップで拡大]
―― フルLEDのスタイリッシュなヘッドライト。フルアジャスタブルフロントサスペンションとピギーバッグリヤショックが軽快なハンドリングを実現。 [写真タップで拡大]
―― 【’23 Indian Motorcycle FTR】主要諸元■全長2223 全幅830 シート高780(各mm) 車重233kg(装備)■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1203cc 124.7ps 12.2kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13L ■タイヤサイズF=120/70-ZR17 R=180/55-ZR17 ●価格:248万8000円~
新しいデザインのタンクを採用したFTR スポーツ
FTRシリーズで新しく登場となったFTR スポーツ。2022年モデルのラインナップにあったFTR Sの後継モデルであり、プレミアムモデルであるFTR R カーボンに次ぐレンジに位置するバイクだ。
FTRよりも軽快なデザインが特徴で、ゼッケンプレート、チンフェアリング、シートカウルなどのスポーティなパーツが印象的。FTR スポーツは4インチの丸型タッチスクリーンディスプレイを採用し、3つのライドモード(スポーツ、スタンダード、レイン)を選ぶことができる。また、リーンアングルセンシティブスタビリティコントロールとABSによって、様々な状況においても確かなハンドリングを実現してくれる。
FTR スポーツはブラックメタリックにインディレッドのアクセントを加えたカラーと、ホワイトライトニングにインディレッドとブラックメタリックのアクセントを加えたカラーの2つのバリエーションを展開する。
―― FTR スポーツは、2つのカラーバリエーションで展開。 [写真タップで拡大]
―― FTR Sport ●カラー:White Lightning / Indy Red [写真タップで拡大]
―― FTR Sport ●カラー:Black Metallic [写真タップで拡大]
―― 新しくデザインされたタンク。FTRの燃料タンク容量は13Lだが、FTR スポーツは12.9L。インフォテインメントシステム「ライドコマンド」搭載の4インチタッチスクリーンは、Bluetoothテザリングが可能。日本ではナビ機能は搭載されていない。 [写真タップで拡大]
―― 前後17インチの軽量キャストホイールに、メッツラーのスポルテックM9RRを採用。 [写真タップで拡大]
―― 【’23 Indian Motorcycle FTR Sport】主要諸元■全長2223 全幅830 シート高780(各mm) 車重227kg(装備)■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1203cc 124.7ps 12.2kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量12.9L ■タイヤサイズF=120/70-ZR17 R=180/55-ZR17 ●価格:278万8000円~
スタイリッシュでマッシブな存在感、最上位モデルのFTR R カーボン
FTRシリーズの最上位モデルであるFTR R カーボンは、主要コンポーネントを前モデルより継承しつつスポーツマフラーを新たに採用。新型のFTR同様にフロントブレーキを再チューニングして、タッチを変更。また視認性を高めるためにスピードメーターを上方に配し、新型クラッチを追加してフィーリングと性能を向上させている。
インディアンでは、個性的なカスタムのために9つの新しい FTRアクセサリーも販売。パフォーマンスアジャスタブルレバーも2023年春に発売が予定されている。新しいデザインやカラーをまとったFTRで、自分好みのスタイリングを作り上げる楽しさも魅力的だ。
―― クラウドシルバーとチャンピオンシップゴールドのピンストライプが施されたデザイン。インディアンの象徴であるスクリプトロゴのタンクパネルが専用品として用意されている。 [写真タップで拡大]
―― 3つのライドモード(スポーツ、スタンダード、レイン)が選択可能。リーンアングルセンシティブスタビリティコントロールとABSが確かなハンドリングを実現。 [写真タップで拡大]
―― スリムな車体を形成するトラスフレームに、スペシャル感のあるカーボン装飾が特徴。 [写真タップで拡大]
―― FTR Rカーボン専用デザインのプレミアムシート。FTR スポーツと同様に、インフォテインメントシステム「ライドコマンド」搭載の4インチタッチスクリーンを採用。Bluetoothテザリングが可能だが、日本ではナビ機能は搭載されていない。 [写真タップで拡大]
―― ブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパー、オーリンズ製フルアジャスタブルサスペンションを搭載。 [写真タップで拡大]
―― 【’23 Indian Motorcycle FTR R Carbon】主要諸元■全長2223 全幅830 シート高780(各mm) 車重235kg(装備)■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1203cc 124.7ps 12.2kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13L ■タイヤサイズF=120/70-ZR17 R=180/55-ZR17 ●価格:298万8000円~
【動画】The New 2023 Indian FTR Sport | Settle The Score
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