登録車 スバルなど5ブランドが2ケタ増
執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
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半導体など部品の供給不足による生産調整や、それに伴う一部車種の受注中止は続いているものの、各ブランドでの“代替部品への切り替え”などによって、その割合が徐々に低減しつつある日本の自動車業界。
2023年1月の国内新車販売市場は、その潮流が数値となって表れた。
登録車の1月の新車販売台数は、前年同月比10.8%増(22万9497台)と2か月ぶりのプラス。
一方、1月の軽自動車の新車販売台数は、同24.7%増(15万2841台)と5か月連続でのプラスとなる。
結果として、トータルでの国内新車販売台数は、同16.0%増の38万2338台と、5か月連続での前年実績超えを達成した(自販連/全軽自協まとめ:速報値)。
登録車の1月のブランド別新車販売台数では、部品の調達不足の影響が出た日産が前年同月比5.6%減(2万1443台)、ホンダが同16.2%減(1万7278台)、三菱自が同12.4%減(4086台)、ダイハツが同8.3%減(2937台)と前年実績割れを記録。
一方、トヨタは同17.8%増(12万1453台)、マツダは同21.8%増(1万2755台)。
スズキは同31.9%増(1万713台)、スバルは同50.9%増(7544台)、レクサスは同32.3%増(6283台)と前年実績超えを成し遂げた。
また、貨物車のブランドは、エンジン性能試験の不正問題の影響が残る日野が同32.5%減(2643台)と苦戦したものの、いすゞは同48.1%増(4121台)、三菱ふそうは同2.2%増(1964台)、UDトラックスは同46.8%増(678台)とプラスを記録した。
1月の軽 ダイハツが2位を突き放す
軽自動車の1月のブランド別新車販売台数は、前年同月比24.0%増(5万1219台)を達成したダイハツが、5か月連続でのシェアトップを獲得。
最大のライバルのスズキは、同22.5%増(4万5054台)を記録したものの、6000台以上の差で第2位に甘んじた。
また、ホンダは同2.1%増(2万7742台)、日産は同110.4%増(1万7790台)、三菱自は同61.6%増(4019台)とプラスを成し遂げる。
一方、OEM供給を受けるブランドではマツダが同27.2%増(3064台)と前年実績超えを果たしたものの、トヨタは同1.0%減(2473台)、スバルは同1.3%減(1469台)と苦戦した。
業界の声 「依然として不透明」
1月の新車販売の成績に関して業界団体の関係者は、「前年1月の新車販売台数が32万9699台と低調に推移していたこともあって、本年1月は2ケタのプラスを達成した。ただし、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年1月の40万7970台にはまだ及んでいない。部品の供給不足による生産調整の期間は短縮したものの、新型車や人気車の受注残を解消し切れない状況が続いている」と解説する。
今後については、「需要は新型車を中心に底堅く、また年度末の決算に向けて今後も多くの受注を獲得しそうな新型車や特別仕様車が各ブランドから発表される予定。さらに、前年同期の販売台数が低迷していたため、来月以降もプラスを記録する公算が大きい」
そして、「部品供給の見通しが依然として不透明であることから、生産調整は今後も一部で発生する見込みだが、中国の実質的なゼロコロナ政策の転換などによって、海外を含めたサプライチェーンは改善しつつある。各ブランドが“代替部品への切り替え”など、様々な対策を講じていることも、受注残の解消の面で有効に働くだろう」と分析。
「一方で不安要素としては、依然として続く半導体不足やウクライナ情勢に伴う原材料の供給不安定および価格高騰などが挙げられる。受注残の本格的な解消のための増産体制の構築は、まだ先のことになりそう。車両価格の相次ぐ値上げなども、消費者心理としてはマイナス材料」と示唆した。
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