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新車は生産終了! モデル末期のスバルWRX S4を中古で買うのはありなのか?

掲載 更新 25
新車は生産終了! モデル末期のスバルWRX S4を中古で買うのはありなのか?

 現行モデルの走りの評価がとても高いスバルのWRX S4。しかし、レヴォーグに続く新世代モデルとして、スバルが次に投入する可能性が高いニューモデルがWRX S4で、次期型は今年の夏から秋頃のデビューが予想されている。

 現行モデルはすでに生産を終了しているが、そんな今、あえて現行モデルを中古車または新車の在庫車、新古などなで買うという手は“あり”なのか? スタイルの面でも現行モデルは人気が高いだけに、次期型が登場する直前のタイミングでも買ったほうがいいのか気になるところだ。

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 中古車などでも現行型WRX S4は買いなのか? それとも次期型を待つべきか?

文/斎藤 聡  写真/SUBARU、ベストカー編集部

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■スバルは年次改良によって進化熟成を図ってきた!

現行型WRX S4は2021年1月24日をもって受注を終了。 売れ筋となる「STIスポーツ アイサイト」以外のグレードは2020年7月に廃止されていた

 スバル車の魅力は年次改良によって毎年毎年クルマが熟成し完成度を高めていくところでしょう。素のクルマの魅力というのがあってのことなのですが、新型車が完ぺきな完成車ということはなくて、何かしら足りなかったり改良の余地を残していたりするものです。

 だから輸入車だと、あえて新車を買わず、最終型を購入して完成度の高めたクルマを楽しむというやり方を好む人も少なくありません。

 国産車の場合は一般的には2年に1回のマイナーチェンジがあって、4年でフルモデルチェンジというやり方が多かったのですが、モデルチェンジサイクルが長くなったこともあって、毎年小変更を加える年次改良方式をとるメーカーが増えてきました。

 スバルはこの年次改良を早くから取り入れ、ひとつひとつのモデルの進化熟成を図ってきたという歴史があります。

■スバルが毎年のように改良を繰り返す理由とは

WRX S4の前期型(写真左)と2017年8月にマイナーチェンジを受けた後期型(写真右)

 これにはいろいろな理由があるのですが、ひとつには(その昔は)プラットフォームがひとつだったというのがあります。そもそも水平対向エンジンによってメインフレームの幅が決まってしまっていたので、レガシィとインプレッサはプラットフォームは一緒だったんです。

 しかも、レガシィとインプレッサ、後にフォレスターが加わるといった状態だったので車種が少なく、ひとつのプラットフォームを交互に熟成させながら進化させるというやり方をとっていました。

 インプレッサでフロント回りの改良を行ったら、そのプラットフォームをベースにレガシィの開発を行い、同時にリアサスペンションを熟成させる。そのプラットフォームを使ってインプレッサでは……、といった具合にクルマの進化を図ってきたのです。

 加えて車種が少ないので、クルマを作った後も進化を止めることなく毎年小変更を繰り返しながら熟成を図ってきました。年次改良を繰り返しながらクルマの熟成を図るという深化のやり方がスバルに根付いているのです。

 そんなわけで、スバルのクルマは新型車も魅力的ですが、熟成が進み完成度を増した最終型も充分に魅力的なわけです。

 WRX S4は、まさに年次改良によって完成度を増した最終型となり、次期モデルは年内に発売されるとウワサされていますから、まさに悩ましいタイミングにあるモデルなんです。

 しかも現行モデルはすでに生産終了しているので、夏から秋頃のデビューが予想される新型車を待って手に入れるか、現行車の在庫を探すか、あるいは中古車市場で程度のいいものを探すかという選択肢になります。

 一般的には、新型を待てばいいんじゃない? というべき状況ですが、上記のようにS4には熟成した完成度の高さが魅力のポイントです。

■現行モデルのおすすめグレードは?

2014年8月の発売当初は2.0GTと2.0GT-Sの2グレード展開で登場した

2017年の改良ではWRX S4の全グレードに運転支援システムのアイサイト ver.3を標準装備。なかでもアイサイト・ツーリングアシストは、高速道路等においてアクセルとブレーキに加え、ステアリングの操作までもサポートする

 S4は、2014年のデビューです。発売当初はWRXの大人のセダン、あるいは欧州プレミアムセダンをライバルに見据えたプレミアムセダンといった位置づけでした。

 WRXをベースにしているためか、初期モデルは操作系が重めで、サスペンションも硬くハードな味付けでした。また静粛性もプレミアムセダン? と聞き返したくなるくらいには騒がしいものでした。

 そんなこともあってS4は2015年、最初の年改で早くもサスペンションに手を入れます。ダンパーのフリクションを減らし、しっとりした乗り味を作り出しています。

 安全運転支援系のアップグレードも図られました。

 2016年には上質感を高めるべく静粛性の向上が図られました。ドア回りのウエザーストリップを2重にして遮音性を高めたり、遮音材を増量するなど、通例では走り系のアップグレードが目立つスバルの年改ですが、今回は静粛性に注力した改良がおこなわれたのでした。

 そして2017年には再び前後サスペンションの改良を、スタビライザーのセッティング変更まで含めて行い、操縦安定性や乗り心地の向上を図っています。

 踏力が必要なブレーキタッチの改良も行われています。ブレーキパッドのミューを高めることと合わせて軽く操作性のいいものに変更しています。

 またアイサイトも、社内呼称アイサイト3.5と呼ばれる進化型が搭載されました。この2017年モデルでWRX S4現行モデルはほぼ完成の域に達したといっていいと思います。

 さらに2018年にはプリクラッシュブレーキの改良が施され、STIによって開発された新グレード「STI Sportsアイサイト」を追加。2020年に「STI Sportsアイサイト」のみ販売となります。

 重複しますが、選択肢は、1)次期型、2)STI Sportsアイサイトの在庫新車及び新古車。3)中古車、が考えられます。1)の是非はひとまず置いておいて、2)と3)について考えてみましょう。

 予算に余裕があるなら2)のSTI Sportsアイサイトの購入はよい選択だと思います。ただ、限定モデルとなるSTI SportsのS4は416万9000円と高価です。搭載するエンジンが名器EJ20ならまだしも主力エンジンとはいえ現行型FA20型ですから……。

 3)の中古車にするならできるだけ高年式がお薦めです。具体的には、2回目の足回り変更が行われた2017年モデル以降がお薦めです。レギュラーモデルでもっとも完成度の高いモデルだからです。価格的にも300万円台前半くらいで選べるようです。

■次期型の登場に期待!

次期型WRX S4は今年夏(2021年8月)に登場する見込み(CGイラストはベストカーが制作したもの)。新たに搭載される2.4L直噴ターボエンジンの最高出力は290ps程度

 ……とここまで引っ張ってきてしまったのですが、価格があまりに法外な設定でない限りは、次期型WRX S4がお薦めです。なんといっても魅力的なのはSGP(スバル グローバル プラットフォーム)です。レヴォーグでの出来を見る限りかなり改良が進んでいるからです。

 しかもレヴォーグからさらに進化が期待できるので、走りの性能で考えたら、あえて現行型を選ぶ理由は少なくなります。また、ひとまず熟成した現行型WRX S4で300馬力の走りを楽しんでおいて、2~3年したところで熟成が進んだ次期型に乗り換える、というのはありだと思います。

 SGPは、これまでのスバルのプラットフォームとは異なる新しい潮流です。

 これに対して現行型WRX S4のプラットフォームは、レガシィ、WRX、WRX S4、フォレスターなど、これまでのスバルの走りを作り上げてきたプラットフォームの集大成といえるものなので、スバルファンなら現行型を言う選択肢もありだと思います。

 でも、まあ普通に考えたら次期型待ちが有力だと思います。

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みんなのコメント

25件
  • 好きにすれば良い。
    s4 はリアの足回りのセッティングをすれば
    十二分に楽しめる。
    ポイントさえ掴めば最高のクルマ
    ノーマルのままだとそれなりです。
  • 新型が出てから比較すればいいんじゃね?

    商業記事的には無理かもしれんけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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