SSP開発の遅れ サードパーティとの提携検討?
アウディに近い情報筋によると、同社の取締役会が今週開かれ、サードパーティのEV用プラットフォームの権利購入を検討するという。
【画像】アウディの次世代EV【A6アバントeトロン・コンセプトやQ6 eトロンのプロトタイプを写真で見る】 全36枚
この動きは、アウディの親会社であるフォルクスワーゲン・グループが開発中の「スケーラブル・システムズ・プラットフォーム(SSP)」に遅れが出ていることを受けたものだ。
SSPは、800Vの電気アーキテクチャーと新世代のバッテリーパックに対応する予定だが、技術的な壁に阻まれ遅延が生じている。アウディは2026年以降の次世代EVにSSPを採用予定であったが、現在では早くても2029年以降になる見込みである。
SSPの導入が3年遅れたことで、フォルクスワーゲン・グループのEV計画「プロジェクト・トリニティ」も同じように影響を受けている。これはミドルサイズSUVから始まるEVラインナップで、さまざまなモデルが計画されている。
フォルクスワーゲン・グループの既存プラットフォームである「モジュラー・エレクトリック・ツールキット(MEB)」と「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」は、これらの次世代車には適さないと判断されたと、アウディの幹部はAUTOCARに明かした。
アウディが急成長する中国のEV市場での競争力を高めるために、サードパーティのプラットフォームを調達しようとしていることは、フォルクスワーゲン・グループのオリバー・ブルーメCEOのお墨付きを得たと言われている。
調達先企業については、まだベールに包まれている。しかし、アウディはすでに、プラットフォームを提供する数多くの中国系企業と交渉に入っているという。
その候補としては、ポールスター、Zeekr、スマート、ロータス、ボルボの各ブランドで採用されている「スケーラブル・エレクトリック・アーキテクチャー(SEA)」プラットフォームを持つ吉利汽車(ジーリー)や、吉利汽車と中国のIT企業である百度(バイドゥ)が運営するEVの合弁会社、集度(ジドゥ)などが挙げられるだろう。
吉利汽車は、スマート株を50%保有するなど、アウディのライバルであるメルセデス・ベンツと密接な関係を築いているが、SEAプラットフォームについては「オープンソースで、他の自動車メーカーへの供給にもオープンである」という方針をとっている。
委託製造のフォックスコンも可能性の1つとして考えられる。同社は独自のEV用プラットフォーム「モビリティ・イン・ハーモニー(MIH)」を開発している。また、最近FinDreamsと呼ばれるサードパーティのEV部品供給事業を設立したBYDも注目される。
アウディは現在、次期A6 eトロンやQ6 eトロンをはじめとするPPEベースのモデルを生産するため、中国の第一汽車(FAW)と提携して新工場を建設している。
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みんなのコメント
EVはやっぱり歴史ある車屋には作れないことが証明されていってる
昔のテレビのブラウン管と同じで数社から各社が供給を受ける状態になりそう。
自動車産業がもうからない利幅の薄い産業になって、新興国へ移っていく。繊維産業→カメラ・時計→家電→とうとう自動車もそうなるか。