■マツダの電動化戦略でロータリーが復活
2018年10月2日、マツダ株式会社の代表取締役社長 丸本 明氏が「今後の技術開発に関する説明」を行いました。
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マツダは2019年以降に「マイルドハイブリッド」「バッテリーEV」、2021年以降に「プラグインハイブリッド(PHEV)」を投入する計画を、すでに発表しています。
今回の説明会は、2018年6月に新社長となった丸本氏が就任後初の会見となりました。2017年に8月に発表されたマツダの長期計画『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030』にあった“電動化技術”と“コネクティビティ技術”に関する具体的な内容が説明されました。
電動化技術については、今後もクルマに搭載が予測される内燃機関を磨き上げながら、小型軽量な電動化技術を展開。CO2排出量削減と“走る歓び”の進化を追求していくと説明しています。
ほかに、クリーンな発電で電力をまかなえる地域や、大気汚染抑制のために自動車に関する規制のある地域に対しては、電気自動車も最適なソリューションとして導入していく予定となっています。 また、2030年時点におけるマツダの電動化技術搭載車両の構成比は、「電動化技術を搭載した内燃機関車が95%」、「電気自動車は5%」と想定。
電気自動車は、バッテリーのみで駆動するモデルに、マツダ独自の小型・軽量で静粛性に優れたロータリーエンジンを組合せ、バッテリーが一定レベルに減ると発電し航続距離を延ばす、新開発の「ロータリーエンジンレンジエクステンダー」を搭載したモデルを開発します。
ロータリーエンジンはコンパクトながら高出力という利点があり、共通のパッケージングでも電動化技術のマルチソリューション化を可能とする将来構想をもとに開発。さらに、気体燃料との親和性を活かし、LPG(液化石油ガス)を利用した災害時における緊急給電も想定したものになります。
■「つながる」技術も大幅に前進か
コネクティビティ技術では、マツダが提唱する「人間中心」の開発哲学にもとづき、クルマを通じた体験や感動の共有によって人・社会をつなげ、「走る歓び」とともに、新たなクルマの価値として以下のテーマを提案していくと説明しています。
●人と人・社会をつなげることで、社会構造の変化にともなう、人と人とのつながりの希薄化などの社会的な課題解決へ貢献●モデルベース開発と連携し製品開発に反映することで、品質とお客さま満足度をさらに向上●トヨタ自動車株式会社とのアライアンスを最大限に活用して開発
※ ※ ※
今回の説明会にて、マツダの丸本 明社長は、「いま自動車産業は、100年に一度の変革期を迎えているといわれていますが、マツダはこれを新しい『クルマ文化創造』のチャンスだと捉えています。
『CASE』(コネクティビティ技術や自動運転技術の総称)などの新技術は、クルマをより魅力的な存在にする可能性を秘めております。
マツダならではの『人間中心』の開発哲学をもとに新技術を活用しながら『走る歓び』を『飽くなき挑戦』で追求し続け、お客さまと世界一強い絆で結ばれたブランドになることを目指してまいります」と述べています。
※ ※ ※
ここ最近、世界の自動車メーカーは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)など電動化の道へ大きく進んでいます。
今回の発表では、“電動化技術”と“コネクティビティ技術”に関する説明に終始しました。しかし、マツダは以前から内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)の技術進化を優先事項としてきています。
その成果のひとつとして、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良いところを融合した「スカイアクティブ・エックス」という次世代ガソリンエンジンを開発し、2019年以降のモデルに順次採用される見通しです。 また、今回の技術説明に先立って、2017年8月にトヨタ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ、日野など国内自動車メーカー各社とデンソーが加わった電気自動車の開発会社「EV C.A. Spirit」を設立。
そして、開発トップにマツダの藤原清志専務が就任するなど、今後マツダを筆頭に国内の“電動化技術”の進化がさらに加速していくことでしょう。
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