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運転支援、実際にどこまで使える? スバル「ツーリングアシスト」を検証

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運転支援、実際にどこまで使える? スバル「ツーリングアシスト」を検証

もくじ

どんなクルマ?
ー Ver.3から「ツーリングアシスト」へ

スバルの「独自すぎる」ブランド再構築の手法 欧州不振は「織りこみ済み」

どんな感じ?
ー ツーリングアシスト 何をする? 仕組みは?
ー スバル含む「運転アシスト」の実際

「買い」か?
ー AEBS/LKA/ACC 基本性能のひとつ

どんなクルマ?

Ver.3から「ツーリングアシスト」へ

「自動運転化技術」でも「準自動運転」でも要するに「運転支援」の言い換えでしかない。「自動運転」の文言を絡めたほうが先進的に思われる程度の違いである。

スバルがバージョン3の発展型としてレヴォーグとWRXに展開したアイサイトの最新仕様がアイサイト・ツーリングアシストだ。

名称からして「運転支援」としているのはスバルの見識あるいは良識の表れでもあり、バージョン3からツーリング・アシストへの進化は今求められている運転支援の高度化の具体的な例のひとつ。

「自動運転化技術」や「準自動運転」等々の言葉遊びをしても詮ないが、そういった諸々の運転支援技術のフロントランナーのひとつである

どんな感じ?

ツーリングアシスト 何をする? 仕組みは?

先ずはアイサイトのお温習いから。アイサイトの特徴はステレオカメラのみで障害物や前走車との距離や速度差を検出しているのが特徴。視差による立体認識であり、3Dテレビも同じ理屈だ。

カメラ(対物レンズ)間距離に測距精度が比例するため、ミリ波レーダー式と比較すると長距離(高速)の対応性に劣るのが欠点だが、歩行者などレーダーで検出が難しい障害物も検知できるのが特徴。

レーダー式AEBS(衝突回避被害軽減緊急自動制動機能)がステレオカメラを併用するのは歩行者にも対応するためである。

アイサイトはカメラの画像解像度向上やカラー化等のハードウェアの進化とともに衝突回避性能等の機能向上を図り、バージョン3では自動操舵によるLKA(車線維持支援)も加わった。ツーリングアシストはLKAの車線維持能力を高めて、ACC(追従型定速走行装置)同様に全車速型としたのが一番の特徴だ。

バージョン3と最も異なるのは前走車の走行軌跡を車線判定に組み込んだことだ。車道外側線/車線境界線等区分線の認識が難しい状況でも追従走行中は前走車の走行軌跡に準じて自車の走行ラインを制御する。

手放し運転御法度は他のシステム同様だが、側道工事中等々で車線が曖昧な状況の高速道路くらいならステアリングに手を添えているくらいで、前走車に追随して車線を維持してくれる。区分線の認識力も向上したこともあって、以前なら「この程度でギブアップ?」という状況でもLKAが作動維持。実践力は大幅に高まっている。

ただし、バージョン3にはなかった注意も必要だ。

スバル含む「運転アシスト」の実際

追従走行中に分岐路等で前走車が車線から離脱するとそれに付いていこうとすることもある。主線からの分岐で区分線がブロック状になり、区分線の認識が曖昧になると前走車軌跡参考のウェイトが大きくなるため。

このような状況ではドライバーが進行車線側に舵を保持しなければならない。もっとも、その保舵力はそう大きなものではない。

こう書き出すとアイサイト・ツーリングアシストの運転支援能力に懐疑的になるかもしれないが、誤認識や認識力の限界の問題は同システムに限ったことではない。

他社のシステムでも区分線の状態が悪ければすぐに機能解除されるものもあれば、白壁を白線と誤認識したこともあった。付け加えるなら国産車の同系システムでは首都高レベルのコーナーでは法定制限速度を守って、車線維持が何とか可能な程度。

首都高の実際の流れは法定制限速度を多少上回るのでドライバーによる操舵は必須。これも共通する。ACCとLKAを作動させれば無頓着に過ごせるようなシステムはないと考えたほうが無難だ。

そういった状況の中でアイサイト・ツーリングアシストは高い運転支援能力を持ったシステムである。何故なら多くの状況下でACCとLKAが正常に機能。ACCをキャンセルした状態でも区分線を認識したLKAは機能し、試乗中の多くの時間でツーリングアシストの世話になり、それがレヴォーグのツーリング性能向上の一助になるのは間違いない。

「買い」か?

AEBS/LKA/ACC 基本性能のひとつ

AEBSと半自動操舵型LKA、全車速ACCはクルマの基本性能のひとつと考えるべき。従って、アイサイトがツーリングアシストに実践的機能面で進化したのは総論では無条件に評価して構わない。

このMCでは車体にも改良が加えられ、静粛性や乗り心地の改善が図られている。中でもブッシュ類等がもたらす微小な動きからサスストロークへの連続性を高めた乗り心地はしっとりとした味わいを乗り心地に与え、走りの質感を向上させている。

こういった走りの改良も含めてレヴォーグ(WRX)はツーリングカーとしての資質を向上。アイサイトがバージョン3からツーリングアシストへの進化はレヴォーグのコンセプトにまったく合致したものと考えていい。

高回転の切れも配慮した実用型との折衷案的ターボの採用などスバル・ファン向けの印象も強いレヴォーグだが、日常から長距離まで安心とストレスフリーの走りに向けた性能と機能の造り込みは一般的なユーザーにとっても大きな価値があるモデルである。

スバル・レヴォーグ2.0GT-S アイサイト

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