■思わずビックリ あの音の正体は
信号待ちをしているときや、歩道を歩いている時に、停止したトラックやバスの「プシューー・・・・」という激しい空気漏れのような音に驚かされることがあります。
思わずビックリするあの音は、なぜ発生するのでしょうか。
【画像】こうなってたのか! トラックにある 「謎の小部屋」 内部の画像を見る
謎の「プシュー!」という音の正体は、サイドブレーキ周辺から発生します。トラックの全車両から音がなるわけではなく、「ホイールパーク式(空気式車輪制動型)」を採用している車種で発生します。
トラックやバスなどの大型車は、多大な運動エネルギーを持つ重量車体をしっかり止めるため、強力なバネの力で思いっきりブレーキパッドを押しつける構造になっています。
サイドブレーキがかかっていない時は、その強力なバネを、エアーの力で押し込めて縮めています。
つまり、停車時の「プシュー!」というのは、信号待ちなどでサイドブレーキをかける(つまりバネを伸ばしてブレーキパッドを押し付ける)瞬間に、バネをしっかり圧縮していたエアーが勢いよく抜けた音だったのです。
ちなみに、一般の乗用車のサイドブレーキは、ドライバーの腕力でベルトを締めてブレーキを締め付ける仕組みですので、エアーを使わず、プシュー音も発生しません。
このようなメカニズムのエアー音は、サイドブレーキだけではなく、MT車でギアチェンジする時や、フットブレーキを踏む時などでも「プシュ、プシュッ」といった音が発生します。やはり大型車ですので、人間のチカラだけではなかなか楽に動かせません。そこで圧縮空気を用いてパーツを動かしているのです。
ちなみに「圧縮空気の力を、バネやブレーキパッドを押し付けてブレーキをかけるのに使えばいいじゃないか」と思うかもしれません。
そういう仕組みだと、トラブルで圧縮空気が漏れてしまった場合「ブレーキがかからなくなる」方向へ作用し、トラックが暴走して事故を起こす危険があります。
「トラブルが起きたときに、安全側に作用する」というフェイルセーフの考えに基づき、大型車のサイドブレーキは、「エアーが抜けるとブレーキがかかる」という方向に動くような設計なのです。
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