2021年シーズンのF1は、第5戦モナコGPから第8戦シュタイアーマルクGPにかけてレッドブル・ホンダが4連勝を記録。ダブルタイトル7連覇中のメルセデスが劣勢に立たされるという、近年にない展開となっている。
レッドブルの主なアドバンテージは、空力効率の良さと、それによるストレート速度の高さだと言えるだろう。
■レッドブルの直線スピード向上は”リヤウイング”のおかげ! フェルスタッペン「写真をプリントアウトしようか?」
巨大なリヤウイングでダウンフォースを稼いでいるメルセデスに対し、レッドブルは空気抵抗が小さい、低ダウンフォース仕様のリヤウイングを搭載。コーナリング性能を大きく犠牲にすることなく、ストレート速度を底上げすることが出来ているのだ。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はシュタイアーマルクGPの後、リヤウイングの違いがマシン特性に与える影響について、次のように語った。
「彼ら(メルセデス)はこのレースのために、クルマの後ろに”納屋の扉”(のようなウイング)をつけたが、我々はかなり痩せたリヤウイングをつけていた」
「だからロケット科学者でなくても、なぜ我々がトレートで少し速い傾向があるのかを理解できるだろう」
一方のメルセデスは、空気抵抗が小さいウイングも選択肢のひとつとして用意してはいるものの、そのウイングではかえって遅くなってしまうと断言した。
メルセデスのチーフストラテジストであるジェームス・ボウルズは、チームはどのようなウイングが最適なのか分析を続けており、現在のダウンフォースレベルは適切だと考えているようだ。
「もちろん、リヤウイングを小さくして直線を速く走ることもできるが、コーナリングのパフォーマンスを犠牲にすることになるし、影響はそれだけではない」
ボウルズはレース後にメルセデスが公開した動画でそう語った。
「タイヤのデグラデーションにも影響する。リヤウイングが小さければ、もう少しオーバーテイクできるようになるかもしれないが、そこはバランスの問題だ」
「我々はシミュレーションツールを使って、利用可能なすべてのリヤウイングのセッティングを検討し、このサーキットで使うべき最適なものを導き出している」
「オーバーテイクや、予選や決勝で何がベストなのか。それが我々の場合、ご覧のようなセッティングになっているんだ」
レッドブルが小さいリヤウイングで走ることができる理由のひとつとして、レーキ角(マシンの前傾角)が小さいメルセデスのマシンよりも、ハイレーキ・コンセプトのレッドブルのマシンの方がフロアとディフューザーでより多くのダウンフォースを生んでいることが挙げられる。つまりレッドブルはリヤウイングで生み出すダウンフォース量を削っても、メルセデスほどパフォーマンスを犠牲にせずに済むのだ。
ボウルズはレーキの違いによって、リヤウイングがマシンの空気抵抗にどのように影響しているか、完璧に判断するのは難しいと認めている。
「レッドブルのウイングは我々のウイングよりもわずかに小さいが、リヤの車高がはるかに高いので、彼らのクルマの空気抵抗が我々と比べてどうなのか、比較するのは非常に困難だ」
「我々が知っているのは、我々のクルマのことだけだ。これまでの経験から、我々はラップタイムのためにリヤウイングを最適化し、最終的にはそれが予選、決勝にとってもベストなんだ」
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