“アクティブキャビン”がコンセプトの新型エステート
トヨタ自動車の現行「クラウン」シリーズは、全4タイプのモデルがラインナップされます。なかでも、さまざまな事情から発売開始が延期されているものの、シリーズで最後にデビューを飾る新型「クラウン・エステート」に熱い視線が注がれています。
【画像】「えっ!…」ワゴンとSUVの美点を融合! これが発売を控えるトヨタ新型「クラウン・エステート」です(30枚以上)
トヨタ「クラウン」は1955年に初代が誕生。現行モデルで16代目を迎えたロングセラーモデルです。
第二次世界大戦直後に開発がスタートした初代の開発は、物資や技術的ノウハウがまだまだ乏しかった時代だけにさまざまな困難に直面したといいます。しかし、開発陣のこだわりと情熱により、日本車初の“100%国産“を達成した初代「クラウン」が誕生します。
この初代の誕生経緯から、歴代「クラウン」には“革新と挑戦”というDNAが息づいてきました。そのことをアピールしたのが、2022年7月にお披露目された現行モデルです。
16代目となる現行「クラウン」は、2022年に発売された「クラウン・クロスオーバー」、王道の「クラウン・セダン」、クーペSUVの「クラウン・スポーツ」、そして、ステーションワゴンとSUVの魅力を融合した「クラウン・エステート」という4台の“クラウン群”を形成。
なかでも、最後にデビューを飾る新型「クラウン・エステート」は、SUVとステーションワゴンの美点を“いいとこ取り”したチャレンジングなモデルとなっています。
「洗練と余裕の大人の雰囲気を併せ持ち、リアのフルフラットデッキとともに、機能的なSUVとしてアクティブライフを楽しめるモデル」とトヨタ自動車が位置づける新型「クラウン・エステート」のコンセプトは“アクティブキャビン”。仕事にも遊びにも一生懸命なユーザーが満足できるクルマを目指して開発が続けられています。
そのボディサイズは、全長4930mm、全幅1880mm、全高1620mm、ホイールベース2850mm(数値はすべて開発目標値)。「クラウン・クロスオーバー」と比較すると、40mmワイドで80mm背が高くなっています。
パワートレインは、HEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)の2種類を設定。最高出力など詳細なスペックは現時点では未定ですが、同様の設定となる「クラウン・スポーツ」に通じる数値になると思われます。
それによると、HEVは最高出力186ps、最大トルク221Nmを発生する2.5リッターエンジンに、120ps/202Nmを発生するフロントモーターと、54ps/121Nmのリアモーターの組み合わせ。
対するPHEVは、最高出力177ps、最大トルク219Nmを発生する2.5リッターエンジンに、182ps/270Nmのフロントモーターと、54ps/121Nmのリアモーターの組み合わせとなるでしょう。
ちなみに駆動方式は、HEV、PHEVともに4WDとなります。
●2m以上のフラットな多目的スペースが出現
プロトタイプの写真などからも分かるとおり、新型「クラウン・エステート」のコックピットは「クラウン・スポーツ」と同様のテイストでまとめられています。
ディスプレイやシフトセレクター回りにスイッチなどの機能部品を集約。それらを島のように配置する“アイランドアーキテクチャー”コンセプトを採り入れています。
運転席側と助手席側とを分割した特徴的なカラーコーディネートも「クラウン・スポーツ」譲りのもの。
運転席はドライビングに集中できるようにブラックで統一される一方、助手席側は同乗者がくつろげるよう特別な素材と配色をあしらっています。
そんな新型「クラウン・エステート」の最大の注目ポイントが、リア空間に広がるフルフラットデッキです。
リアシートの背もたれを倒し、背もたれ背面に格納されたボードを展開することにより、リアゲートからフロントシートの背もたれ背後まで、2m以上のフラットなスペースが出現します。
フルフラットデッキは、長尺のサーフボードやMTB、キャンプ道具といったかさばる趣味のギアを積載するのに重宝するのは間違いありません。また、フラットなスペースは快適な車中泊を楽しめるなどと、レジャードライブのアシに大活躍してくれそうです。
ちなみに、新型「クラウン・エステート」のラゲッジスペースは、フロアやホイールハウス回りなどが毛足の長いカーペットで覆われるなど仕立てが上質。この辺りは「クラウン」の面目躍如といったところでしょう。
* * *
ステーションワゴンとSUVの美点を“いいとこ取り”した新発想の新型「クラウン・エステート」は、さまざまなシーンで活躍してくれそうな1台です。
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