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【最新モデル試乗】爽快スポーツチューン! 日産アリアNISMOの胸踊るパフォーマンス

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【最新モデル試乗】爽快スポーツチューン! 日産アリアNISMOの胸踊るパフォーマンス

アリアに新イメージリーダー「NISMO」登場!

 アリアは日産期待のブランニューBEV。2021年に登場したものの、コロナ禍に半導体不足、納期の長期化と受注休止など不遇な状況が続いていた。ようやく3月に「B6」の受注を再開するとともに「B6 e-4ORCE」、「B9」、「B9 e-4ORCE」を発売、新たに上位モデル「B9 e-4ORCEプレミア」と「NISMO」の追加が発表された。

高性能クロスオーバーEVの日産アリアのNISMOモデルが正式発表。合わせて日産アリアの全グレードを発売

 NISMO開発の背景には、NISMOブランドに好意的で、次の愛車としてBEVやSUVを考えている層が多いことが関係している。「風格と電撃のクロスオーバー」をコンセプトに掲げるアリアNISMOは、まさに彼らにとって格好の選択肢だろう。

 スタイリングは遠目にも強い存在感を放っていた。未来的なアリアにNISMO流のアレンジを施した二面性のある造形は個性的である。機能的にも空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を高い次元で両立しているという。

 インテリアも精悍だ。黒を基調にレッドのアクセントを配し、専用シートを装備するなどNISMOらしくアレンジしている。標準仕様のアリアは「ラウンジ」といったイメージだが、NISMOは「コクピット」と呼ぶにふさわしい機能的な印象だ。

刺激的で痛快なスピードの伸び。意のままのハンドリングも大きな美点

 ラインアップは、91kWバッテリーを積むB9(944万1300円)と、同66kWhバッテリーのB6(842万9300円)の2種。駆動方式はともに電動4輪駆動のe-4ORCEになる。試乗車はB9である。

 走りは力強い。アリアの持ち味である、静かで滑らかなキャラクターに加えて、最高出力を320kWまで引き上げるとともに、各種制御をNISMO専用にチューニングしたことで、よりパワフルな加速を手に入れている。Dレンジでe-Pedalを使わない場合の減速力を少し強め、運転のメリハリ感を演出した点もNISMOの個性だ。

 走行モードをNISMOにセットしてアクセルON。俊敏で伸びやかなスピードの伸びに正直、驚いた。アクセルレスポンスが最大化され、リアルスポーツに匹敵するパフォーマンスを披露する。しかもBOSEプレミアムサウンドシステム装着車(op13万2000円)なら、フォーミュラEマシンのようなEVサウンドの演出を楽しむこともできる。このサウンドは一聴の価値がある。

 NISMOはシャシーも素晴らしい。空力と合わせて専用調律が施されており、走りは一変している。ひと言でいうと、洗練された上質な乗り味になっていた。NISMOと聞くと、スポーティでスパルタンな乗り味を想起するが、車種によってはベース車よりも乗り心地が快適になっているケースがある。アリアNISMOは後者に該当する。

 手の加えられた内容は多岐にわたる。スプリングやダンパー、スタビライザーにとどまらず、キャンバー剛性を高めるためにストラット外筒板厚を上げたほか、専用開発タイヤに軽量化と空力に寄与するワイドホイールを組み合わせ、これらに合わせてパワーステアリングやブレーキ、VDCの特性の最適化を図ったという。

 電動駆動4輪制御技術e-4ORCEについても、駆動力配分をベース車比でリア寄りとしてトラクションと旋回加速性能を高めるよう専用セッティングが施された。これらが実現した走りは、なかなかの味わいだ。上質さとともに意のままに気持ちよく操れる運動性能を実現している。ステアリングにはしっかりとした手応えがあり、しなやかに路面を捉えながら、コーナリングではイメージどおり正確にラインをトレースする。スタビリティが高く、ロール感が自然で挙動が掴みやすい。アクセルを踏み込むとリアから押し出される感覚が基準車よりも強まっていた。

 試乗途中から小雨に見舞われ路面が滑りやすくなるとNISMOの個性が一段と浮き彫りになった。限界域でも運転操作に対して忠実に応答する特性がよくわかる。やや攻めぎみにパイロンスラロームを試し、後半で発散ぎみの挙動が出ても簡単に立て直せる。VDCの介入は的確で、ドライビングをまったく邪魔しない。

 高速でのレーンチェンジでは、操舵したとおりフロントが遅れることなく向きを変え、リアは挙動を乱すことなくついてくる。B9は車両後方に容量の大きなバッテリーを搭載するが、その影響を感じさせない。

 アリアNISMOは、「より速く、気持ち良く、安心して走れるクルマ」に仕上がっていた。トータルバランスが高く、軽快な中にも濃厚な走りの味わいがある。

 日本はBEVで出遅れていると評される場合が多い。その背景には、BEVの車種数が圧倒的に少ない実情はもちろん、欧米車のようなスペシャル感のある高性能BEVが存在しなかった商品構成も影響していると感じている。
 新登場のアリアNISMOは、日本車として初めて新たな世界に一歩踏み込んだモデルに違いない。

アリアNISMO 主要諸元

グレード=B9 e-4ORCE
価格=944万1000円
全長×全幅×全高=4650×1850×1650mm
ホイールベース=2775mm
トレッド=フロント:1585/リア:1585mm
最低地上高=165mm
車重=2210kg
モーター型式=交流同期電動機
モーター最大出力=フロント:160kW(218ps)/5950~11960rpm/リア:160kW(218ps)/5950~10320rpm
モーター最大トルク=フロント:300Nm(30.6kgm)/0~4392rpm/リア:300Nm(30.6kgm)/0~4392rpm
一充電走行距離=未公表 ※ベース車の参考数値は610km
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=91kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=255/45R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

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みんなのコメント

3件
  • cha********
    中途半端な値付けに迷いを感じます。
    もっと突き抜けて世界のプレミアムブランドと勝負すれば良いのにと思いました。
    EVは足代わりの軽規格のサクラか高級路線の二極化の傾向が強いと思うので。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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