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クルマにジェットエンジン積んだらこうなった! 実用性皆無、モンスターマシン爆走!

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クルマにジェットエンジン積んだらこうなった! 実用性皆無、モンスターマシン爆走!

古いジェットエンジンで爆走!

 ジェット機が生み出す轟音は、飛行機好きには一種のご褒美といえます。それは近くで聞けば音というよりも衝撃に近く、基地周辺で戦闘機を撮影するファンのあいだでは「爆音浴」というフレーズまで使われています。アメリカにはこのジェットエンジンを、効率や経済性を完全に無視して利用しているクルマがあります。

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「ショックウェーブ」と呼ばれるそれは、ピータービルト社(アメリカ)製のトレーラーヘッドに、T-2「バックアイ」ジェット練習機に搭載されていたウェスティングハウス社(アメリカ、当時)のJ34-48ターボジェットエンジン3つを薪のように束ねて搭載。エンジンの排気口に自家製の燃料噴射装置(戦闘機でいうところのアフターバーナー)までついています。恐らくは「速度を出したいならば、同じエンジンでもいっそのことジェットエンジン積めばいいんじゃない?」というアメリカ的な発想だけで作られた車両なのでしょう。最高速度はなんと時速376マイル(605km/h)にもなります。

実用性なんぞハナから誰も期待していない

 乗りもの的には、クルマというよりは飛行機に近いものですが、それには大きな代償がともないます。

 まずは消費される燃料。「ショックウェーブ」が1回の走行に必要な燃料は約180ガロン(約820リットル)にもなります。また、エンジン全開では直線走行しかできません。停止方法も、通常のクルマと同じディスクブレーキでは圧倒的に役者不足なため、戦闘機が着陸後の減速に使うドラッグシュートが装備されています。ちなみに全開走行では、加速時にドライバーには3Gほどの加重が掛かりますが、これはスペースシャトルの打ち上げ時に宇宙飛行士が感じるそれと同じだそうです。

 ここまで読めば誰でも気付くと思いますが、この「ショックウェーブ」には、元となったトレーラーヘッドのような実用性はまったくありません。このクルマの目的はイベントでデモ走行を行い、その派手な見た目と騒音で観客を沸かせることにあります。長い滑走路がこのトラックの全力走行にマッチすることから、特にエアショー関係のイベントに参加することが多く、実は北米でエアショーに行く航空機ファンのあいだでは有名な存在でもあります。

ただ速く、ただ派手に走るだけのクルマ

「ショックウェーブ」がエンジンを始動すると、ターボジェットの生み出すジェット音が会場中に響き渡り誰しもの注目を引きます。そして、全開走行時の轟音とギネス記録にもなった605km/hの速度という事実は、飛行機やクルマといった乗りもの好きのアメリカ人に強烈なインパクトを与えるようです。普通のクルマでも、実用性や燃費でいえばハイブリットカーの方が優秀ですが、クルマ好きや一般人が興味を引くのはマッスルなエンジンを積んだクラシックカーの方でしょう。

「ショックウェーブ」は、ただその加速性能を見せつけるだけでなく、エンターテイナーとしての観客へのアピールも忘れません。燃料噴射装置を使ってノズルと垂直につけられた煙突部から派手な炎を噴き出し、近くで見る場合には耳栓がないと辛くなるほどの爆音を発生させます。そこには、実際に生で見ている観客を圧倒する迫力はありますが、楽しませるという以上の意味はありません。エコドライブなんて言葉は口に出すだけ野暮というものです。しかし、それこそがアメリカ流のエンターテイメントの神髄なのでしょう。「ショックウェーブ」の生み出す爆音とスピードは、今日もアメリカのどこかで観客を沸かせています。

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