現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【10年ひと昔の国産車 51】日産GT-Rは2010年モデルでさらに速さを追求したマッシブ スーパーカーになった

ここから本文です

【10年ひと昔の国産車 51】日産GT-Rは2010年モデルでさらに速さを追求したマッシブ スーパーカーになった

掲載 更新 5
【10年ひと昔の国産車 51】日産GT-Rは2010年モデルでさらに速さを追求したマッシブ スーパーカーになった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「日産 GT-R」だ。

日産 GT-R(2010年:イヤーモデル)
日産GT-Rが登場したのは2007年のこと。世界最強のスーパーカーとして君臨することを使命として誕生し、超ド級の性能を披露した。しかも、毎年のようにGT-Rは確実に戦闘力をアップしている。2007年モデルより2008年モデルはさらに戦闘力が増したし、2009年モデルでなおも熟成が進んだ。さらにスペックVも投入された。そこに現れたのが2010年モデル。はたして、その性能は大いに気になるところだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

とはいえ、GT-Rの2010年モデルはスペック表を華やかに彩るようなインパクトのある改良はされていない。走りに影響しそうな項目は以下の3つ。すなわち、フロントサス&ダンパーの精度アップ、リア ラジアスロッドのブッシュ強化、通気抵抗の少ない触媒セルの採用、といったところだ。諸元表に変更はない。

だが、実際に走らせると違いは明かだった。まず乗り心地が大幅に改良された。脳天を無遠慮に刺激するような突き上げが薄れている。路面の安定したサーキットだけでなく、高速道路や一般道でも試乗してみたが、あきらかに乗り心地の違いを確認できた。ロールとピッチングの剛性は落とされていないのに突き上げが格段に減っている。精度の追求というレベルを超えた次元で、フラットライドを得ている。

リアの安定感も高まった。これまでのように、唐突にテールがブレークする頻度は低くなった。ブレーキングからのテールスライドアクションや、立ち上がりでのテールスライドなど、その量はともかく過渡特性は格段に穏やかになった。スライドする予兆を感じさせてくれるから、致命的なミスを犯さなくてすむ。

ただし、低回転域のレスポンスに貢献するであろうと思われた触媒セルの変更は、残念ながら今回の試乗では違いを確認できなかった。

もちろん、3.8LのV型6気筒ツインターボをフロントに搭載し、トランスミッションはリアデフと一体化したトランスアクスル方式、そして4WDというシステムにも変わりはない。サーキットなどで限界走行を試みると絶えず強いアンダーステアと格闘せざるを得ない性格も、変わってはいない。

それでも、GT-Rの怒濤のトルク感は魅力的だ。いったん過給圧がフルに充填したときの低中回転域のターボトルクには目を見張るものがある。4WDならではのトラクションもあり、タイトコーナーからの加速感は少なくとも日本車においてはGT-Rに優るものはないだろう。

スーパーカーとして考えれば、GT-Rは快適な部類に属するだろう。300km/hで走行中でもパッセンジャーと会話が可能というのは間違いではないようだし、静粛性もスポーツカーとしては優れたレベルにある。

街中での取り回しも、スーパーカーとしては良いほうだ。最小回転半径は5.7mと思ったよりは小さく、アップライトなドライビングポジションゆえに見切りも良く、都会の狭い道などでも意外と運転しやすい。ツインクラッチのトランスミッションは、ふだんはほとんどATとして機能するから、イージードライブも可能だ。このあたりの特性は、デビュー以来変わってはいない。

それでも、イヤーモデル毎に進化するGT-R。ポルシェ911ではないが、やはり「最新のGT-Rが最良のGT-R」であることは間違いなさそうだ。

■日産 GT-R(2010年モデル) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4650×1895×1370mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:1740kg
●エンジン種類:V6 DOHCツインターボ
●排気量:3799cc
●最高出力:357kW<485ps>/6400rpm
●最大トルク:588Nm<60.0kgm>/3200ー5200rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:フロント縦置き4WD(トランスアクスル)
●10・15モード燃費:8.3km/L
●タイヤ:前255/40ZRF20、後285/35ZRF20
●当時の価格(税込み):861万円

[ アルバム : 日産 GT-R(2010モデル) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

改良型CX-60の魅力まとめ
改良型CX-60の魅力まとめ
グーネット
国内最高峰 トヨタ「センチュリー」の新車価格は2000万円超え! 買うために必要な年収とは? 厳しいといわれる“購入の条件”とは
国内最高峰 トヨタ「センチュリー」の新車価格は2000万円超え! 買うために必要な年収とは? 厳しいといわれる“購入の条件”とは
VAGUE
”まもなく登場!?”の新型「ロードスター」! 2リッター”直4”+精悍エアロ採用! 待望の「RS C」はどんなクルマなのか
”まもなく登場!?”の新型「ロードスター」! 2リッター”直4”+精悍エアロ採用! 待望の「RS C」はどんなクルマなのか
くるまのニュース
Luupが「電動シートボード」提供開始へ…座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車
Luupが「電動シートボード」提供開始へ…座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車
レスポンス
2024年5月の自動車輸出、欧州向け36%減 米国向けは10%増 自工会発表
2024年5月の自動車輸出、欧州向け36%減 米国向けは10%増 自工会発表
日刊自動車新聞
角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
motorsport.com 日本版
新型BMW「M5」の全て!パワフルなルックスと700馬力を超えるパワーで2.4トン超の車重でもセンセーショナルな新型M5!
新型BMW「M5」の全て!パワフルなルックスと700馬力を超えるパワーで2.4トン超の車重でもセンセーショナルな新型M5!
AutoBild Japan
スズキ「斬新“タフ仕様”軽トラ」実車公開! 超カッコイイ「精悍“黒”顔」&「専用カスタム」! 新「スーパーキャリイ」アウトドアショーに出展
スズキ「斬新“タフ仕様”軽トラ」実車公開! 超カッコイイ「精悍“黒”顔」&「専用カスタム」! 新「スーパーキャリイ」アウトドアショーに出展
くるまのニュース
旭川空港でタクシーアプリ『GO』が利用可能に…北海道の空港で初の試み
旭川空港でタクシーアプリ『GO』が利用可能に…北海道の空港で初の試み
レスポンス
レクサス・NX「アウトドア×プレミアム」
レクサス・NX「アウトドア×プレミアム」
グーネット
「ライダーの所有欲をかき立てる」ハデ色が充実! 英国最大のバイクブランド発「カラフル&シック」な2025年モデルの魅力とは
「ライダーの所有欲をかき立てる」ハデ色が充実! 英国最大のバイクブランド発「カラフル&シック」な2025年モデルの魅力とは
VAGUE
京葉道路の“地獄渋滞区間”「貝塚トンネル」いつになったら改善!? 新トンネル建設で「車線増加」千葉県が国へ要望継続!「慢性的な渋滞です」
京葉道路の“地獄渋滞区間”「貝塚トンネル」いつになったら改善!? 新トンネル建設で「車線増加」千葉県が国へ要望継続!「慢性的な渋滞です」
くるまのニュース
「訳あり」の軽トラ「サンバー」をまずは「バイクを積載できる」仕様に トランポもリフレッシュしよう!! Vol.2
「訳あり」の軽トラ「サンバー」をまずは「バイクを積載できる」仕様に トランポもリフレッシュしよう!! Vol.2
バイクのニュース
ランクル300/250/70オフロード一気試乗
ランクル300/250/70オフロード一気試乗
グーネット
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
カー・アンド・ドライバー
トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
AUTOSPORT web
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
WEBヤングマシン

みんなのコメント

5件
  • 知人がこのモデルの初期型を新車で乗っていたが街中では乗り心地が硬すぎて最悪でタイヤを大枚はたいて何種類も変えてみたが改善せず、嫌になってすぐに売ってしまったよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.023000.0万円

中古車を検索
NISSAN GT-Rの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.023000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村