996ベース ワンオフのレストモッド
ポルシェは、米国最大のポルシェクラブ向けに作られたワンオフ車両「911クラシック・クラブ・クーペ」を公開した。
【画像】911クラシック・クラブ・クーペ【他のレストモッド車や996型と写真で比較】 全85枚
バージニア州で入手した996世代の911カレラをベースに制作されたもので、ドイツ・シュトゥットガルトでレストモッドを受け、ボディシェルの再構築と強化が施されている。
2年にわたる作業期間中、さまざまな新要素が追加された。例えば、背の高いドライバーが車内でヘルメットを着用できるように、特注のダブルドームルーフを採用。ハンドメイドのダックテールスポイラーは、名車911カレラRS 2.7へのオマージュだ。
18インチのフックス製鍛造アルミホイールを装着し、ポルシェクラブ・アメリカのシンボルカラーであるクラブブルーで細部をペイントした。
3.6Lフラット6で最高出力381ps
パワートレインは、996型911 GT3用の3.6Lフラット6に換装され、最高出力381psを発生する。マニュアル・トランスミッション、強化シャシー、ブレーキも911 GT3から流用されている。
ボディは、2009年に発売された911スポーツ・クラシックをイメージしたスポーツグレーメタリックにペイントされている。ライトスポーツグレーのストライプがボディ上部を走り、細部はクラブブルーで仕上げられている。
インテリアではブラックレザーをメインに使用し、シートは千鳥柄となっている。インフォテインメント・システムとして、ポルシェ・クラシックのコミュニケーション・マネジメント・プラスを搭載し、アップル・カープレイとアンドロイド・オートの接続が可能だ。ダイヤル、ステアリングホイールのリム、ヘッドレストなど、随所にクラブブルーが添えられている。
世界に1台、でも珍しくテスト車両も制作
開発中、911クラシック・クラブ・クーペは機密のために「プロジェクト・グレー」と呼ばれていたが、これは2018年の911プロジェクト・ゴールドに基づくニックネームだ。
ワンオフ車両としては珍しく、テスト車両も作られた。イタリアのナルド・サーキット、スペインのイディアダ試験場、ドイツ・ヴァイザッハにあるポルシェのサーキットで試乗した後、完成車の個性を保つために解体されたのだという。
ポルシェ・クラシックの責任者であるアレクサンダー・ファビグは、次のように述べている。
「996型は、911シリーズの中で不当に影が薄い存在です。だからこそ、ポルシェ・クラシックとソンダーバーシュ(Sonderwunsch)プログラムでできることを実演するにあたり、このモデルを選べたのは喜ばしい限りです」
「2009年、250台限定で発売された『911スポーツクラシック』は、世界中で話題を呼びましたが、米国では販売されていませんでした。今回のワンオフにより、同じようにエキサイティングな車両コンセプトを米国でも実現することができました」
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