アウディのクーペSUVと言えば、Q3スポーツバックが日本で発表になったばかりだが、先日、Q5のスポーツバックがデジタルワールドプレミアとなった。 2021年前半にはアウディのベストセラー SUVにまた新しい魅力が加わることになる。(Motor Magazine 2020年12月号より)
最新のアウディデザインに彩られたエクステリア
ここ数年、SUVのバリエーションとして「クーペ」の人気が高まっている。その先鞭をつけたのは2008年に登場したBMW X6だが、その後、X4、さらにメルセデスベンツGL系のクーペシリーズなど、続々とクーペSUVが発表されている。そして鈍重なスタンダードSUVに対して、スタイリッシュでスポーティなバリエーションとして今や必須のアイテムとなっている。
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そんな中、アウディは18年にQ7のクーペバリエーションのQ8を投入。そして19年7月にはQ3のスポーツバックを発表、さらに20年9月26日にはQ5のスポーツバックが追加発表された。
今回、デジタルワールドプレミアにおいてスポットライトで照らしだされたブルーメタリックのQ5スポーツバックは、クーペ風ルーフを持ったサイドビューがスポーティで軽快な印象を放っていた。
フロント部分もデジタルデザインのLEDデイタイムドライビングライト、さらに大きくなったハニカム構造のシングルフレームグリル、左右に大きく開いた多角形ダミーグリルなど、最新のアウディデザインアイコンが光る。
幅(1893mm)と高さ(1662mm)はスタンダードのSUVボディと変わらないが、全長4689mmと7mmほど長いにもかかわらずサイドビューが引き締まって見えるのは、21インチタイヤ&ホイールとそれをカバーするために大きく開いたホイールアーチ、そして黒いサイドシルカバーがアクセントになっているからだ。
一方、ルーフが低く落とし込まれたリアエンドは、控えめなスポイラーとクロームフレームのリアスカートフィニッシャーがアクセントになっている。またリアコンビネーションライトはオプションでOLEDも選択可能である。
荷室の広さは期待以上。21年前半生産開始&発売予定
アウディの開発担当によればボディ関係だけで3分の1以上が新設計であると説明された。一方、MIB-III(フォルクスワーゲングループの第3世代インフォテインメントモジュール)をOSとした操作系はスタンダードのQ5と変わらず、ドライバー正面の12.3インチバーチャルコックピット、ダッシュボード中央の10.1インチタッチパッド、そしてヘッドアップディスプレイもオプションで用意される。
搭載されるパワートレーンは欧州向けには3種類のディーゼルと2種類のTFSIガソリン直噴ターボエンジンで、TFSIは共に2L。150kW(204ps)と195kW(265ps)である。さらに220kWと270kWの2種類のPHEVも用意される。
注目の日本向けには、2L直4と3L V6のTFSIが用意される。前者は最高出力183kW(249ps)と最大トルク370Nmを発生、7速DCT(Sトロニック)と組み合わされ、後者は260kW(354ps)と500Nmを発生、8速ATと組み合わせる。
駆動系は共にクワトロ(4WD)システムが装備される。加えてすべてのエンジンにベルト駆動式(RSG)の48Vマイルドハイブリッドが組み合わされ、55km/h~160km/hの間の低負荷走行時にエンジンが停止、コースティング走行で燃費を稼ぐ。
一方、オプションで用意されるエアサスペンションはオフロードでは45mm車高をアップ、高速走行時には15mm車高をダウンさせ安定性の向上と空気抵抗の低減を行う他に、リア部分を55mmローダウンさせ、重い荷物のトランクへの出し入れを容易にすることもできる。なおラゲッジルーム容量はクーペボディにもかかわらず、通常で510Lとスタンダードボディよりもわずか10L減少したに過ぎない。一方、リアシートを畳めば1480と十分以上のスペースが誕生する。
このQ5スポーツバックはメキシコ工場で生産され、北米および欧州での発売は21年前半になる予定。日本における発売もほぼ同時期になると予想されている。(文:アレキサンダー・オーステルン<キムラ・オフィス>)
■アウディQ5スポーツバック45 TFSIクワトロ主要諸元
●全長×全幅×全高=4689×1893×1662mm
●ホイールベース=2820mm
●エンジン=直4DOHCターボ
●総排気量=1984cc
●最高出力=265ps/5250-6500rpm
●最大トルク=370Nm/1600-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=7速DCT(Sトロニック)
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