日本導入の可能性も高い新型「GX」の技術面における注目点を、世良耕太がわかりやすく解説する!
プラットフォームを一新
新型レクサスGXが大ヒット間違いないワケとは? 争奪戦に負けるな!
新型レクサスGXがアメリカ・テキサス州オースティンで公開された。GXはトヨタ「ランドクルーザー・プラド」のレクサス版と言うべきモデルである。新型のコンセプトは“ザ・プレミアム・オフローダー”。オフロード走破性に軸足を置いたモデルだ。
プラットフォームは一新され、上級の「LX」とおなじGA-Fプラットフォームを採用した。伝統のボディオンフレーム(いわゆるラダーフレーム)構造を踏襲しながら、最新の技術を織り込み、重量を増やすことなく強度と剛性を高めている。近年のトヨタ/レクサスの新型モデルと同様、スポット溶接の打点の間隔を短くしつつ、構造用接着材をふんだんに使っているのも特徴だ。
新型GXではさらに、ラジエーターサポート上部にクロスブレース(対角線に配置する補強材)を採用。大きな開口部を持つがゆえに剛性の確保が課題になるフードロック部(ボンネットフードはアルミとし、軽量化を図っている)には専用のリインフォース(補強材)を追加した。また、リヤまわりではCピラー根元付近とホイールハウスをブレースで結合し、剛性を高めている。
高剛性のボディは不快な揺れや振動を低減する効果も発揮する。新型GXはオフロードだけでなくオンロードでの快適性の面でも、着実にステップアップしているはずだ。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤはラテラルコントロールアーム付き4リンクリジッドでLXとおなじである(LXのリヤはトレーリングリンク車軸式と表現)。
ただし、オフロードとオンロードの走りを両立すべくGX専用のジオメトリー(アーム類の幾何学的な構成)が設定されている。
ステアリングのパワーアシスト機構は油圧式から電動式に変更したLXの流れを汲み、GXも電動アシスト式(EPS)を採用した。
レクサスLXとハードウェアを共有するトヨタ「ランドクルーザー」のパワーステアリングは電気式操舵アクチュエーター付きの油圧式パワーステアリングだが、LXはEPSだ。「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」ことを宿命づけられたランドクルーザーはパワステが失陥しても(あるいは失陥しかけても)走り続けられるサバイバル性の高さを重視した。一方で、LXは取りまわしのしやすさと上質な走りを重視して、制御性の高いEPSを選択した。
悪路走破性を重視するGXが油圧式ではなくLXとおなじEPSを選択したのは、いかにオフローダーといえども、レクサスらしい上質な乗り味を犠牲にするわけにはいかなかっただろう。なおステアリング系はシャフトやチューブを大径化すると同時に取り付け剛性を高めた。
2.4リッターハイブリッド仕様も設定走行機能系では「E-KDSS」が目をひく。レクサスとしては初採用であるが、トヨタ・ランドクルーザーのGR SPORTにはすでに取り入れている。
E-KDSSは電子制御でスタビライザー(アンチロールバー)の効果を変化させるシステム。凹凸の大きい路面ではスタビライザーを自動的にフリーにし、タイヤが凹凸の激しい路面に追従してボディの無駄な動きを抑える。
一方、オンロードではスタビライザーがフリーの状態だとコーナリングで車体が大きくロールし不安定になる。そこで、このような状況では自動的にスタビライザーを効かせる制御とし、車体の過度なロールを抑える。つまり、オンロードの走行安定性と、オフロードでの悪路走破性を両立する機能がE-KDSSというわけだ。
駆動力、サスペンション、ブレーキ油圧を自動で統合制御し、路面状況に応じて最適な能力を引き出すマルチテレインセレクトは、モードが先代よりひとつ増えて6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)を設定。LXが搭載する機能を踏襲する。
エンジンはLXと同じ、3.5リッターV6ツインターボのV35A-FTS型を設定。これに10速ATを組み合わせる。先代は4.6リッターV8自然吸気と6速ATの組み合わせだったので、大きく進化した。加速の力強さに加えオフロードでの扱いやすさ、燃費などの面で大きな向上が期待できそうだ。
GXにはさらに、T24A-FTS型の2.4リッター直列4気筒ターボエンジンを電動化した2.4リッターハイブリッド仕様がくわえられた。2.4リッターハイブリッドはトヨタ「クラウン・クロスオーバー」やレクサス「RX」にも設定されているが、これらはパワートレーンを横置きに搭載するが、新型GXは縦置きで、組み合わせるトランスミッションもクラウンやRXの6速に対し、GXは8速だ。
新型GXに投入された技術は、兄貴分であるLXのものを活かしつつ、オフロード走破性を高めているのが特徴である。
ユーザーはLXとGXで大いに悩みそうだ。
文・世良耕太 編集・稲垣邦康(GQ)
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