現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ランエボ」譲りの四駆も搭載した三菱SUVの雪上での走破性は? 冬の北海道で試す

ここから本文です

「ランエボ」譲りの四駆も搭載した三菱SUVの雪上での走破性は? 冬の北海道で試す

掲載 更新
「ランエボ」譲りの四駆も搭載した三菱SUVの雪上での走破性は? 冬の北海道で試す

■最近の三菱は垢抜けた!?最新モデルの実力を冬の北海道でチェック

 三菱自動車のクルマへのイメージを、皆さんはどういう風にお持ちでしょうか?

三菱のEV「アイ・ミーブ(i-MiEV)」ボディ拡大で軽から普通車に! デザインも大幅変更

 こと筆者(今井優杏)に関して言えば「それは圧倒的な悪路走破性の信頼性にあるでしょ」です。でも、「同時になんか地味なんだよな」とも思うのです。

 そう、いいクルマなんですけど、なんとなく“好きモノ感”もあるし(ダカール・ラリーイメージからなのでしょうか)、普通にショッピングリストに入ってくるイメージは、たしかに無いとは言えないような気がします。

 しかし皆さん、ここのところ三菱のクルマたちが、従来から備えていたクルマとしてのマニアックさ・メカっぽさ・そこからもたらされる圧倒的な四輪駆動制御はそのままに、いつのまにやらコッソリ垢抜けてきているのをご存知でしょうか。

 そんな三菱の直近モデルばかり、つまり「エクリプスクロス」、モデルチェンジを受けた「アウトランダーPHEV」、そして新旧「デリカD:5」の3モデル合計4台を、絶好の走破性チェック環境である北海道にて試乗してきました。

■三菱の四輪駆動制御技術「S-AWC」とは

 その前に、雪道試乗といえば三菱のこの技術のことを語らないわけにはいきません。それは、三菱の誇る四輪駆動制御技術「S-AWC」です。

 そもそもは1987年、「ギャランVR-4」に搭載された四輪制御技術「SWC(スーパー・オールホイール・コントロール)」からスタートしたこの思想(そうです、ある固定の技術のことだけではなく、四輪制御に関する“思想”なのが面白いです)は、『四輪のタイヤ能力をバランスよく最大限に発揮させて、“意のままの操縦性”と“卓越した安定性”を実現する、四輪運動制御技術の開発思想』とプレゼンテーションには記載されています。

 ごく簡単に言えば、4輪のタイヤそれぞれに発生する前後Gや横Gに対してのタイヤの摩擦(接地)を、あらゆる方向のGに対してもうまく分散させるにはどうしたらいいのか、と追求してきたということです。

 この「AWC」は世代を追うごとにさらに進化し、2007年の「ランサーエボリューションX」から「S-AWC」となりました。このSはSuperのSです。

 そのスーパーな名前に恥じぬほど、この制御のマニアックなことには舌を巻きます。日本名でも「車両運動統合制御システム」と表記され、「AWC」時代のGに対するマネジメントだけではなく、前後輪間トルク配分(四輪駆動技術)、左右輪間トルクベクタリング(アクティブ・ヨー・コントロール)、四輪ブレーキ制御(ABS&ASC)と、ドライバーが気持ちよいと感じる、途切れめのない電子制御のため、あらゆる方向からアプローチを図っています。

■雪上でヤンチャな走りも楽しめる「エクリプスクロス」

 しかし、どんなパワートレーンでも違和感のない気持ちの良いドライビングを叶え得るように、それぞれにはそれぞれの違ったシステムを備えているのがまた、三菱の技術オタクっぽさがいい意味で最高に生かされている部分でもあります。

 今回用意された3台は異なるパワートレーンを備えているのですが、一番ヤンチャだったのは「エクリプスクロス」でした。

 1.5リッター4気筒ターボエンジン×8速スポーツモードCVTの「エクリプスクロス」には、電子制御の四輪駆動システムが搭載されています。

 前後輪間トルク配分には電子制御カップリング、左右輪間トルクベクタリングにはブレーキを使うアクティブ・ヨー・コントロールが、そして四輪ブレーキ制御にはABS&ASCが使用されています。

 このS-AWCがとりわけスポーツ方向を見てセッティングされていることから、摩擦係数の低い雪道では、一般道試乗からしたら計り知れないピーキーさをチラつかせ、程よいテールスライド量でドリフトを楽しませてくれるなど、取材陣の格好のオモチャになっていました。

 しかしご安心いただきたいのは、走行モードがきっちり用意されているので、もし怖い思いをしたくなければ、きちんと路面に合ったモードさえ選択すれば良いのです。

 「エプリプスクロス」には、「オート」「グラベル(砂利道)」「スノー」が用意されています。これに、エンジンを掛けた時点ではデフォルトでオンになっている横滑り防止装置「ASC」があれば怖いものはありません。

■スノースポーツに最適な「アウトランダーPHEV」

 それから「アウトランダーPHEV」です。以前から、電気は制御を自在に設定できる、を武器に、雪道でも圧倒的な走破性を誇っていた「アウトランダーPHEV」は2018年にマイナーチェンジを受けましたが、この改良で走行モードに「スノー」と「スポーツ」が追加されました。

 2.4リッターエンジンにモーターを備えたプラグインハイブリッドである「アウトランダーPHEV」には、電子制御4WDシステムが搭載されています。

 ですから、「アウトランダーPHEV」のS-AWCは前後輪間トルク配分はツインモーター4WDとなるわけですが、謳い文句の通り、どのモードでも明確に制御が変わります。

 そもそもモーターのおかげで鮮烈なトルクを持つ同車ですから、雪道でガツンと加速されてしまったらたまりません。トラクションがかからず、タイヤが空転してしまうでしょう。

 そんなときの「スノーモード」は、何気なくいつもどおりにアクセルを踏んでも、きちんと路面に合わせてふんわりと加速してくれますし、たとえタイヤが空転しても、その瞬間にトルク配分を前後輪に行ってくれます。

 もっというなら、プラグインハイブリッドですから、電源のコンセントがラゲッジルームに備えられているなど、もっともスノースポーツ向けのパッケージではないかと感じました。

 反して「スポーツモード」これはもう、宇宙船です。スペースシャトルです。瞬時にギャッと加速しますから、雪道ではオーバースペックすぎて怖かった(涙)。それくらい派手なモードでした。

■ミニバンでこの走り!想像のはるか上を行く新型「デリカD:5」

 最後にご紹介する新型「デリカD:5」は、想像のはるか上方を行く仕上がりの良さです。正直、コレに関してはあまりに惚れすぎているため、ベタボメしかできないくらい。

 オンロードでも素晴らしかった「デリカD:5」の走りは、オフロードコースでも最高の信頼性でした。

「デリカD:5」の四駆はSが付かないAWCですが、電子制御4WDに「エクリプスクロス」と同じヨーレイトフィードバック制御を採用しています。

 眼の前に立ちはだかる雪の壁をワシワシとのぼっていくさまを、なんと表現したらいいでしょう。しかもコレでミニバンなんです。

 とくに悪路では、ミニバンのように箱型で開口部の多いクルマにはありがちな“リアのヨレ、ねじれ”が、新旧比較でも驚くほどの進化を見せていました。リアがシュッと付いて来るから、ドライバーはハンドルを切り戻したり修正打を当てたりしなくて済むし、大事な後部座席の乗員も、揺り返しで車酔いしたりすることも少ないでしょう。

 ここまで出来る、走れるミニバンは世界を見渡しても他にありません。自分が家族持ちだったら絶対にコレを買います。

 ドライブモードは2WD、4WD AUTO、そして4WD LOCK。普通程度のスキー場に向かうくらいの雪道なら、4WD AUTOで十分です。街乗りでは2WDでエコに行けるのも嬉しいですね。

 さて、最後に、こういった走りの進化は実は三菱の技術力を以てすれば想定内。最近の三菱のすごさは「内装の質感が飛躍的に上がったこと」!これはもう、大拍手モノですから、こちらもぜひ細かくチェックしてみてください。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

526.4668.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0542.0万円

中古車を検索
アウトランダーPHEVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

526.4668.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0542.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村