現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 都市型クロカン車の先駆的存在! 日産初代「テラノ」を振り返る

ここから本文です

都市型クロカン車の先駆的存在! 日産初代「テラノ」を振り返る

掲載 更新 10
都市型クロカン車の先駆的存在! 日産初代「テラノ」を振り返る

■オンロードでの快適性を高めた都市部でも扱いやすいSUV

 現在、世界的に人気のクルマといえばSUVです。そのSUVの源流をたどるとクロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)であり、文字どおり悪路走破性に優れたクルマです。

全長5m越え! 大型SUV「パスファインダー」生産開始! かつての「テラノ」の最新版とは

 いまから30年ほど前の1990年代初頭には、日本でクロカン車が大ヒットを記録。いわゆる「RVブーム」到来によるものです。

 このRVブームが起こる以前から、三菱「パジェロ」、トヨタ「ランドクルーザー」、いすゞ「ビッグホーン」、日産「サファリ」など、数多くのクロカン車が販売されており、すでにクロカン車市場は成熟していたとえいます。

 一方で、1980年代半ばにはオフロードだけでなくオンロードでも快適に走れる、現代のSUVに相当するモデルが誕生していました。

 まさに現在のSUVのルーツといえるモデルで、そのなかの1台が1986年にデビューした日産初代「テラノ」です。

 当時アメリカで大人気だった「ダットサン ピックアップトラック(D21型)」をベースに、悪路走破性とオンロードでの快適性を両立。それまでのヘビーデューティなクロカン車とは一線を画した洗練されたデザインが与えられ、人気を得ました。

 そこで、初代テラノにフォーカスして、どんなクルマだったのか紹介します。

※ ※ ※

 車名のテラノとは、「大地」や「地球」を意味するラテン語「Terra」に由来したもの。スタイリングは日産デザインインターナショナル(現、日産デザインアメリカ)が手がけており、都会的なイメージが当時のクロカン車としてはかなり新鮮でした。

 ボンネット先端に入れられた3本のスリットや、力強い走りをイメージさせる前後のブリスターフェンダー、そして後席用の三角形ウインドウ(ポップアップ開閉式)といったディテールが与えられたエクステリアデザインは実に個性的。スタイルの面でも洗練性が表現されていました。

 ボディサイズは全長4365mm×全幅1690mm×全高1680mmで、ホイールベースは2650mmと、現在の水準からするとかなりコンパクトで、3ドアながら5ナンバー枠に収められたボディサイズは、個性的なスタイリングとともに人気を呼んだ要因のひとつといえるでしょう。

 インテリアは、直線基調としたインパネデザインや、ダッシュボード上部に備わる傾斜計や高度計はクロカン車ならではですが、4本スポークのスポーティなステアリングホイールや、上質なトリム、モケット地のシートなどが採用され、快適性を高めていることが見て取れます。

 後席の居住性も配慮され、上級グレードにはリクライニング機構やサイドアームレストが装備されました。また、ガラス部分が単独で開閉できるリヤガラスハッチの採用は、実用性の高さをうかがわせるものです。

 発売当初は、最高出力85馬力を発揮する「TD27型」2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルエンジンを搭載。トルクフルで経済的なディーゼルエンジンはクロカン車としては有利でしたが、より快適な走りのために、1987年には140馬力の3リッターV型6気筒ガソリンエンジン搭載車が設定されたほか、5速MTに加え4速AT車をラインナップ。

 1988年には100馬力を発揮するターボチャージャー付きの2.7リッター直列4気筒ディーゼルエンジン「TD27T型」搭載車が加わり、1989年には4ドアボディが追加されたほか、V型6気筒ガソリンエンジンがマルチポイントインジェクション仕様となる155馬力の「VG30型」に変更されるなど、よりオンロードでの走りが進化。

 1993年に実施されたマイナーチェンジでは、オーバーフェンダーを装着したワイドボディが新たに設定され、さらに1994年の一部仕様変更では「TD27T型」ディーゼルエンジンの出力が115馬力に高められました。

 電子制御式の多板クラッチを用いた4WDシステムはパートタイム式で、シフトノブの左側に配置されたトランスファーで、2H(2WDハイ)/4H(4WDハイ)/4L(4WDロー)が切り替えられます。

 フロントにダブルウイッシュボーン式、リヤに5リンク式を採用したサスペンションにより、高い悪路走破性とオンロードでの快適性を両立。サスペンションには2ウェイアジャスタブルショックアブソーバーが採用され、「スポーツ」と「ツーリング」のふたつの減衰力を設定。ドライバーは走行状況や好みに合わせて選択できるものとなっています。

 国内外で人気を博した初代テラノは1995年8月に生産終了し、同年9月に登場した2代目をもって、テラノは2002年に国内での販売が終了しました。

※ ※ ※

 当時、テラノの最大のライバルはトヨタ「ハイラックスサーフ」で、やはりスタイリッシュでライトディーティなクロカン車でした。

 現在は両車とも海外で生き残っていますが、新型「ランドクルーザー 300」が好調な受注を記録していることを考えると、今なら日本で需要があるかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース

みんなのコメント

10件
  • ダットサンピックアップを都会的に洗練したモデルがこれでしたね。
    流行に乗った感は当時としてもあったが、それに合わせてニーズに合ったクルマを作り上げられる力が当時の日産にはあったんですよね。
  • V6、3000、5MTに乗ってましたね、スキー・サーフィン等やりまくってました。
    いい時代をいい車と過ごし手足のように乗廻してました。
    また、素人でも簡単にドレスアップできるのがいじってる感も持ててよかった
    故障した時も笑い飛ばせる故障で楽しかった、もうあんな車には出会わないだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.3308.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8249.0万円

中古車を検索
テラノの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.3308.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8249.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村