29歳で、中古のフェラーリを購入したGQ JAPANライフスタイル・エディターのイナガキが、ひょんなことから35年落ちのシボレー「コルベット」を増車した! 第23回はタイヤを再交換したエピソード。
新品タイヤへ早急に交換すべきワケ
俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記 第2部「少年探偵団編」のVol.35──トヨタ スープラ(70系)
前回、左リアタイアのパンクを報告したが、以降、ほとんど乗る機会がなかったため、補修以降はそのままにしていた。
が、そのまま乗り続けるのは危険らしい。現在、履いているタイヤの製造元であるTOYO TIRESに訊いたところ「パンク修理剤などでエア漏れを止めることが出来たとしても、タイヤ内部のスチールベルトなどを傷つけている恐れがあります。補修タイヤで走行を続けることで損傷部が成長し、コードの破断やバースト(走行中に突然タイヤが破裂する現象)の危険があります」とのこと。
一見すると、完璧に直っているように思ったのだが、1度でも補修が必要となるようなトラブルがあると、タイヤは想像以上に傷ついているのだ。
続けて、「修理が不十分であったことから水がタイヤ内部に進入し、いつのまにかスチールコードが錆びてしまうことも考えられます。そうなれば、著しく強度が落ち同じくバーストの危険が増します。補修により一時的に走行出来たとしても、使い続けるメリットはないでしょう。早めに交換することをお勧めいたします」と、教えてくれた。
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とはいえ、交換はひと苦労だ。C4型コルベットの純正サイズ(255/50R16)は超希少ゆえ、なかなかない。現在履いているのはTOYO TIRESの「PROXES R888R」だ。いい機会なので、ほかの銘柄で調べるとミシュランのクラシックタイヤシリーズの「PILOT SPORT」に同サイズがある。
このクラシックタイヤシリーズは、1930年代から1970年代の終わりまでに製造された、さまざまなクルマに装着可能なクラシックカー向けのタイヤだ。タイヤサイズ、トレッドパターン、扁平率を当時のモデルのまま再現することにより、当時の乗り味を愉しめるという。
このPILOT SPORTはフェラーリ「テスタロッサ」にも装着可能。20インチ以上が当たり前の現代フェラーリと比べると16インチというのは驚きであるが、当時は、かなりの大径だった。
価格は1本5万円前後。ただし、ミシュランに履き替える場合、左リアタイア1本だけ、というわけにはいかない。タイヤは、4本おなじ銘柄が揃ってこそ本来の性能を発揮する。「PACIFIC COAST HWY(パシフィックコーストハイウェイ)」でも、左右の性能差が発生しないよう同軸がおなじタイヤになるよう2本交換を勧められた。といわけで、ミシュランを選ぶと、交換代金が合計10万円前後まで跳ね上がる。
だったら、今履いているPROXES R888Rを1本だけ購入するほうが得である。PROXES R888Rは、1本200米ドルだから、1米ドル140円で計算すると約2万8000円。なお、わがコルベットの純正サイズは日本未発売品のため、アメリカから取り寄せなくてはならない。送料との合計金額はミシュランより高価となってしまうが、それでも合計はこちらのほうがリーズナブルだ。
PROXES R888Rの高いコーナリング性能を気に入っているのもあって、今回はおなじ銘柄への換装を決めた。
にしても急激な円安と輸送費高騰のダブルパンチで、前回購入時よりも2倍近くに跳ね上がってしまったのはキツい。こればっかりはタイミングの問題なので致し方ないが……。
早速、新しいタイヤへ履き替えたわがコルベットを動かしてみた。左リアタイヤのみ新しくなったので、乗り味の違いはよくわからない。が、相変わらず良い仕事をしてくれる。セミスリックタイヤゆえ、ウェット路面などは苦手するはずだが、実際、大雨が降るなか高速道路を走っても不安はあまりない。完成度の高いタイヤだと思う。
よくグリップするからコーナリングを駆け抜けるのも楽しい。この車両は1987年製ゆえ、複雑な電子制御が搭載されていないかわりに自ら操る楽しさがある。その楽しさにPROXES R888Rは安心感をプラスするから頼もしい。それにセミスリック独特のレーシーなデザインが、スタイリッシュなコルベットにマッチする。
パンクを契機にあらためてタイヤのことを考えたが、やはりわがコルベットにはTOYO TIRESのPROXES R888Rがよくマッチすると思った。
ただ、ほかの銘柄も気にならないわけではない。今度4本のタイヤをすべて交換するときにでも、じっくりと考えたいと思う。
『32歳、35年落ちコルベットを買う』過去記事
Vol.1 運命の出会い
Vol.2 最終的な購入金額
Vol.3 駐車場と自動車保険
Vol.4 ついに納車!
Vol.5 警告灯、点灯!
Vol.6 白煙とタイヤ問題
Vol.7 旧車のタイヤ選び
Vol.8 旧車とオーディオ
Vol.9 旧車にディスプレイ・オーディオという選択
Vol.10 “主治医”、見つかる!
Vol.11 いざ、入庫!
Vol.12 直ったけれども……
Vol.13 路上で止まった!
Vol.14トラブルの原因
Vol.15 故障するほど好きになっていく
Vol.16 ドアロックの不調
Vol.17 一難去ってまた一難
Vol.18 警告灯がまた点いた!
Vol.19 クルマのお漏らし
Vol.20 ジャストサイズ!
Vol.21 半年間の維持費
Vol.22 タイヤ、パンク!
文・稲垣邦康(GQ) 写真・田村翔
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みんなのコメント
まあ選んだ理由がアレだったしな。
タイヤなんて趣味のワイン一本買うのやめれば4本とも換えられるだろ。
フェラーリは売れたのか?
コルベットの記事なのに、わざわざフェラーリを購入したとか、ライフスタイルエディターとか書かなくてもいいでしょう?で、増車?ご自慢のフェラーリは売りに出してますよね?見栄を張る事だけおぼえた中途半端なお坊ちゃん。