来たる秋商戦で注目してみたい「性能」と「コスパ」に優れるモデルをピックアップ。ここで取り上げる日産・エクストレイルは、良質な走りを武器とするミドルSUVの注目株。人気殺到の影響で納車までかなりの時間がかかってしまうが、ミドルSUVを検討しているユーザーにとって、クルマ選びの選択肢から外すことができない1台だ。
シンプルなレイアウトでも装備は充実! トヨタのタウンエースがベースのキャンパー
●まとめ:月刊自家用車編集部
【購入テクニック&グレード選び】中間グレードの「X」から上がオススメ。納期の長さがややネック
―― グレード車両価格(2WD/4WD)S351万100円/-X374万8800円/-G444万8400円/-S e-4ORCE-/375万9800円X e-4ORCE [2列]-/404万9100円G e-4ORCE-/474万8700円X e-4ORCE [3列]-/418万円
日産・エクストレイル
価格:351万100~474万8700円
納期の目安:12か月以上
車両本体目標値引き額:18万円
リセール予想:B-
今年の春に受注が再開されたものの、オーダー殺到で生産規模を超えるバックオーダーをかかえている状態だ。メーカーHPでは工場出荷時期目処を3~6か月ほどと案内しているが、実際に販売店で商談してみると、「1年近くかかってしまう」と言われることが多いようだ。
競合相手として効果的なのは、RAV4とハリアーの2台。経営資本が異なる日産ディーラーを競い合わせる同士競合も有効。商談序盤は人気を背景に値引きは渋め(7~8万円)にいってくるが、根気良く進めていけば値引き金額の上乗せが期待できる。
グレード構成は、前輪駆動の2WD車が3タイプ、リヤ側にも駆動モーターを備える4WD車(e-4ORCE)が4タイプ用意される。カタログモデルの他にも特別仕様車として「エクストリーマーX」と「AUTECH」を選択することも可能だ。
グレードの選び分けのポイントは、内装加飾の違いのほか、利便機能をどこまで求めるかになる。さらに2WDと4WDで走りの印象がかなり違うので、どちらの駆動方式を選ぶかも重要だ。
最もベーシックな「S」(351万100円・2WD)は、ファブリックシートのオーディオレス仕様、日産車の売りでもあるプロパイロットも省かれている廉価仕様という位置付け。価格的には最も安く乗ることができるが、OPで選べない装備機能も多く物足りなさが否めない。一般ユーザーにはオススメしにくいグレードだ。
―― 発電用エンジンが最新設計のVCターボになったことで、電力マネジメントが強化。より強力な駆動モーターを搭載したことで、走りの魅力が高まっている。 [写真タップで拡大]
その上の「X」(374万8800円・2WD)からは、プロパイロットが標準装備されるので、一般ユーザーはこのグレードを基準に考えるのがオススメ。オーディオレス仕様であることは変わらないが、OPで装着できる装備機能が格段に増えるので、自分が求める仕様に仕立てやすい。また、4WD仕様には、サードシートを備える7人乗り仕様も用意されている。
「G」(444万8400円・2WD)はカタログモデルの最上級グレードという位置付け。通信機能を備える純正コネクトナビシステムが標準になるほか、内装質感の演出も1ランクアップ。アラウンドビューモニターなどの最新の駐車支援機能も標準装備される。「X」と比べると価格が70万円ほど高くなるのはネックだが、追加される装備内容からすると割高とまではいえない。充実装備のエクストレイルが欲しい向きには最適な1台といえる。
2WDと4WDとの価格差は25~30万円ほど。前後輪独立制御のe-4ORCEjの効果はオンロードでも強く実感できるので、走り重視のユーザーならば4WD車を選ぶのがオススメだ。
―― 左が「エクストリーマーX」、右が「AUTECH」。専用加飾が加わることで独自の風格が楽しめる。 [写真タップで拡大]
ちなみに特別仕様車の「エクストリーマーX」と「AUTECH」は、「X」をベースに専用の内外装加飾を加えた純正カスタムカー。「X」よりも少し割高になるが、刺さる人にはとことん刺さるグレードになる。
【モデル概要】全グレードが電動駆動のe-POWER車に刷新。走りの良さもセールスポイント
2022年7月にフルモデルチェンジした現行エクストレイル。先代までは内燃機モデルも設定していたが、新型はシリーズ式ハイブリッドのe-POWER車のみに刷新。ノート系よりも格上となる最新e-POWERを搭載するほか、4WD車にはフロント150kW、リヤ100kWを発揮する高性能モーターを用いた最新の駆動制御「e-4ORCE」を採用。歴代以上に走りを訴求しており、豊かなパワーフィールや6気筒を思わせるエンジンフィール、優れた静粛性など、ミドルSUVにふさわしい良質な走りが楽しめる。特に4WD車は加減速時やコーナリング時の挙動が滑らかで、操安性の良さも際立っている。
―― 実用的なキャビン設計も踏襲。先代よりも内装質感が向上したことも新型の魅力のひとつで、車格感も1ランク上がった印象を受ける。 [写真タップで拡大]
キャビン実用性などは先代とほぼ同等で、レジャーギアとしての完成度の高さも健在。洗練されたスタイリングでオンロードSUVとしてのキャラが強まったように思えるが、その本質は変わっていない。アウトドア趣味で便利に使える実用モデルとしてのまとまりもいい。ラインナップがハイブリッド車(e-POWER)だけになってしまったおかげで先代よりも価格は上がってしまったが、走りも実用性も高いレベルを求めるユーザーにとっては、魅力的な1台といえるだろう。
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