ブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。今回紹介するのは「マツダCX-8」だ。
多人数車の概念を覆すエクステリアデザイン
CX-5、CX-3と続いたマツダSUVシリーズのフラッグシップとなるCX-8は、国内向けとしては初めての3列シートクロスオーバーSUVの誕生と言うこともあって、デビュー前から大きな期待が寄せられていた。予約受付を開始した2017年9月から約4カ月後の18年1月には、累計1万2042台の受注を達成したことが公表され、マツダの狙いが正しかったことを裏付けている。
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開発のポイントは、「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soulof Motion」を全面的に採用して、上質かつ洗練されたデザイン/街乗りから高速走行まで余裕のある走り/3列目を含むすべての乗員が楽しめる快適性と静粛性を目指したところにある。
エクステリアは、多人数車=箱型のイメージを覆す、走りの良さを感じさせるプロポーションを創出。インテリアも、使い込むほどに味わいが深まる本物の素材として本杢パネルやナッパレザーを採用して上質と落ち着きに満ちた空間に仕立てられた。
シートは人間工学にもとづき、理想的な運転姿勢を取れる1列目、大柄な乗員でもくつろげる2列目、身長170cmでも無理なく快適に過ごせる3列目の空間を実現した。荷室容量(VDA)は、定員乗車時239L、3列目シートを倒すと572Lを確保。荷室のトランクボード下は307mmの深さを備えたサブトランクも設定されている。
車両安定性を高めるG-ベクタリングを全車標準装備
エンジンは2018年の一部改良を期に2.5L直4ガソリンターボ(最高出力230ps/最大トルク420Nm)が追加されたが、当初から搭載されてきたクリーンディーゼルの「SKYACTIV-D2.2」の人気も高い。
トランスミッションは6速ATの「SKYACTIV-DRIVE」。駆動方式はFFと新世代4WDシステム「i-ACTIVAWD」が全車で選択可能だ。また、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを制御し車両の安定性を向上させる制御技術SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICSを進化させた「G-ベクタリングコントロールプラス」も全機種に標準設定される。
先進安全技術では「i-ACTIVSENSE」を標準装備。そのほか360度ビューモニターやアダプティブLEDヘッドライトなどの新機構も搭載して事故リスク低減から衝突被害軽減まですべての領域に対応するが、「人間中心の設計思想」が生んだコクピット、クルマとの一体感を生むドライビングポジション、軽量・高剛性・安全ボディ「SKYACTIV-BODY」など、基本技術に一段と磨きがかかっている点にマツダの思想が感じられる。2018年度の3列シートSUV販売台数No.1と言うのも納得できる内容を備えたモデルと言って良いだろう。
■マツダ CX-8 25T Lパッケージ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4900×1840×1730mm
●ホイールベース=2930mm
●車両重量=1890kg
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=2488cc
●最高出力=230ps/4500rpm
●最大トルク=420Nm/2000rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=6速AT
●車両価格(税込)=424万4400円
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