2004年に登場したH200系ハイエース。商用1BOXとして不動の人気を誇るハイエースは、多くの職人が愛用しており、七つ道具の一つといっても過言ではない。
現行型の登場か17年が経過し、そろそろフルモデルチェンジかと期待も高まる中、2022年に行われる一部改良の内容が入ってきた。改良の具体的な内容に触れながら、進化を続けるハイエースを解説していく。
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文:佐々木 亘
[gallink]
■17年戦士の燃費向上改良!ハイエースの底力は計り知れない
今回の一部改良は、2022年3月30日に発表され、生産が4月1日よりスタートする。
改良の目玉は燃費向上等の商品強化だ。ディーゼルエンジンで0.3~0.7km/Lの向上(仮値)となる。現行値がWLTCモード燃費で11.3km/L(2.8Lディーゼル、スーパーGL・DXグレード)であるから、0.7km/L向上となると、12.0km/Lだ。
今回の燃費向上は小型貨物燃費規制(CAFÉ規制)対応が主だが、ここにきての燃費向上には驚くばかりだ。2017年の改良で置換された、1GD-FTVエンジンの底力は計り知れない。
また、同時に機能面でも充実が図られる。
左 : バン スーパーGL 中 : ワゴン グランドキャビン 右 : コミューター GL
予防安全技術では、インテリジェントクリアランスソナー全車標準化、さらにフロントフォグランプはLED化されユニットが小型化する。寒冷地仕様にはフロントウィンドウシールドデアイサーを追加された。
燃費向上に伴い尿素タンクが7.4L→10.4Lに容量アップ、ディーゼルモデルのマルチインフォメーションディスプレイには尿素水残量表示を追加する。また、時代の流れか灰皿照明が廃止された。
細かな部分では、キャンパーベース車にトヨタセーフティセンス標準設定し、専用車いす(自走式22インチ)のディーラーオプションが廃止される。また、ベース車のハイルーフ・ジャストロー・GLパッケージ仕様(TRH200K-FMTDK-G・GDH201K-FMTDY-G)と、TECS車のリフト付きバン・ディーゼル・2WD・4ドア仕様(GDH201V-VTASTR・GDH201K-VTASTF)を廃止する。
ボディカラーでは、ダークブルーマイカメタリック・ラグジュアリーパールトーニングの2色を廃止した。なお、ラグジュアリーパールトーニングはワゴンで継続設定される。
■法規対応が多数、現行型では新規登録できなくなるクルマも
ハイエースに課せられる法規制は、前述のCAFÉ規制だけではない。2022年9月から適用となる車外騒音Phase2法規や、2023年4月から適用となるエアコン新冷媒法規にも対応しなければならないのだ。
今回の一部改良では騒音法規対応のため、エンジンアンダーカバーにサイレンサーを追加し、リヤライナーを新設する。またエアコン冷媒法規対応として新冷媒用システムに対応した。
特に現行車は、騒音法規対応ができないため、2022年9月1日以降は排検証車両(完検証が無いクルマ)が登録不可となる。適用日前に予備検査受験か持ち込み登録が必須となるため、ディーラーに残る現行型ハイエースの長期在庫は、2022年9月1日へ向けて一掃しなければならない。
2020年 バン スーパーGL
法規対応前の現行型については、極力在庫を抱えないよう、注文調整をかけるディーラーが増えそうだ。切り替わりのタイミングとなる2022年春は、一時的にハイエースの納期が長くなる可能性があるので、購入検討している方は注意してもらいたい。
■重なるマイナーチェンジと改良の嵐!次期ハイエースはどこへ行く
これまでに3度マイナーチェンジをし、2013年11月のマイナーチェンジ以降で6度目の一部改良となるハイエース。モデルライフも17年を超え、そろそろフルモデルチェンジをして欲しいと願うユーザーも多いのではないだろうか。
先代のH100系も15年という長期モデルになったが、H200系は既にハイエースの最長モデル記録を塗替え続けている。
海外では、H300系ハイエースが走っているが、H200系とは違うボンネットワゴンになった。(日本では最上級モデルがグランエースとして走っている。)日本国内では、ハイエース=キャブワゴンの形が支持されており、H300系のボンネットワゴンに素直に変更するわけにはいかない。
2018年 ハイエース 特別仕様車 50TH ANNIVERSARY LIMITED
H300系ハイエースが国内に導入される可能性は低いと筆者は考える。2023年までの法規制には、今回の改良で対応ができたため、2022年中のモデルチェンジの可能性も低くなった。次期型の日本版ハイエースは、H200系をベースに国内独自の形で、2023年以降登場してくるだろう。
17年の歳月をかけ、もう改良の施しようがないほど磨き抜かれたと思っていたハイエースが、さらに進化・洗練されるのは驚きだ。次期型に期待されるのはTNGAの採用だが、もう今のままでも十分な気もするのだが。
トヨタの職人が、全国の職人のために作り上げるハイエース。これからも日本の仕事を支える存在となっていくはずだ。
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