パンダを愛する人たちのパンダリーノ
今年もフィアット・パンダのオーナーが集うミーティング、パンダリーノが浜名湖の渚園で開催、当日参加も含めて全国から約300台のパンダと、パンダを愛する人たちが集まった。1980年に登場してからフィアットの新しい時代のベーシックカーとして世界中で親しまれてきたパンダ。現在も3代目のモデルが発売され、パンダのある暮らしを楽しむ人はますます増加中。パンダリーノではクラシックカーの仲間入りをしつつある初代は勿論、ここにきて再評価されつつある2代目や3代目のモデルの参加者も多い。どんな人の手に渡っても、それぞれの文化、地域の中で、それぞれのユーザーなりに創意工夫して、めいっぱい活用することができるクルマ。それがフィアット・パンダではないだろうか。日本でも、ぜいたく品としての輸入車というよりも、イタリアの暮らしの香りをそのまま日本に伝えるチョイスとして、クルマ好きはもとより、広くファンを獲得したモデル。気兼ねなく使えて、シンプルが故に思い思いに自分仕様にカスタマイズできるクルマ。そんなパンダと共に暮らす人が年に一度、集う場所それが「パンダリーノ」なのではないだろうか。
のんびりと自由に楽しむイベント
そしてもっと言えば、パンダそのもののクルマが何台集まったか、以上に、パンダが好きな人がここに集い、「こうでなければならない!」というルールや流儀などに縛られない、いわば「パンダ的」とでもいうべき、のんびりとして自由で緩やかなものに傾倒する人たちが集う場所、という点がほかのクルマのイベントと異質な点ではないだろうか。色とりどりの参加車両で集った人たちに提供される「のんびりとした時間」と「その過ごし方」こそが最大のコンテンツ。それがパンダリーノではないだろうか。
パンダのあるライフスタイル
また、家族のように愛おしいので、パンダでフリーマーケットを開く人、様々なアイデアの商品を作って並べ販売する人。パンダに寄り添う姿、パンダをモチーフに何かを生み出したくさせるパンダ。そんな作品を見て回るのも楽しい。Tシャツも一種類ではない。ちいさな小物にあしらわれたフィアット・パンダ。動物のパンダとのコラボレーションが多いのもアジアの日本ならではかもしれない。
イベントではフードも楽しみのひとつで、毎年様々なショップが出るので目が離せない。最近すっかり名物となった湘南辻堂のガッティーナが、ご近所のセラセラと出店し提供する卓袱カレーは、早々売り切れる人気ぶりだった。
パンダ45に乗る男性。クルマを見せていただくとオドメーターは45000km弱を示す。
「スポーツカーなども持っていたがパンダに乗ってからはパンダ一筋。最初はメーターが0に戻る瞬間をカメラに収めていましたが、3回目ともなると、もうそんなのも飽きました。海が好きなのでずっと海沿いをドライブします。最近では北海道もぐるっと海沿いをドライブしてきました。全部下道は楽しい。一周して帰って7000kmほどかな。開けた屋根から月が見えるともうぼちぼち、あそこまでクルマで行ったようなものなんだなあ、と思いますよ」と話す。
いつでも、どこへでも。常に一緒に楽しめる相棒なのがフィアット・パンダなのである。今はやりのバンライフも、ずっと昔から、もっとコンパクトにできてしまうクルマ。それがフィアット・パンダなのである。
来年は初代が発売されて40周年の記念すべき年。楽しい時が経つのは早いものだが、来年の再会を約束し、西日を背に家路についていた。
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