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マツダの“革新技術”を多くの人へ──新型CX-30 X スマートエディション試乗記

掲載 更新 11
マツダの“革新技術”を多くの人へ──新型CX-30 X スマートエディション試乗記

マツダの「CX-30」に追加された、「X スマートエディション」に小川フミオが試乗した。200万円台で楽しめるマツダの革新技術搭載車とは?

基本性能そのままの“お買い得仕様”

令和のホットハッチは“超優等生”である

昨今の自動車メーカーは、オプションを減らして、最初から装備豊富で販売するケースが多い。とはいえ、走りの基本性能がよければ、“装備は多少シンプルでも、買いやすいほうが嬉しい”というクルマ好きも少なくないのでは?

ドライビングが好きなひとをターゲットに企画されたと思われるのは、マツダCX-30に追加された「Xスマートエディション」だ。全長4395mmのややコンパクトで扱いやすい車体に、マツダの最新技術を盛り込んだマイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせたグレードだ。トルキーな加速、そしてハンドリングのよさが魅力である。スマートエディションは、基本性能そのままの“お買い得仕様”だ。

スマートエディションは、2021年10月28日に発表されたCX-30のマイナーチェンジに合わせて設定された。そもそもベースになっている「X」のパワーユニットは、従来と同様、1997cc直列4気筒ガソリン・エンジンに、発進加速などでトルクを上乗せする電気モーターを組み合わせたマイルド・ハイブリッド。マツダでは「e-SKYACTIV(イースカイアクティブ)」と呼んでいる。

マイナーチェンジにおけるCX-30のシリーズを通しての特徴は、加速時のエンジンサウンドを強調した点と、オートマチック車では、アクセルペダルを操作している感覚が明瞭に感じられるように設定した点などがあげられる。

そして、もうひとつの特徴が、今回のスマートエディションの追加設定。どういう仕様か端的にいうと、装備をやや簡略化したモデルだ。従来からの「Lパッケージ」に対し、LEDヘッドランプやデイタイムランニングライト、室内ミラーやドアマウントミラーの自動防眩機能、ステアリング・ホイールヒーター、運転席パワーシート、シートヒーターなどが省略された。

運転支援システムのなかでは、「クルージング&トラフィックサポート」「交通標識認識システム」「前側方接近車両検知システム」「アダプティブヘッドランプ」も装備されない。しかし、だからといって、たんに低価格をねらったモデルとは感じられない。

“超朗報”

X スマートエディションを運転すると、クルマのよさは、装備の豊富さと比例しないのがよくわかる。

“意のままに操る自在感と爽快感はそのままに”と、マツダの説明どおり、CX-30の走りのよさを、いってみればピュアなかたちで堪能出来た。

発進時からの加速のよさは、e-SKYACTIVならではのもの。そこからエンジン回転が上がるとともに、よどみなく伸びていく加速感は気持ちいい。このときたしかに、エンジン・サウンドがより明瞭に聞こえるようになった。中音域を強調した、弾けるような音質で、ドライバーの”やる気”をそそってくれるのではないだろうか。

搭載するエンジンは、マツダの次世代ガソリン・エンジン「SKYACTIV-X」だ。「ガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンの良いところを融合した」と、謳う通りで、力強い出足の良さはあたかもディーゼル・エンジンのようだった。にもかかわらず静粛性が高いからすごい。WLTCモード燃費も17.4km/Lだから、経済性も高い。

SKYACTIV-Xは、「火花点火制御圧縮着火(SPCCI:Spark Controlled Compression Ignition)」によって、ガソリンを燃料としながら、ほぼ全域でリーンバーン(希薄燃焼)を実現。低回転から高回転まで、少ない燃料で高効率な燃焼が可能という。

これはすごい技術であるものの、なかなか一般ユーザーにはわかりにくかったのも事実。それゆえ、300万円オーバーだったこれまでのXグレードに、おいそれと手が出なかった人も多いだろう。だから、X スマートエディションの価格は、気になっていたユーザーに“超朗報”なのだ。

さらに“美点”が深まる

ステアリング・ホイールの操舵感は、切り始めはやや重い。しかしこれにはすぐ慣れるし、走りだすと、切り込んだときのボディの反応のよさで、高速道路での車線変更は安定しているだけでなく、機敏で楽しい! と思うほど。

カーブでのボディの動きも、ドライブしている私の思ったとおりに動いてくれる。CX-30ではかつて遠出をした経験もあったものの、あらためていいクルマだなぁと、自分の印象が上書きされたのが、うれしかった。

乗り心地も安定していて、路面の凹凸もきれいに消してくれる。

“ややコンパクトなボディながら、ロング・ツーリングに出ても疲れない”というそもそもCX-30がもっていた美点が、さらによくなっているように感じられた。

「X」と名づけられたマイルド・ハイブリッド車のトップモデル「Lパッケージ」の前輪駆動車(AT)が347万7100円であるのに対して、スマートエディション(前輪駆動でATのみの設定)は288万7500円に抑えられている。

私が買うとしたら、これで充分な気がした。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

11件
  • 革新技術じゃなく失敗技術。不完全なものをリリースして後からパッチ当ててsqirit1.1とか無理矢理取り繕ってる。ユーザーメリットが無さすぎて某評論家さんはYoutubeでのレビューさえしなかったという代物。
  • っていうかそろそろマツダもSuperGTおいでよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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