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【市販化あっぱれ】流行の先陣を切ったモデル4選 高級SUV/ミニバンなど 

掲載 更新 13
【市販化あっぱれ】流行の先陣を切ったモデル4選 高級SUV/ミニバンなど 

無骨なSUVに高級の概念を

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

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editor:Taro Ueno(上野太朗)

クルマというのは、趣味や好みが大きく影響する部分である反面、ある部分では生活必需品という側面も持っている。そのため、必要な人が多ければ人気車種になるというのはもちろんなのだが、それでも流行というものは存在する。

例えば今であれば、ファミリーカーが必要と考えるユーザーの中でもミニバンではなくSUVという選択肢をする人も増えているが、これはまさしく流行が影響しているといえるだろう。

そんなさまざまな流行は、当然それをリードしたモデルというものが存在している。

前述のクロスオーバーSUVであれば、1997年に初代モデルが登場したハリアーが高級SUVというジャンルの先陣を切ったクルマといえるだろう。

それまではどちらかというと、無骨で悪路が似合うクルマというイメージだったSUVに「高級」というテイストを盛り込み、フォーマルなシーンにも載り付けることができるモデルというキャラクターを与えたのだ。

当時のCMもライオンの頭部を持った紳士がイメージキャラクターとなり、レッドカーペットにハリアーを横付けするというものだったことをみても、その狙いは明白といえるだろう。

結局ハリアーは大ヒット車種となり、北米市場では高級車ブランドのレクサスからRXという車名で発売され、海外でも爆発的な人気車種となったのだ。

その結果、他メーカーも高級SUV市場に参戦し、現在のようにスーパーカーメーカーすらSUVを作る時代となったわけだが、これもハリアーが存在しなければブーム自体もなかったかもしれない。

冷え切った小型オープンカー市場を再燃

現在でも世界で最も売れている小型ライトウェイトオープン2シーターであるマツダ・ロードスター。

今でこそマツダを代表する車種の1台として、日本のみならず世界中で愛されているモデルとなっているが、初代モデルが登場した1980年代後半はこういったジャンルのスポーツカーは皆無といってもいい状態だったのだ。

当時、新車で購入できる小型オープンと言えばアルファロメオ・スパイダー程度であったが、初代スパイダーは1960年代に登場したモデルということもあり、旧態依然であることは否めなかった。

それでもなお、新型車が登場していなかった理由は簡単で、各メーカーとも小型オープンカーにそこまでの需要が見込めなかったからである。

しかし、マツダはロードスターの試作車をアメリカの街中で走らせることで商機があることを確信し、開発にGOサインを出したのだ。

とはいえ、小さなプロジェクトとしてスタートしたため人員が足らず、多くのメンバーは本業が終わった後に開発室に駆け付けたというエピソードが残っているほどだった。

そんな苦労を経て登場した初代ロードスターは瞬く間に人気車種となり、デビュー翌年には全世界で10万台弱が販売されるという、スポーツカーとしては異例の大ヒットを記録した。

その後、MG-Fやフィアット・バルケッタ、メルセデス・ベンツSLK、BMW Z3といった2シーターオープンが多く登場したが、これにはロードスターの成功があったからこそなのだった。

輸送から快適な空間の提供へ

今やVIPの送迎に使うクルマは黒塗りの大型セダンではなく、ミニバンとなりつつある。

セダンよりも圧倒的に広い室内空間に、自由自在にリクライニングが可能なキャプテンシート。

乗り降りのしやすい大開口部を持つスライドドアと、よくよく考えてみればセダンの後部座席よりも快適なことは間違いない。

しかし、ひと昔前まではミニバンという言葉すらなく、ワンボックスカーと呼ばれた3列シートを備えた車両は、あくまで1度に多くの人を目的地まで運ぶことを目的とした人員輸送車というキャラクターが強かったのだ。

しかし1997年に登場した初代エルグランド(登場時はキャラバン・エルグランド/ホーミー・エルグランド)は、商用グレードを持たず、乗用車然としたエクステリアとクリーンかつモダンなインテリアで高級ミニバンという新たな扉を開いたのである。

もともと日産はE24型キャラバン/ホーミーにGTリムジンという上級指向なモデルが存在していたのだが、それを単独車種に昇華したのがエルグランドといえるだろう。

当時のエルグランド人気はすさまじく、先行して同サイズのミニバンのグランビアをリリースしていたトヨタもエルグランドに対抗すべくマイナーチェンジを繰り返したが、まったく歯が立たないほどだった。

結局トヨタはエルグランドが2代目へフルモデルチェンジを果たす2002年にアルファードを投入するまで、苦汁をなめることになってしまったのである。

軽自動車をファーストカーに

現在、日本で最も売れているのが軽自動車であるホンダNボックス。

上級グレードは車両本体価格だけでも200万円を超えており、下手なコンパクトカーを凌ぐ価格となっている。

当然備わる装備も豪華で、ボディサイズと排気量に制限があるというだけでファーストカーとして十分使用に耐えうるクオリティであり、もはや軽自動車は予算の都合で妥協して買うものではないということを改めて感じさせる仕上がりといえる。

このように、ファーストカーとしても使えることを目的に作られた元祖ともいえる軽自動車が、1993年に登場した初代ワゴンRだ。

プラットフォームこそアルト系のものを使用しているが、フロアパネルを二重構造とすることで着座位置をアップライトなポジションとし、限られた空間の中に大人4人がしっかり座れるようにしたのである。

また、フロアパネルが二重になったことで、車内に進入するロードノイズも抑えることができるという副産物もあった。

もちろんそのままでは頭上スペースが窮屈になってしまうため、背の高いボディとすることでこれを回避。いわゆる軽トールワゴンの元祖となったのだ。

その後、ライバルメーカーのダイハツも同様のコンセプトのムーヴをリリースし、今まで妥協して買う軽自動車から指名して買うものへと徐々にスライド。現在の主流となっているスーパーハイト軽ワゴンも、ワゴンRが存在していなかったら登場していなかったかもしれないのである。

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みんなのコメント

13件
  • 初代ハリヤーは本当にすごいと思います。
    なかったジャンルを作り
    今の高級SUVブームの火種に
    なったのだから
    デビュー当時も皆が
    欲しがった一台でしたしね
  • 何のジャンルでもいえる事だけど
    要は「ギャップ」なんでしょうね。

    無骨と高級
    軽なのに広い、等。

    ただ、先陣を切って最後まで生き残れるのが本物の証拠。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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