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さよならありがとうMEGA WEB!! 22年の歴史に幕…跡地はどうなるの?

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さよならありがとうMEGA WEB!! 22年の歴史に幕…跡地はどうなるの?

 都内近郊のクルマ好きにはお馴染みのスポット、お台場の「MEGA WEB」が閉鎖する。以前から決まっていたこととはいえ、行けば丸一日楽しめるクルマ関連スポットがなくなるのはさみしい。以下、MEGA WEBの歩みと魅力、「跡地はどうなるか」などをレポートします。

文/加藤久美子
写真/加藤博人

温故知新で楽しいスポーツカーを!! 86とBRZの協業から見えた「AE86」の背中

[gallink]

■累計1億2700万人が来場した「MEGA WEB」とは

 東京・お台場エリアに1999年3月にオープンした「MEGA WEB」が、今年(2021年)12月31日19時で閉館となる。22年9カ月の間に訪れた来場者数は累計でなんと1億2700万人。日本の人口とほぼ同じ人数となる。ちなみに累計来場者数は、以下のように推移してきた。

2000年5月 1,000万人 
2006年12月 5,000万人 
2016年7月 1億人突破!
2021年3月末 1億2,667万人 

 今回閉館となるのはMEGA WEBを構成する「トヨタ シティショウケース」「ヒストリーガレージ」「ライドワン」などすべての施設が対象となる。

 ちなみにMEGA WEBの最後を飾る特別展示はレーサー中嶋一貴氏の引退に合わせたもので、中嶋選手の功績を讃える特別展示「TGRドライバー 中嶋一貴の軌跡 2012-2021」が12月31日まで行われている。

日本人トップドライバーとして、またトヨタのワークスドライバーとして活躍し続けてきた中嶋一貴選手。2021年12月にレーシングドライバーとしての活動から退くことが発表された

 2018年に悲願の優勝となったル・マン優勝車のトヨタTS050ハイブリッドをはじめ、フォーミュラニッポンのFN09などの展示も行われている。

 MEGAWEBはトヨタグループの新車はもちろん、トヨタ最先端技術の紹介やモータースポーツ活動に関する展示、子どもや家族連れにも楽しく学べる展示や体験施設が豊富にあり、マニアックなクルマ好きから小さな子連れファミリーまで、老若男女…クルマにさほど興味がない人でも楽しめる施設だった。MEGA WEBがなくなるのは本当に寂しい。

 MEGA WEBの公式サイトでは12月31日までMEGA WEBファンクラブやTwitterなどで募集した。"MEGA WEBの思い出大募集♪"で投稿された数々のメッセージが公開されている。

https://www.megaweb.gr.jp/memories/

 子どもの頃にMEGA WEBに連れて行ってもらって楽しかった思い出や、MEGA WEBで子ども用のクルマを組み立てたり、キッズカーに乗ったりしているうちにクルマが大好きになった思い出など、読んでいるとなかなか胸アツになってウルウルしてしまう。

 筆者も息子が1歳の頃から幾度となくMEGA WEBに訪れていたので、閉館ときいて色々な思い出があふれ出てくる。

 MEGA WEBはトヨタの最新モデルや最新技術を知って様々な体験や試乗までできる場所でもあったが、「未来ある子供たちをクルマ好きに育てる」という偉大な役割も担っていたのだ。

多くの子供たちをクルマ好き、乗り物好きに育てる立役者となってきたMEGA WEB

■外国人来館者も多数!「おもてなしの極意」

 MEGA WEBの特徴のひとつに外国人来場者の多さがあった。今はもちろんコロナ禍にあって、外国人の来館者は少ないが、MEGA WEBの調査によると2019年1年間の来館者は国内6:海外4だったそう。筆者の記憶では平日などはとくに海外からの来場者らしき人々が多く、8割以上だったような印象がある。

 世界中で高い人気と厚い信頼を獲得しているトヨタ車の最新モデルに試乗(国際免許証でOK)もできて、しかもそのほとんどが無料で楽しめるため、とにかく人気が高かったのだ。パンフレットもドイツ語やタイ語、ロシア語、中国語など10か国語に対応していた。お台場という人気エリアに位置しており、ヴィーナスフォートや観覧車など人気施設近いことはもちろんだろうが、MEGA WEB見学は外国人向けのツアーにも組み込まれていて、非常に人気が高かった。

10か国語に対応していたMEGA WEBのパンフレット

 以前、外国人観光客の取材をした際、「何が魅力なのか」を聞いてみた。

「こんなに色々な体験ができるのに入館料が無料というのが素晴らしい。日本流、トヨタ流のおもてなしの極意を感じるよ。アメリカにもオートモールというショールームの集合体があるけれど、あくまでもそれは各社のディーラーが集まっているだけ」(アメリカ・カリフォルニア州)

「日本は2回目だけど、前回初めてMEGA WEBに来てあまりにも楽しくて絶対また来たいって思ったよ。ほとんどの展示車両はドアを開けて乗り込めるし、300円で試乗もできる。これはスゴイことだよ。もちろんフランスでは販売されていないクルマにも乗れるしホントに楽しい」(フランス)

「ヒストリーガレージがお気に入りだった。トヨタ車に限らず日本の古いクルマ、世界の歴史的名車を見る機会は中国ではほとんどないからね。珍しいクルマをたくさん見ることができて歴史の勉強にもなったよ。これも無料で見られるなんて感動だね」(中国)

 などなど。MEGA WEBを絶賛する外国人来場者が後を絶たなかった。

 バーチャルドライブが楽しめる体験施設やシミュレータゲームなどは多くの外国人客が列を作って順番待ちをしていた。

 また、海外来場者に対する「おもてなし」展示として他の日本車ショールームや自動車関連の施設にはない展示としてとびぬけてユニークな展示があった。それは、トヨタ自動車が中国で生産、販売しているいわゆる中国市場向けの車両が「常設」で展示されているエリアだ。

 こちらは、年間100万人を超える中国からの来場者に向けたトヨタ流のおもてなしとして始まった。例年、2月の春節や10月の国慶節のシーズンには中国から大挙してMEGA WEBに観光客が訪れる。中国の人々に喜んでもらうべく、トヨタ中国車の展示を始めたのである。

 中国語の化粧プレートを付けた左ハンドルのトヨタ車や中国製造であることを示す「一汽豊田」「広汽豊田」の漢字エンブレムはとても新鮮。2019年10月の取材当時はMEGA WEBを訪れる中国人来場者は年間120万人規模にもなっており、中国車展示エリアは大人気となっていたのだ。

広汽トヨタ レビン PHEV(广汽丰田 雷凌 双擎E+)など中国市場で販売中のモデルを展示。これ日本でも売ってくれんか…

 とくに、イベント期間中は日にち限定で1回10分間の試乗ができる中国来場者に限定した試乗も可能だった。中国の運転免許証があれば運転可能で、スタッフが運転する車への同乗試乗もOK。中国仕様のカローラPHEV、レビンPHEVの他、MIRAI、RAV4とC-HRのHEV、86も試乗車として用意されていた。実施日にはいずれの車種も試乗希望者が列を作って大変好評を博していた。

■広報担当者に聞いた「思い出のイベント」は?

 それでは最後にMEGA WEBの広報担当者((株)アムラックストヨタ MEGA WEBコミュニケーションデザイングループ)に、人気があった施設や思い出のイベントなどについて聞いてみた。

――歴代のMEGA WEBの施設で人気の施設は?

 入場者はトヨタ シティショウケースが多いですが、人気があるのはライドスタジオ、ライドワンです。ライドワンの試乗件数は1999年~2021年11月で合計77万126件でした。

――印象に残っているMEGA WEBで開催されたイベントをいくつか教えてください。

「こどもモーターショー」(全10回開催、子ども向けの体験イベント)

「ココロハコブフェスタ いわて♡みやぎ♡ふくしまフェスタ」(東北復興支援イベントとして5回開催、各県の物産展や郷土芸能ステージなど)

「燃料電池教室」(MIRAIの仕組みを分かりやすくお子様にご説明するために実施。【出張MEGA WEB】としても国内各地にて実施しました)

https://www.megaweb.gr.jp/article/miraipower/

■跡地は大型複合アリーナとなって2025年オープン

 12月31日に閉館となるMEGA WEB。跡地はどうなるのだろうか。2020年3月末にトヨタグループの不動産会社「東和不動産株式会社(本社名古屋市中村区)」から発表されたリリースによると、大型複合アリーナを建設し、2025 年秋にオープンすることが予定されている。

『当アリーナは、各種イベント等が開催できる多目的ホールとして計画する予定で具体的な開発については、今後、東京都をはじめ関係者との協議の上、計画を進めてまいります』と記されている。

●計画地 東京都江東区⻘海⼀丁目
●敷地面積 別紙計画地の⼀部 約27,000m2
●延床面積 約37,000m2
●主な用途 多目的アリーナ
●収容人員 スポーツ 約10,000 席、イベント等 約10,000~13,000席
●竣工 2025年6月頃(予定)
※上記施設計画概要は、今後の関係者との協議により変更になる可能性があります

■最後にサプライズ なんと!センチュリーに試乗ができる!

 12月27日にMEGA WEB公式アカウントから驚きのツイートが行われた。
なんと、トヨタ・センチュリーに試乗ができるというのだ。コースはMEGA WEB内の「ライドワン」にある1.3kmの試乗コース。これまでもセンチュリーへの「同乗」体験はあったが、最後のサプライスは自分で運転ができるというもの。しかも1回300円の試乗料はセンチュリー含めてすべて無料となる。

 Twitterには
「本日12/27(月)から「センチュリー」が試乗できます。
 運転ももちろんですが、後席の広さや乗り心地、カーテンもお楽しみください」
 と記されている。

 なお試乗は当日予約のみ。WEB予約は当日午前0時より乗車の30分前まで予約が可能となっている。

https://yoyaku.megaweb.gr.jp/reserve/

 電話での予約は0800-0800-489(11~18時)

 センチュリーを運転できる機会はそうそうないだろう。この機会にぜひ、最後のMEGA WEBで体験してみてはいかがか。

 また、筆者もたびたび訪れたMEGA WEB内の「ルーキーズカフェ」も31日18時で閉店となる。同時に、世界でただ1か所、ここでしか頂けなかったモリゾー選手こと豊田章男社長のラテアートも終了となる。サクサクしっとりの豆乳ドーナツとのセットがお勧めだ! もうあと数日で閉館となるが、MEGAWEBに「さよなら」をしに行く方は、ぜひお試しになってみては。

モリゾウのラテアート。うーむ、これは確かにトヨタファンならずとも頼んでSNSに投稿したくなる

[gallink]

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みんなのコメント

12件
  • できた当初は10年の借地権だったと聞いていたんだけど、22年も継続していたんですね。
    池袋のアムラックスも無くなってしまって、トヨタのショールームのフラッグシップ的な施設だと捉えていましたが、今後はどこが担うのか?
  • 有料で試乗できるのが良かった。買わないのにディーラーで試乗させてもらうのはできないので。
    カローラフィールダーGT TRDに乗ったのが思い出。

    もう少し高くてもいいから、乗りたい車に有料で試乗できる施設を作ってもらえたら嬉しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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