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BMW新型「M2」はMTでこそ乗るべき! もと先代M2オーナーだからわかる新型の進化の度合いを紹介します

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BMW新型「M2」はMTでこそ乗るべき! もと先代M2オーナーだからわかる新型の進化の度合いを紹介します

コンパクトFRスポーツ好き必見のM2が2代目に進化

近年、人気のMモデルで最も売れたのが先代BMW「M2」。さらに迫力のスタイルをもつ新型は、「M3」や「M4」譲りのS58エンジンやシャシー&サスペンションが奢られています。先代後期モデルのMTをプライベートでも楽しんだ筆者には、どう映ったのでしょうか。

世界初披露! BMW新型「M2」の「Mパフォーマンス」パーツをエッセン モーターショーからお届け。「M3ツーリング」と注目を二分していました

「後輪駆動でMT」のMに再び乗れる!

BMW Mが世界で売れているらしい。といっても「ガチM」(Mハイパフォーマンスモデル)には生産の限界もあるので、大部分を占めているのはMパフォーマンスモデルになるわけだが、それにしたところで最有望なガチM購入予備軍なのだから、Mのビジネス戦略は今のところ大成功していると言って良さそうだ。

今やSUVにまでそのカバーする領域を拡大したMの世界。とはいえここ数年で最も人気、つまり売れたモデルが先代のM2だったと聞けば、世のBMWファンは皆「分かっていらっしゃる」と大いに溜飲を下げたものだ。高価格で高性能なモデルばかりに注目が集まり、いたずらに憧れだけが募ってしまう昨今。Mモデルとしては比較的低価格帯の商品であったことも大きな理由だとは知りつつ、逆にいうとそういうモデルを真剣に作ってくれたBMW Mに感謝するほかない。

かくいう筆者もしばらくF87(旧型)後期モデルの3ペダルをプライベートでも楽しんだひとり。E30の時代から大のM3好きだった筆者にすれば、E46 M3クーペを買い損ねたリベンジでもあった。何よりボディのサイズ感がよく似ていた。後輪駆動で3ペダルの設定があり、後期型ならガチMエンジン(S55)。その楽しさは想像通りで、山道や農道の休日ソロドライブには最適の1台だった。

そんなM2のフルモデルチェンジが昨年、本国にて発表された。G87だ。先代F87を買った際、「後輪駆動MTのMはこれで最後かも」と思っていただけに、2シリーズクーペ(G44)ベースでも同じ仕様が登場したから、大いに驚いたとともに嬉しくなった。

G44がすでに4駆化されていて、その走りもなかなかよかったからてっきりM2が出ても4WDとなるんじゃないかと思っていたし、そもそもM240i xドライブのデキがほとんど「M要らず」の領域に達していた(つまりM2はもう出てこないんじゃないかという危惧さえあった。メキシコ産だったし……)ので、嬉しい誤算となったわけだ。

M3やM4譲りのS58エンジンやシャシー&サスペンションを奢ったM2。もう乗る前からコーフン状態だったが、割り当てられた試乗車は大好物の水色に3ペダルと、「自分で買うならゼッタイこの仕様」という個体だったからたまらない。

内燃機関を操る喜びを十分に味わわせてくれる

国際試乗会はアメリカ・アリゾナ州スコッツデールで開催された。アメリカ生産のSUVモデルと同時開催だったのは、2シリーズもまたメキシコ生産だから。それはともかく、キーを受け取りホテルのパーキングに向かうと、薄いグレーや渋いレッドの先にひときわ明るく存在をアピールする淡いブルーのM2が数台停まっていた。

近づいてみれば、ど迫力のマスクはもちろん、その膨れ上がった前後フェンダーの異様さにまずはたまげる。M240でもすでに相当な骨太クーペだったのに、新型のM2は輪をかけてボリューミー。それもそのはず、ボディサイズはとっくにE46を通り越し、V8 NAを積んでいたE92 M3よりさらに大きいのだから。こうなると、筆者の好ましいサイズ感からは少し外れてしまいそう。

さらに驚かされたのはフロントのタイヤサイズで、なんと275/35の19インチ。間違ってリア用を履いたのと思ったほど。筆者の乗っていたF87のリアタイヤで265/35ZR19ちゃうかったっけ! ちなみに新型の前後タイヤサイズは日本仕様のM3/M4スタンダードモデルと変わらない(リアは285/35ZR20)。つまりはそういうことなのだ。

最新のM3/M4からわずか30ps落ちの同じS58エンジンを積んだ、言ってみればM4 SWB(ショートホイールベース)。それが新型(G87)M2というわけだった。

実際に駆ってみれば、そういう雰囲気に満ちている。街乗りではソリッドな乗り心地がいかにもM4ぽいし、比べてさらに激しく感じることさえあるのはSWBゆえだろう。それでも加速する時間が増すにつれて乗り心地からカドがとれ、しまいにはビーズの波をくぐっているかのようなライドフィールに包まれる。高速クルーズもなかなかのもの。

驚いたことに、あれだけでかいタイヤ(とくにフロント)を履いているというのに、低速域からすでに違和感なく動く。そんなに太いタイヤと両腕がつながっているようにはまるで思えない。ドライブモード設定でさまざまなキャラクターへと変更可能だが、いずれのモードでもタイヤの大きさを不用意に感じさせるような瞬間はなかった。

車体全体の心地よさを増幅するのがS58エンジンの役目というもので、流石の力強さと官能フィールでドライバーを鼓舞し続ける。回せば回すほどに足元から腰へと一体感の密度が高まっていく感覚こそ、よくデキたエンジンの賜物で、内燃機関を操る喜びを十分に味わせてくれる。

なによりマニュアルギアボックスの仕上がりが良かった。シャシー制御とともに先代M2から大幅に良くなったと思える点だ。先代のMTはエンジンの官能性と手足を駆使する楽しみだけで買わせていた。肝心のMTそのもののフィールは節度感に欠けていて、決してシフトレバーの操作性そのものが気持ちいいとは思えなかったのだ。それがかなり改善されている。なるほどすでにこのクラスでも2ペダルの方が「速い」。MTの役目は速く走らせることではなく、楽しく走らせること。マニュアルフィールの改善は新型M2の「売り」になると思う。

●BMW M2 ビー・エム・ダブリュー エムツー ・全長:4580mm ・全幅:1887mm ・全高:1403mm ・ホイールベース:2747mm ・車両重量:1725kg ・エンジン形式:直列6気筒DOHCツインターボ ・排気量:2993cc ・駆動方式:後輪駆動 ・変速機:6速MT ・最高出力460ps/6250rpm ・最大トルク:550Nm/2650-5870rpm ・0-100km/h:4.3秒 ・最高速度:250km/h ・公称燃費:10.2-10.0L/100km ・ラゲッジ容量:390L ・燃料タンク容量:52L ・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式 ・ブレーキ:(前)フィックス6ピストン、(後)1ピストン ・タイヤ:(前)275/35ZR19、(後)285/30ZR20 (欧州仕様/6速MT)

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みんなのコメント

1件
  • ブサイクでデブだし、、、、
    真正ドMで慣れてしまえば中身はいい子なんだろうけどなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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