クラス最高スペックのエンジンを積み、最高時速は305km!
ランボルギーニと聞いて頭に思い描くのは、低いぺったんこなボディにドアが上に跳ね上がるガルウイングのスーパーカーかもしれない。しかし昨今のSUVブームに合わせるかのように登場したのが、今回日本初公開となった「ウルス」である。
【奇才】カウンタックを手がけた「ガンディーニ」デザインのクルマ5選
じつはランボルギーニは過去に、カウンタックと同じV12エンジンを搭載した初のSUV「LM002」というモデルを発売している。今から32年前の1986年から1993年まで販売していたモデルで、プロトタイプは軍用オフローダー「チータ」という名で発表されたことから、なんとなく聞いたことのある方もいるだろう。過去にはプラモデルを手がけるタミヤから電動ラジコンが発売されていた。
そして2017年12月4日に発表された「ウルス」はスーパーSUVモデルとして、ベントレー・ベンテイガ、ポルシェ・カイエンターボ、BMW X6Mあたりが直接的なライバルだろう。ランボルギーニのアイコンである六角形を随所に取り入れたデザインは、ミウラなど往年モデルから受け継がれた伝統を覗かせる。
ほかにもランボルギーニらしさは随所に見られる。たとえば、全体の2/3がボディ、残りの1/3が窓というランボルギーニがこれまで採用してきた比率を採用。フェンダーに取り入れた六角形のホイールアーチはカウンタックはもちろん、天才デザイナー、マルチェロ・ガンディーニがマセラティ・クワトロポルテ(1994年から2000年)に採用したデザインだ。
また、昨今のランボルギーニで採用しているY字型LEDヘッドライトを採用し、SUVでありながらスポーティさを追求した点も注目である。さらにブレーキは標準装備でカーボン・セラミック・ブレーキを取り入れ、ホイールはオプションで21インチから23インチまで設定される。
インテリアは「LM002」や最新モデルからインスパイアされたデザインを取り入れている。ドアハンドルやカップホルダーといった部分まで六角形を室内全体に施し、ランボルギーニの世界観を演出。
安全装備も充実している。ADAS(先進運転支援システム)がレベル2(部分自動運転)に対応し、ハイビームの切り替えアシストも採用。フロント・リヤにパーキングセンサーと、クルーズコントロールも標準装備されている。
さて、気になるエンジンだが、4リッターV8ツインターボエンジンがフロントに搭載される。じつはランボルギーニ初のターボモデルで、低回転からトルクを発揮し街中から高速まで扱いやすい。最高出力は650馬力、最大トルクは850N・mを発揮し、これは同クラスSUVで最高のスペックだという。
乾燥重量が2200kgと決して軽くはないが、それでも0-100km/h加速は3.6秒という俊足ぶり。トランスミッションは、8速ATを組み合わせ最高時速は305kmだ。
4WDシステムは、標準状態でのトルク配分を前40:後60に設定。路面によって70:30から13:87まで変化するとのこと。さらに、ハンドリングを向上させるため4WSを導入。ホイールベースは3003mmだが、低速時は逆位相にリヤが操舵し、ホイールベースが600mm縮んだのと同等の効果を発揮して小回り性能を確保。高速の場合は同位相にステアし、バーチャルでホイールベースが600mm伸びたのと同等の安定性を示す。
ドライビングモードは、スタンダード/スポーツ/コルサのほかに、雪上を選択できる。また、オプションでオフロードが設定される。スポーツ/コルサを選択すると車高を下げることができる一方で、雪や砂漠モードでは車高を上げることが可能だ。もちろん、そのモードに合わせたランボルギーニらしいサウンドも提供してくれる。
昨今のSUVブームにかなり後発組として登場した「ウルス」だが、そのインパクトは絶大。さらにプレミアムSUV試乗に活況をもたらしてくれるだろう。価格は2574万円(税抜き)と、こちらもスーパーだ。
(取材協力:ランボールギーニ・デイ/マロニエ・オートストーリー)
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