量産車では世界初となるF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーの採用。自然吸気エンジンのようなレスポンスを実現
メルセデス・ベンツ日本はこのほど、Cクラスに設定されたスポーツモデル「メルセデスAMG C43 4MATIC」を導入し、10月20日に発売した。税込車両価格はセダンが1116万円、ステーションワゴンが1146万円で、ハンドル位置はいずれも左右から選べる。
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C43 4MATICには、408ps/500Nmを発揮する2.0ℓ直列4気筒ターボエンジン「M139」を搭載。このM139には量産車としては世界初となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用している。このターボチャージャーはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用し、実績を上げているシステムを直接のベースとするものだ。
エレクトリック・エグゾースガス・ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで、排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に直接一体化されている。このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールを加速。この加速は、コンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく、排気の流れによって駆動されるようになるまで行われる。これにより、アイドリングスピードからエンジンの全回転域にわたって、レスポンスの速さが大きく改善される。アクセル操作に対するエンジンのレスポンスが一層自然なものとなるほか、ダイナミックな走りが楽しめる。一方で、ターボチャージャーの電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上につながる。アクセルから足を離したり、ブレーキを踏んだりした場合でも、エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは常にブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られる。このターボチャージャーは車載の48V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmまで動作することで、きわめて高い空気流量を可能とする。
また、C43に採用されているBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は第二世代のもので、48V電気システムのなかではマイルドハイブリッドとしても機能し、短時間ながら出力を10kW(16ps)高めるブースト機能のほか、セーリングモードや回生ブレーキにより効率を最大限に高める。この48Vテクノロジーは、ECOスタートストップ機能やセーリングモードの間の切り替えがほぼ感じられないほど滑らかに行われることから、快適性の改善にも役立っている。
トランスミッションには、従来63モデルにのみ搭載されていた「AMGスピードシフトMCT」(9速AT)を43モデルとして初めて採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現している。シフトダウン時の自動ブリッピング機能やレーススタート機能によって、ダイナミックな走りも愉しめる。さらに、高速走行時などにアクセルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を抑えるセーリング機能の採用によって、燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングが愉しめる「Sport」や「Sport+」、 滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定 できる「Individual」の5つのドライビングモードが設定されている。ちなみに、WLTCモード燃費はセダンが11.1km/ℓ、ステーションワゴンで10.9km/ℓと発表された。
パフォーマンス志向のフルタイム四輪駆動システム「AMG 4MATIC」は、前後トルク配分が31:69と、AMG独自の後輪重視型。この後輪重視の配分により、横方向加速度を高めるなどのダイナミックなハンドリングを強化するとともに、加速時のトラクションも改善している。
C43 4MATICには、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を標準装備。車速約100km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾けることで回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなる車速が約100km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大約0.7度操舵することで、走行安定性を大きく高めるC43には後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が標準装備されている。車速約100km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。約100km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大約0.7度操舵することで、走行安定性を大きく高める。従来のメルセデスの美徳である小まわり性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させているのだ。
参考までに、欧州仕様における0-100km/h加速タイムは、セダンが4.6秒、ステーションワゴンが4.7秒と発表されている。
内外装の特徴を見てみよう。フロントデザインは、ハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用フロントグリルをCクラスで初めて採用。メルセデスAMGのパフォーマンスモデルであることを明確に主張し、逆スラントしたノーズやAウイングデザインのフロントエプロンとともに、アグレッシブな表情を形成している。
C 43専用デザインのフロントエプロンは左右にコの字型を描く大型のフリックを装備。ホイールアーチ部まで延長されたワイドなフロントスプリッターは、両端で垂直に立ち上がるアグレッシブなデザイン。いずれもハイグロスブラックで引き締められ、迫力あるフロントマスクに仕立てられている。
パワードームを備えるスポーティなボンネットは、C43の前へ前へと進もうとする衝動を強調。ウインドスクリーンとキャビンを大きく後方に置くことで、Cクラスらしい、伝統的でありながらスポーティなプロポーションを実現している。また、「センシュアル ピュリティ(官能的純粋)」というデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により、特殊な陰影を生み出している。そのなかで、サイドウインドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く、「キャットウォークライン」と言う愛称を持つキャラクターラインを一本通すことで、車高を低く、スマートに見せる効果をもたらしている。フロントエンドのDIGITALライトは、Sクラス譲りの、先代より上下方向に薄く、エッジの効いたクールなデザインだ。
サイドは、フロントフェンダーに「TURBO ELECTRIFIED」エンブレムが入り、電動化されたターボチャージャーを搭載した先進のパワートレインを備えていることを強調。また、ドアミラーにハイグロスブラックを採用することで、引き締まったプロポーションに仕上げられている。
リアエンドにも、Sクラス譲りの三角形で横に長い特徴的なデザインの2分割型のリアコンビネーションランプにより、よりワイドでシャープに見せるデザインを採用。ランプ内部の精密な構造も、高い品質が細部にまで行きわたっていることを示している。また、セダンではAMGトランクリッドスポイラーリップ(ハイグロスブラック)、ステーションワゴンではルーフスポイラーリップ(ハイグロスブラック)が装着され、リアエンドにアグレッシブな印象をもたらしている。
インテリアデザインにも新型Sクラスの要素を取り入れながら、Cクラスらしいスポーティさが加えられている。ダッシュボードは上下ふたつのパートに分かれている。上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置されており、スポーティさを演出。下部には大きなインテリアトリムがあしらわれており、センターコンソールからダッシュボードへと途切れなく続いている。
また、ドライバーを重視することでスポーツ感を強調すべく、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度ドライバー側に傾けた新しいデザインを採用。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型で、ダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える。コックピットディスプレイとメディアディスプレイは4つのスタイル(ジェントル/スポーティ/クラシック/スーパースポーツ)と、3つのモード(ナビゲーション/アシスタンス/サービス)のなかから選択可能だ。
シートはサポート性に優れており、サーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持できる一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えた、AMG専用本革スポーツシートが標準装備された。シートの調整スイッチやドアハンドルが配置されたフロントドアのブラックパネルは、エッジがクローム仕上げとなり、ドア表面から浮き上がるようなデザインとなっており、アンビエントライトの照明による上質感を演出する。
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みんなのコメント
ほんと恥ずかしくなるよな。
早く比較出回らないかなw