■わずか3カ月間の販売で197台製造
2代目「GT-R(KPGC110)」は1973年に登場。しかし、わずか3カ間の販売で製造は197台でレース参戦もないという幻の名車です。短命な2代目「GT-R」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか。
初代「GT-R」はハコスカの高性能グレードとしてレースに勝つために誕生!?
2代目「GT-R」は、4代目「スカイライン」をベースとしています。3代目「スカイライン」より現代的なデザインなうえ、わずか197台しか製造されなかったため、希少車としても人気です。
ベース車の4代目「スカイライン」は、GT-R以外でも人気が高く、スカイラインの特徴でもあった丸目4灯式のテールランプは、この代から採用されています。
スタイリングは、初代「GT-R」よりもアクの強さが抜けてスマートとなる一方、広げたタイヤの幅に対応するため前後にオーバーフェンダーを装着。通常のスカイラインよりも冷却のために空気が入る開口部を広げた特徴的なフロントグリルなどで違った雰囲気を演出していました。
また、この後16年間にわたって「GT-R」という名称が途絶え“最後のGT-R”として存在していた期間が長かったことや台数が少なくて街で目にする機会がなかったことなど『高性能国産車』という点でも注目されたクルマでした。
一方で、「GT-R」の台数が少ないため、当時流行したのが「GT-R風」にする改造。オーバーフェンダーの装着とフロントグリルの変更で「GT-R」に見えることから、通常のスカイラインを改造して「GT-R」に似せて雰囲気を楽しんでいるスカイラインも多く存在しました。
■初代と同じエンジン(S20型)が仇となる?
2代目「GT-R」のエンジンは、初代と同じS20型です。このエンジンは、プリンス自動車工業のレースカー「プリンス・R380」用に搭載される『GR8型エンジン技術』をベースとして開発されました。「GT-R」以外にも初代「フェアレディZ」に搭載されています。
しかし、S20型エンジンのおかげで2代目「GT-R」は生産中止に追い込まれることになります。それは、昭和48年に成立された「排出ガス規制」に適合しなくなったことが大きな要因です。
後に、5代目「GT-R(BNR34)」も平成12年の「排出ガス規制」に適合しないため生産中止となったことから、「GT-R」と排出ガス規制の関係は因縁めいたものが感じられます。
2代目「GT-R」の販売を終了後、その次の3代目「GT-R(BNR32)」は1989年に登場することになります。それまで、スカイラインRS、スカイラインGTS-Rといった「GT-R」になれなかった高性能スカイラインは登場しますが、本家「GT-R」の名称は16年間封印されることになります。
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