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メルセデスF1代表、レース中の戦略決定から身を引く「専門家の邪魔はしない」

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メルセデスF1代表、レース中の戦略決定から身を引く「専門家の邪魔はしない」

 メルセデスチーム代表のトト・ウルフは、ロシアGPでルイス・ハミルトンのピットインタイミングを巡って混乱が生じたことを踏まえ、無線でのコミュニケーションを見直している。さらにウルフ自身は、レース中の戦略決定にはできるだけ関与しないようにするつもりのようだ。

 ロシアGP後、ウルフはチーフストラテジストであるジェームス・ボウルズを邪魔してしまったと明かしていた。ボウルズに話しかけたのが、トップを走っていたバルテリ・ボッタスをピットに入れた後という重要なタイミングだったため、ハミルトンへのピットイン指示が1周遅れることになってしまった。

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 これにより、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がハミルトンを逆転。ハミルトンはコース上でオーバーテイクすることに成功したものの、タイヤにブリスターが発生してしまった。このブリスターを懸念したチームは、ボッタスにハミルトンの護衛をさせるという決断を下し、ボッタスの今季初優勝が奪われることになった。

 ウルフは、2010年にロシアで起きたポーランド空軍の墜落事故を例に出し、専門家の意見を上司が却下すべきでないと話した。

「その事件の際は、非常に経験豊かな戦闘機パイロットふたりがフライトしていた。霧があまりにも濃く、空港には自動着陸システムもなかったため、彼らは2度着陸を試みてそれを中止していた」

「彼らがどうすべきか考えていた時に、司令官が操縦室に入ってきて『着陸しろ』と命じた。自分の方が階級が上だからと、パイロットの意見を却下した。その結果彼らは命令を実行し着陸に失敗、乗員が亡くなることになった」

「我々チームの”飛行機”が予選や決勝を戦っている時は、ジェームスが操縦桿を握っているようなものだ。私にもコメントすることやフィードバックを与えることはできるが、最終的に何をすべきか決めるのは彼なんだ」

「私の方が序列が上だとしても、現時点で指揮を執っているのは彼だ。だから私は干渉しないようにする。最終的に決断するのは彼だ」

 ウルフは、自分の情報提供がボウルズの邪魔になるかもしれないと認めた。また日本GPの予選中はボウルズとトラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリン以外は、無線上は”静かに”するように命じられていたという。

 さらにウルフはこう付け加えた。

「ブラックリーにある拠点には、レースをサポートする部屋があり、そこには賢いメンバーもいる」

「私と(テクニカルディレクター)ジェームス・アリソンは特別なボタンを持っていて、何かおかしなことが行われようとしている時は、それを止めることができる。ただ実際に”飛行機を操縦している”人々の邪魔はしないようにしなければならない」

「彼が何か気づいていないことがあると私が100%確信できた時は、彼に情報を与えるが、最終的な判断には干渉しない」

 メルセデスは、より素晴らしい週末を毎回過ごせるように、見直しを進めているという。さらにウルフは、ロシアGPでボッタスの優勝を奪ったチームオーダーは、最終的に自分が決断したことだと認めた。

「ソチで(ボッタスとハミルトンの)マシンを入れ替えるという決定は、私に責任がある。その結果がどうなるかは分かっていた」

「結果を変えるような要素はなかった。もしあるとすれば(ボウルズ)の指示だが、それもなかった。何が起きるのかは分かっていたし、批判されるのも分かっていた」

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