この記事をまとめると
■第2世代GT-Rの型式はそれぞれE-BNR32、E-BCNR33、E-BNR34となる
「R32・R33・R34」第二世代のスカイラインGT-Rはどれが一番楽しいのか?
■なぜR33型の型式にだけ「C」のアルファベットが入っているのかを検証
■「C」は電子制御四輪操舵機構のスーパーHICASの記号だ
BCNR33の「C」からは日産の誇りが伝わってくる
その昔(1970年代前半)、「♪ABCは知っててもそれだけじゃ困ります♪」という英会話教材のCMソングがあったが、自動車の型式を表すアルファベットには、それぞれきちんとした意味がある。
一般ユーザーには馴染みがなくても、クルマ好きにとっては伝統的な車種ほどこの型式が重要で、車名より型式で呼ぶ車種も多いぐらいだ。
そうした中、とくに型式がメジャーなのはR32、R33、R34の第2世代GT-Rの三兄弟。より正確にいうと、R32はE-BNR32、R33はE-BCNR33、R34はE-BNR34となる。
これらの記号の意味は次の通り。 「E」は、排出ガス規制識別で、「53年適合車」を表す。 「B」は、RB26DETTエンジン搭載車。 「N」は、4WD(ATESSA E-TS)車。 「R」は、R30以降のスカイラインシリーズの記号。 ここで注目して欲しいのは、R33=BCNR33にだけ入っている「C」の記号!
この「C」は、当時、日産の入魂の技術だった電子制御四輪操舵機構、スーパーHICAS(High Capacity Actively Controlled Suspension)の記号とのこと。
「えっ、でもスーパーHICASって、R33だけでなく、R32とR34にも採用されたはず」と詳しい人は思ったことだろう。
さらに細かくいえば、R32では油圧制御だったスーパーHICASが、R33からはモーターを使ったヨーレートフィードバック電動スーパーHICASに進化したわけだが、それはR34にも引き継がれているので(モデルフォロイング制御もプラス)、「C」=ヨーレートフィードバック電動スーパーHICASだとすると、R34もBCNR34にならなければつじつまが合わない……。
でも「C」はR33だけに入る記号で、これがBCNR33の「C」のミステリー。
一体どうしてR33のスーパーHICASのみ強調されることになったのか? 調べてみると、R32はGT-R以外の4WD=GTS-4にも、スーパーHICASが付いていたが、R33のGTS-4にはスーパーHICASが付いていなかったので、それらと区別するためにスーパーHICASの記号として「C」が加えられたという説が一番有力。
R34になると4WDの25GT-FourもアテーサETSやHICAS(GT-Rとは異なる仕様)が搭載されたので、「N」の記号だけで「アテーサE-TS+ハイキャス」であることを表せるようになり、再び「C」が省かれたと推測されている。
この「C」の一文字のこだわりから、「技術の日産」の誇りのようなものが伝わってくる……。
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