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【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい

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【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい

はじめに

日本でもヴィッツからヤリスへ名称変更した、通算4代目となるトヨタのコンパクトカーは、原点回帰を図った。20年少々の間に、フランス工場製のヤリスは、欧州市場におけるトヨタのベストセラーへと成長してきた。量販メーカーのコンパクトカーとしては、期待通りの働きをしたといえる。

【画像】トヨタ・ヤリスとライバル 全16枚

それでもトヨタが、さらなる上を目指したのだろうことは明らかだ。そこで彼らは、新型ヤリスをまったくの白紙から新規開発することとした。ところが、お気づきかもしれないが、結果としてルックスは、先代や先々代よりも、1999年に誕生した初代に似たものに仕上がった。

採用されたプラットフォームは、完全新設計のTNGA-B。これはプリウスで導入され、C-HRやカローラでもみごとな成果を挙げているGA-Cプラットフォームと関連性があるものの、まったく同一のコンポーネンツではない。

英国市場に投入されるのはハイブリッド仕様のみで、燃費やアクティブセーフティを売りにしているのは近年のトヨタ車の常道どおりだ。しかし新型ヤリスは、先代のガソリン車より大幅に向上したパフォーマンスや、ハンドリングをはじめとする走り方面の要素でもアピールしている。

興味深いことに、こうしたセールスポイントは、不自然なほど初代のそれと一致しているが、なにも偶然ではないだろう。デザインや技術面でも、走りでも、ビッグなスモールというコンセプトを打ち出したヤリスの原点へ、新型は立ち戻ろうとしているようだ。中間の、あまり冴えなかった10数年の記憶を払拭するかのように。

そうした特徴付けはともかく、ここではいつものように、新型車のクオリティやキャラクターを詳細にチェックしていく。そして、厳しい要求にさらされる、トヨタにとって重要な最新スモールカーが、欧州市場で大きなシェアを占める売れ筋Bセグメントたちの一角に食い込むだけのポテンシャルを備えているのか、その点を確かめていくことにしよう。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

この数年、自動車業界はフル電動化の動きを加速しており、ハイブリッドしか用意しないヤリスは、このクラスの少数派となりつつある。ライバルは、ホンダ・フィットやルノー・クリオのフルハイブリッド版だ。

フルEVのコンパクトカーが一般化しつつある中でも、ハイブリッド技術を主導してきたトヨタが、ガソリン+モーターにこだわるのは意外ではない。しかも、広範囲にわたって磨きをかけ、改善を図ってきた。

この新型ヤリスのハイブリッドパワートレインは、新開発の1.5L直列3気筒がベース。アトキンソンサイクルの自然吸気で、カローラやC-HRの4気筒との関連度が高いユニットだ。

ジェネレーターを兼ねる電気モーターは2基で、CVT的な遊星歯車式動力分割機構とともに、より小型化された新型トランスアクスル式トランスミッションを形成する。178Vの駆動用リチウムイオンバッテリーも新型で、モーター/ジェネレーターはその電力をあるときは消費し、またあるときは補充する。

システム総合出力は先代比16%アップの116psで、前輪を駆動。英国に導入されるヤリスは、この1.5Lハイブリッドと、ホットモデルのGRのみとなる。

トヨタにとって、新型ヤリスは新開発のモジュラープラットフォームであるTNGA-Bを用いる最初のグローバルモデル。パッケージングのみならず、スタイリングでも大幅な進歩がみられる。先代より全長は55mm短く、全高は40mm低い。2代目と3代目のルックスには小型MPVを思わせるところがあったが、それは払拭された。

いっぽうで、ホイールベースは50mm長くなり、トレッドは57mm拡幅。これらの寸法の拡大により、歴代ヤリスの売りだった小さいクルマに大きな室内を今回も実現している。シャシー的には、運動性能の飛躍的な向上が見込めるところだ。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームという、このクラスでは一般的なセットアップ。テスト車のデザインというグレードは中の下といったところで、ホイールは16インチだが、17インチとハードなサスペンションを組み合わせたスポーティな仕様も用意されている。

内装 ★★★★★★★★☆☆

トヨタ曰く、ダッシュボードを低くし、Aピラーをドライバー側へ引き寄せたことで、視認性を改善しているとのこと。前方視界に関して、その効果は大きくないように思えたが、室内の広さや熟成度はたしかに感じられた。少なくとも、着座位置が21mm低くなった前席にいる限りは。

また、ステアリングコラムはチルトとテレスコピック双方の調節機構が備わっているので、快適でサポート性に優れたドライビングポジションは容易に見つけられる。革巻きステアリングホイールはじつに握り心地がよく、GRスープラに装着されていてもおかしくないとさえ思わせるアイテムだ。

デザイン的には、かつてのヤリスに見受けられたような遊び心が戻ってきた。双眼鏡のようなメーターパネルと、曲線が美しいダッシュボードには、そのことが明らかだ。それだけでなく、上質感も与えられている。

チープな手触りのドアハンドルなど、硬いプラスティックも目につくが、興味を引く新たなファブリックやソフトなプラスティック、ラバー風の表面処理が、目に付くところだけでなく小物入れの中にまで用いられている。

ダッシュボードやドアパネルの湾曲部も楽しげで、生真面目な傾向の欧州車との差別化ポイントにもなっている。最近はフランスの各メーカーが勢いを取り戻しているが、それにつけても個性的だ。

総じていえば、質感の面も改善されているが、これは上位モデルのカローラなどにもいえることだ。フォルクスワーゲン・ポロやミニを脅かすほどではないだろうが、フォード・フィエスタあたりのオーナーならうらやましく思うだろう。

だが、内外装とも進歩著しいとはいっても、後席と荷室はそこまでではない。その点、ポロやクリオはかなりよくできているが、新型ヤリスの荷室は先代と比較して、数値的にわずかながら減少している。

それでも、高さ調整式の荷室フロアを装備したことはありがたい。容積を最大限使う必要がなければ、開口部の段差を小さくできるので、積み下ろしに便利だ。

走り ★★★★★★★☆☆☆

トヨタのハイブリッドは常にクラス水準より優れた燃費をマークしてきたが、ドライバビリティがその犠牲になりがちだった。それは4代目ヤリスでも同様だ。

たしかに、新型1.5Lパラレルハイブリッドが負荷をかけてもこれまでよりナチュラルに感じられ、電気式CVTがこれまでよりゴムバンドのようなダルさを減らすよう開発されてはいる。チューニング変更とモーター出力アップもあって、一定回転走行で続く騒音も、払拭できないまでも、いくらかは減少している。

そうはいっても、このシステムがもっとも力を発揮するのは、軽~中程度のスロットル入力時で、自然吸気3気筒に求められる出力がそれほど大きくない場合だ。そういうことがあるとすれば、だが。

そのため、このヤリスが効果的に働くのは市街地を走るときだ。そこでは電気モーターが、使い勝手のいいシャープな発進と、リニアで力強い初期加速をもたらしてくれる。ピュアEVでおなじみのアレだ。

公式なアナウンスでは、低速時の80%は電力がカバーできるという。スロットルペダルを器用に操作できるようになれば、そのデータがもっともだと思えるようになるだろう。

しかしながら、開けた道に出ると、やはりナチュラルではないところがみられる。とくに、交通の流れをキープするより活発なペースになったときがそうだ。

先代のオーナーが、しばしば弱点として挙げたのが追い越し加速だった。その点では、パワーアップが改善に効果を発揮しているが、それでも慎重に行うことが必要となる。48-113km/h加速は、われわれの計測では8.8秒を要した。

実のところ、ハイブリッドのヤリスを手に入れようというユーザーにとって、パフォーマンスはトッププライオリティとはなりそうもない。それでも、発進加速テストの結果は上々だった。

テスト車は、フォードが誇る1.0Lエコブーストを積むフィエスタを、0-97km/h加速タイムで凌いだ。このスタートダッシュにおける小さな勝利が、電気モーターのなせる技であるのはまちがいなさそうだ。

というのも、エンジンが本格的に回りはじめ、ハイブリッドシステムのスイートスポットを外してしまうと、楽しくもなければ、取り立ててパワフルでもないのである。

使い勝手 ★★★★☆☆☆☆☆☆

インフォテインメント

おそらく、インフォテインメントシステムにおいて、スマートフォンとの連携機能を重視するユーザーは少なくないだろう。ヤリスにはAndroid AutoもApple CarPlayも標準装備される。

そして、このクルマのオーナーは、それらのアプリを頼りにすることが多くなると思う。というのは、ナビゲーション機能が標準装備されないからだけではない。車載システムのメニューは、グラフィックが小さい上にやや反応遅れがあって、使いづらいのだ。その点、ミニやポロのシステムはよくできている。

ハードウェアとしては、エントリーグレードのイコンには7.0インチ、テストしたデザインには8.0インチのタッチ式ディスプレイを採用する。USBポートや、英国仕様ではバックカメラも標準装備。ただし、後部画像の解像度は高くない。

燈火類

デザイン以上のグレードには、LEDヘッドライトを標準装備。エントリーグレードのイコンでは、プロジェクター式のハロゲンヘッドライトとなる。

ステアリングとペダル

ブレーキペダルはわずかに右へオフセットしているが、ドライビングポジションに窮屈なところはない。ステアリングコラムのテレスコピック調整が全車標準装備となったので、さらにアジャスト性が向上した。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

コンパクトカーにおけるハンドリングとスタビリティのよさは、ほかのクラスのクルマにおけるそれとまったく同じではない。

なぜなら、コンパクトカーのセグメントで記憶に残るハンドリングマシンというのは、意図的にスタビリティを犠牲にして、楽しめるハンドリングを実現しているからだ。短いホイールベースと狭いトレッドをうまく活かして、最廉価仕様であっても熱中できて満足感のある走りを生み出している。現行フィエスタは、まさにそういうクルマだ。

その点、ヤリスはフィエスタほど熱いクルマではない。スタビリティ方面に振りすぎな感がある。それでも、そのつつましやかなルーツからすれば驚くほどハンドリングは冴えている。

ハードなサスペンションの17インチ仕様車もあるが、テスト車はソフトなスプリングを備える16インチ仕様。ラインナップ中でもっともシャープなバージョンではないし、ましてやGRヤリスなら別次元のドライビングを楽しめるだろう。

ところが今回のヤリス、シャシーバランスはニュートラルで、グリップレベルはトレッド拡大が効いて、低フリクションのコンチネンタルを履く割には強力だ。

走りはじめてすぐにわかるのは、新型プラットフォームを得た4代目ヤリスが、一般ドライバーの多くがまずやらないような激しい走りをしても楽しめ、しかも落ち着きを失わないことである。

その安定感に貢献しているのがステアリングだ。このクラスで時折みられるようなあからさまにレスポンスを高めたものではないが、このクルマの総合的なロールレートによくマッチしている。

トヨタによれば、ねじり剛性は先代比で40%近く増強しているという。これは主に、ダッシュボードサポートなど骨格部の構造見直しと、溶接スポットの増加によるものらしいが、その数字を疑う理由はみつけられなかった。

結局のところ、スタンダードな仕様のヤリスは、コンパクトなドライバーズカーとして、引き出し切れないくらいのポテンシャルを秘めている。際立って光るものがあるわけではないが、幅広い速度域ですばらしい安定ぶりを示し、このクルマに適した道を走っていればしみじみと満足感を味わえる。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

新型ヤリスの、走りの洗練性における強みをもたらすのは、プラネタリーギア式トランスミッションに接続された2基の電気モーターだ。また、走行マナーを高める上で重要なのが、小さいほうのタイヤサイズを選ぶことである。

その2点が揃えば、ほぼ音もなく走り出すだけでなく、市街地走行では感心するほど頻繁にEV走行へ入ることも可能だ。しかも、その間ずっと、みごとにクッションの効いた低速域での乗り心地をみせてくれる。

経験上、17インチタイヤとハードなスプリングを組み合わせた仕様では、しなやかさが目減りする。上位グレードに目移りするかもしれないが、乗り心地を重視するなら要注意だ。

もちろん、プラグインハイブリッドは設定されていないのはご存知のとおりだが、これは駆動用バッテリーの容量が、一充電あたり7km弱しか走行できない程度だから。となれば、必然的に3気筒エンジンの出番がいずれやってくる。

このエンジンの掛かりかたがどうにもぶっきらぼうで、負荷をかけるとぶざまなノイズもかすかながら漏れ聞こえてくる。むしろ、3気筒ターボ単体のフィエスタよりも騒音が気になるくらいだ。

とはいえ、エンジンをこまめにシャットダウンしてくれるので、その不満は和らげられる。巡航中のような軽負荷時や減速時、またほどほど以上の加速が必要ない場合はたいてい、ガソリンを燃やさずに走ってくれるのだ。

そのため、総じてこのヤリスは、ほどよく付き合いやすいと思わせてくれる。おそらく、高速道路での静粛性は期待したほどではなく、風切り音やロードノイズは遮断しきれていない。太いAピラーが、市街地で目障りに思うこともある。しかし全般的にみれば、ハイブリッドのステータスとソフトなサスペンションが、このセグメントにおける優位性をもたらしている。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

車両価格をみると、ヤリスの値付けはこのクラスでは割高に思える。しかし、装備内容の充実ぶりや残価率の高さを考慮すれば、競争力は十分にある。同程度のグレードで比べると、ポロやフィエスタより5%ほど高価だが、3年後の残額を踏まえれば、残価設定ローンの支払いはむしろ低く抑えられる。

また、燃費のメリットも大きい。テスト時の平均値は21km/Lを超えた。現実的な使用状況でも、一般的なAT車と変わらないイージーな2ペダル運転でありながら、かなり燃料を節約できるはずだ。

もしも街乗りだけに使うのでなければ、上位グレードのダイナミックかエクセルを選んだほうがいい。有償オプションになるものもあるが、この2仕様でなければアクティブセーフティシステムがフル装備できないのだ。なお、ダイナミックはオプションの2トーン塗装が設定され、エクセルは電子制御のドライバーアシストがより充実する。

スペック

レイアウト

ヤリスは、トヨタの新たな小型車向けプラットフォームであるTNGA-Bをはじめて採用したモデル。フロントにはアトキンソンサイクル3気筒ガソリンを横置きし、2基の電気モーターでアシスト。駆動用バッテリーは178Vだ。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビーム。車両重量は、公称1085kgだが、テスト車は実測1140kg。前後重量配分は62:38だった。

エンジン

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列3気筒1490ccアトキンソンサイクル、ガソリン、モーターアシスト
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ80.5×97.6mm
圧縮比:14.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
モーター最高出力:80ps
モーター最大トルク:14.4kg-m
システム総合出力:116ps/-rpm
システム総合トルク:-kg-m/-rpm
エンジン許容回転数:5500rpm
馬力荷重比:106ps/t
トルク荷重比:-kg-m/t
エンジン比出力:61ps/L

ボディ/シャシー

全長:3940mm
ホイールベース:2560mm
オーバーハング(前):790mm
オーバーハング(後):590mm

全幅(ミラー含む):2010mm
全幅(両ドア開き):3420mm

全高:1500mm
全高:(テールゲート開き):1980mm

足元長さ(前席):最大1070mm
足元長さ(後席):630mm
座面~天井(前席):最大990mm
座面~天井(後席):890mm

積載容量:286~-L

構造:スティールモノコック
車両重量:1085kg(公称値)/1140kg(実測値)
抗力係数:0.31
ホイール前・後:6.0Jx16
タイヤ前・後:195/55 R16 V
コンチネンタル・エココンタクト6
スペアタイヤ:スペースセーバー

変速機

形式:電気式CVT
最終減速比:2.83:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:18.1km/L
ツーリング:23.0km/L
動力性能計測時:9.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):31.2km/L
中速(郊外):31.2km/L
高速(高速道路):27.0km/L
超高速:19.2km/L
混合:24.4km/L

燃料タンク容量:36L
現実的な航続距離:650km
CO2排出量:92g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:282mm通気冷却式ディスク
後:274mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(センターコンソールに設置)

静粛性

アイドリング:-dB
全開時:74dB
48km/h走行時:58dB
80km/h走行時:65dB
113km/h走行時:71dB

安全装備

ABS/ACC/LKAS/VSC/HAC/トヨタセーフティセンス
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):3.2秒
0-40(64):4.8秒
0-50(80):6.8秒
0-60(97):9.2秒
0-70(113):12.0秒
0-80(129):15.6秒
0-90(145):20.2秒
0-100(161):26.5秒
0-402m発進加速:17.1秒(到達速度:134.4km/h)
0-1000m発進加速:31.0秒(到達速度:169.8km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォルクスワーゲン・ポロ 1.0T 95 SE
テスト条件:湿潤路面/気温4℃
0-30マイル/時(48km/h):3.5秒
0-40(64):5.5秒
0-50(80):7.8秒
0-60(97):10.7秒
0-70(113):14.6秒
0-80(129):19.4秒
0-90(145):25.7秒
0-100(161):34.4秒
0-402m発進加速:18.0秒(到達速度:124.7km/h)
0-1000m発進加速:32.9秒(到達速度:159.6km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.7秒

30-50(48-80):3.5秒

40-60(64-97):4.5秒

50-70(80-113):5.2秒

60-80(97-129):6.4秒

70-90(113-145):8.2秒

80-100(129-161):10.9秒

90-110(145-177):17.7秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):47.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.76秒

ライバルの制動距離フォルクスワーゲン・ポロ 1.0T 95 SE
テスト条件:湿潤路面/気温4℃
30-0マイル/時(48km/h):8.2m
50-0マイル/時(64km/h):23.8m
70-0マイル/時(80km/h):47.8m

結論 ★★★★★★★★☆☆

先代ヤリスの登場時に批判されたのは、気負わない感じとイマジネーションの欠如だった。しかし、今回のテスト結果を踏まえれば、トヨタはどちらもふたたび見出すことができたように思える。

たしかに、これより走らせてうれしくなるコンパクトカーはある。少なくとも、フォードやマツダのそれがそうだ。そして、ライバルたち、それも主にフランス生まれのそれらが、見栄えで劣るという意見は多くないだろう。

それでも、ハイブリッドのみが英国に上陸した4代目ヤリスは、燃費に関しては競合車たちを寄せ付けない。また、先代モデルと比べれば、走りはよく、ルックスは楽しげで、キャビンは個性的になった。1999年登場の初代がそうだったように、この新型は集めるであろう注目に応えるはずだ。

しかし、すべてに満足できるわけではない。ユーザーは、慎重にグレード選びをしなくてはならない。というのも、大径タイヤとハードなサスペンションを装備する仕様は、乗り心地から流れるようになめらかな動きが失われるからだ。

さらに気になるのがハイブリッドのパワートレイン。現実的なペースでの走りはよくなったが、やはりエンスージアスト向けの物件ではない。

また、ホイールベースが伸びたことを考えると、後席や荷室の広さはもう少しほしかった。そうはいっても、このキャラのたった新型ヤリスは、成功した初代への原点回帰を感じさせる仕上がりになっている。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス走りも全般的なイメージも引き上げた、トヨタの仕事ぶりはみごとだ。個人的にこの新たなルックスは好きだし、ドライビングもホンダ・フィットのハイブリッドよりはるかにいい。

リチャード・レーンミルブルックのテストコース近くに、ガラスのようにスムースな路面の高速S字がある。ハンドリングバランスを確かめるには絶好の場所だ。そこでのヤリスの走りっぷりには驚かされた。GRや、さらに高性能だとウワサのGRMNは、すばらしいものになることだろう。

オプション追加のアドバイス

以前に試乗した経験からすれば、ハードなサスペンションと17インチのホイールを装備する仕様は避けたほうがいいといえる。われわれなら16インチ仕様を選ぶ。

改善してほしいポイント

・コンパクトカーの遮音性は、常に改善の余地があるポイントだ。ヤリスの場合、とくにエンジン負荷が高まった際にそう思うことになる。
・トヨタのサプライヤーは、優秀なインフォテインメントシステムを供給できずにいる。おそらく、外に目を向けるべきときだろう。Androidのナビがいいのではないだろうか。

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  • 高速をよく使う人は燃費が悪くなるかもしれないけどタイヤ交換したほうがいいかも。雨の高速は危ないような。衝撃的な動画がありました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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