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期待を込めた辛口評価 ホンダe:Ny1へ英国試乗 eより長い航続412km  目指すべき水準は上にある

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期待を込めた辛口評価 ホンダe:Ny1へ英国試乗 eより長い航続412km  目指すべき水準は上にある

ホンダ製バッテリーEVの第2段

ホンダは、好印象なハッチバック、eでバッテリーEV時代への1歩を踏み出した。しかし航続距離がネックとなり、販売は低調。第2段となるe:Ny1は、より賢明なパッケージングにあり、掛かる期待も大きいはず。

【画像】目指すべき水準は上にある 新型 ホンダe:Ny1 競合クラスの電動SUVと比較 全153枚

このe:Ny1は、近年の主力カテゴリーといえるコンパクトSUVで、航続距離も長い。バッテリーEVの普及がひと足先に進む欧州市場では、商業的な変革をもたらすと考えられている。

ボディサイズは、ハイブリッドのホンダHR-V(ヴェゼル)とほぼ同じ。駆動用モーターがフロントに1基載る前輪駆動となる。英国での価格は、4万4940ポンド(約813万円)からと少々強気。果たしてその価値は備わるのか、実際に乗って確かめてみよう。

車内は、このクラスとしては広め。前列・後列ともに、大人2名が快適に過ごせる空間が確保されている。ただし、日産アリアやテスラ・モデルYは、同等以下の価格で、e:Ny1以上の実用性を備えていることも事実ではある。

ライバルとなるキア・ニロEVや、ヒョンデ・コナ・エレクトリックは、数1000ポンド(数10万円)もお手頃。それでいて、車内空間は引けを取らない。さらに、1度の充電で走れる距離はカタログ値で412kmがうたわれるが、韓国勢の方が長くもある。

ガソリン車の燃費のように、現実的にカタログ値を走れるわけではない。エアコンをオンにした時の航続距離は、305km程度まで短くなる。エネルギー効率に優れる、ヒートポンプ式エアコンはオプションだ。

内装の高級感は届かず 姿勢制御は悪くない

インテリアを眺めると、レザー張りのダッシュボードに据えられた、巨大なインフォテインメント用タッチモニターが存在感を放つ。それでも、価格帯に見合うような高級感までは備わらないだろう。

内装は、頻繁に触れる部分でも硬質なプラスティックが目立つ。テクスチャも単調で、光沢感が印象を落としている。少なくとも、ホンダらしく実際に押せるハードボタンが各所に設けられている点は、評価できる。

運転席からの視認性は良好。指定速度支援や車線維持支援など、運転支援システムも充実しているが、不要な場面で機能をオフにするのは少々面倒に感じた。

ホンダがe:Ny1で強調するポイントが、快適性や洗練性、使いやすさ。この市場をリードするテスラ・モデルYは、しっとりとした乗り心地の実現へ手を焼いているだけに、主張どおりなら強みになり得る。だが実際は、理想に届いていないと思う。

フロントシートは柔らかく、座り心地は良い。それでも、調整域はやや狭く、身体をしっかり支えてくれる印象が薄い。

乗り心地は、基本的に滑らか。しかし路面状態が悪化してくると、期待ほど衝撃を丸めてはくれない。凹凸の目立つ区間では、落ち着きが乏しくなる。そのかわり姿勢制御は引き締まり、SUVとしては悪くない。

訴求力は今ひとつ もっと高みを目指したい

駆動用モーターの最高出力は203psで、1733kgあるe:Ny1のボディを活発に引っ張る。一方でグリップ力は低く、交差点での立ち上がりなどのマナーは、最新モデルとは感じにくい。

ステアリングホイールの操舵感は重め。都市部の道路を、機敏に駆け抜けるのが得意とはいえないだろう。

ちなみに、送電網の負荷状況や自宅のソーラーパネルの発電量を判断し、駆動用バッテリーの充電が自動的に制御される機能も備わる。環境負荷を抑える、知的なシステムだと思う。

全体的な印象をまとめると、筆者が約4万5000ポンド(約814万円)の電動クロスオーバーを検討するとして、e:Ny1を選びたいと強く考えさせる特長は見当たらないかもしれない。完成度は低くないものの、保守的で、訴求力は今ひとつだ。

確かに、コンパクトハッチバックのeより、商業的な結果は導けるかもしれない。ホンダにとっても、大きな意味を持つモデルだと思う。とはいえ、技術革新を強みとする日本の自動車メーカーとして、まだ目指すべき水準は上にあるのではないだろうか。

英国では、2024年からバッテリーEVなどのゼロ・エミッション車両を、一定割合で販売する義務が課せられる。まずは22%からのスタートだ。この市場に限っては、残された時間は長くない。

ホンダe:Ny1 エレガンス(英国仕様)のスペック

英国価格:4万4940ポンド(約813万円)
全長:4387mm
全幅:1790mm
全高:1584mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:412km
電費:5.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1733kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:61.9kWh
急速充電能力:78kW
最高出力:203ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

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みんなのコメント

22件
  • sat********
    約814万円ってBYDの倍近いのでは。ホンダねぇ
  • mfg
    金持ちターゲットのEVニーズは一巡したから現在世界的に販売が減少してるのだと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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