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バスのBEV化が急激に進むタイで生き残る激安の「赤バス」! 「アジア感」たっぷりのエアコンレスの古いバスは消滅の危機

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バスのBEV化が急激に進むタイで生き残る激安の「赤バス」! 「アジア感」たっぷりのエアコンレスの古いバスは消滅の危機

 この記事をまとめると

■世界中でBEVバスの導入が進んでいる

快適な旅は座席で決まる! バスオタクが高速バスで必ず座る場所とは?

■バンコクではエアコン付きとエアコンなしのバスがそれぞれ価格違いで走っている

■一部バスは老朽化が目立っており、入れ替えの際はエアコン付きのBEVバスになる予定だ

 バンコクではBEVのバスが急激に普及中

 世界各国でそのスピードは異なるものの、街なかを走る路線バスのBEV(バッテリー電気自動車)路線バスの導入が進んでいる。日本でも東京都心では電力供給の問題などもあり、ほぼ見かけないものの、首都圏でも各事業者の試験的導入が進んでいる。日系メーカーのBEV路線バスの納車が始まれば、さらに街なかで見かけることになるだろう。

 タイの首都バンコクでも傾向は同じなのだが、そのスピード感がハンパない。2022年に1000台強のBEV路線バスが導入され、筆者は2023年春にバンコクを訪れた際に存在を目の当たりにし、その台数に驚かされた。

 そして報道によると、国営系公営バス事業者が新たに3390台のBEV路線バスの調達を決め、2025年にはバンコク市内を走るすべての車両がBEV化されるとしている。すでにバンコク市内中心部では当たり前のようにBEV路線バスが走っている。ただ「充電はどうしているのか?」というのが地元民の間でもミステリーになっている。ただ、そんな疑問は他所にそれでも増え続けている。しかし、前述した「BEV路線バスが当たり前」というのはエアコン付きバスに限った話だ。

 バンコク市内では公営のほか、民間事業者のバスも走っているのだが、筆者が見た限りではバンコク市内中心部に限っていえばほぼ公営バスに一本化されつつあるように見える。そしてエアコン付きバスのほかに、「エアコンなしバス」というものが走っている。

 とくに「赤バス」という愛称のつく公営のエアコンなし路線バスはいまでは諸物価高騰もあり、8バーツ(約35円)という均一料金で乗ることができるが、値上げ前までは「5バーツバス」とも呼ばれていた。これは前の国王が「国民のだれもが手軽に移動できる手段を」ということで設けられたものと筆者は聞いている。距離制運賃を導入する公営のエアコン付きバスでは、25バーツ(約100円)という運賃もあるのだからいかに運賃設定が安いかがわかるだろう。

 待望のエアコン付きバスが普及目前!?

 しかし、さすがに車両がかなり古くなっている。実際、日本メーカーのかなり古い型の車両を使っており、バス愛好家を自認する筆者はいつも熱い視線を送っているほど。しかし、実際はその古さが深刻で、行政当局は8バーツバスのエアコン付き車両導入を決めたようだ。そして当然いまどきなので新規導入車両は「エアコン付きBEV路線バス」となる様子。この動きにより、早くて2024年7月までとの報道もあるが、バンコク市内を走る路線バスは「オールBEV化」されることになるようだ。

 また、インドネシアでは、なぜかワンマンバスなのに運転士以外の助手が乗っている市内を走るバス車両の近代化が進み、一部ではBEVバスも走り出している。

 日本人である筆者から見れば、進んで利用しようとは思わないが、エアコンのない古い型の路線バスにたくさんの乗客が乗っているバンコクでのシーンは、「アジアの街角風景あるある」と感じているのだが、「それは観光客のエゴだ」と同行者にいわれたりする。交通系ICカードの導入など、公共交通機関が便利で快適なものへスピード感を持って進化している今は、ある意味それが新しいアジアの街角風景なのかもしれない。そして、そのような近代的な公共輸送システムの導入に際しては日本の優れた運行管理システム導入や、日本の事業者が直接関わったりしているケースも多い。

 今回訪れたときも日中の気温が37度になる日が連続した。筆者個人としてはエアコン(冷房)はもはや「生命維持装置」になっていると勝手に思っている。果たして8バーツという運賃が維持されるかは別として、「市民の足」であった8バーツバスが、冷房の効いた快適な移動手段となる日は間もなくに迫っているようだ。

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みんなのコメント

14件
  • tak********
    >条件は完璧にそろっているのに「EVが普及しない」不可解な国・日本 米メディアが原因を分析(クーリエ・ジャポン)
  • mfg
    イギリスのBYDバッテリーの不具合や暖房いれると危険とか実航続距離や冬の充電量不足でバスの運行不能で15億の経済損失とかいろいろあるみたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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