マイナーチェンジ版は燃費も向上している
2輪との同時展示でかなりのスペースを占めていた東京モーターショーでのホンダブース。EV Conceptシリーズの2台はもちろんのこと、発売されたばかりのシビックシリーズにも多くの観客が詰めかけていたが、もう一つ、多くの人を集めていたのがNSXだった。
新型ホンダNSXのハイブリッドはなぜ3つもモーターを使うのか?
じつはそのNSXの隣には、来年2月に発売予定のホンダのフラッグシップセダン、レジェンドの新型が展示されていたのだが、どうも注目度が低いように感じてしまった。北米市場ではレクサスGSやBMW5シリーズ、メルセデスベンツEクラスなどとガチンコのライバルとなるレジェンド(北米市場ではアキュラ・RLX)だが、日本市場ではそもそも比較対象にすら登らない地味な存在とはメーカー担当者の弁。
しかし、レジェンドのスペックは他のライバルに劣るどころか、勝っているポイントもたくさん存在している。まず一番注目していただきたいのはそのパワートレイン。3.5リッターV型6気筒エンジンに世界初の3モーターハイブリッドシステムを組み合わせた、最先端の駆動システムである「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用しているのだが、これはあのNSXに採用されたものと同様のものなのだ。
フロントに1機、リヤに2機搭載されたモーターは、コーナー旋回時にはリヤの2つモーターの外側の後輪の駆動力を内側よりも増し、内側は外側よりも小さい駆動力、もしくはモーターによる回生で減速力を発生。これによりクルマに内向きの力が起こり、ステアリング操作と連動してモーターがきめ細やかに駆動力を制御することで、旋回性能が大幅に向上するといったもので、大型セダンとは思えないほどのコーナリングを実現してくれるのである。
そして、エンジン+3モーターを組み合わせたシステム出力は、382馬力/47.2kgf-mと、さすがにNSXには劣るものの、必要にして充分のパワーを誇る。それでいてJC08モード燃費は16.8km/Lと1.8リッターガソリン車並みの数値を誇っている。
さらに価格は680万円(MC前)であり、ライバル車種で同等の装備を持つグレードと比較しても100万円~400万円近く安い価格となっている。メーカーとしてはライバル車種と同等の価格帯にしたかったが、あえて戦略的な価格にしたそうだ。
そんなレジェンドのマイナーチェンジ版が展示された今回の東京モーターショー。内外装のリファインが中心となっていたが、ハイブリッドシステムの最適化により燃費も向上させたモデルになっているという。奇しくもモーターショー開催期間中の臨海副都心周辺で、仮ナンバーを付けた同車のテスト車両が目撃されたという情報もあるが、これもティザーキャンペーンの一種なのだろうか?
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